【大河ドラマ】 女城主・井伊直虎とは? 主役の柴咲コウさん共々調べてみました!! 〈25JKI39〉

さてこうして、直親の嫡男である虎松の行方が知れぬ中、永禄8年(1565年)に井伊氏の家督を継いだのは、井伊直盛の子「次郎法師」でした。ところが前述の通り、この次郎法師は実は直盛の娘で虎松には再従姉(はとこ、親同士が従兄弟)にあたる女性であり、これ以降、彼女は勇ましい男名「直虎」を名乗って、女性国人領主として多難続きの井伊一族を率いていくことになります。

そして今川氏の支配から離れた松平家康(松平元康が家康に改名したのは永禄3年、勅許を得て徳川姓としたのは永禄9年12月29日)の遠江国進出を受けると、井伊氏は家康の配下に入りました。その後、元々の主家であった今川氏は滅亡しますが、甲斐の武田信玄や家康もが虎視眈々と井伊家の領土を狙う中で、直虎は領主としてしぶとく乱世を泳ぎ切り、井伊家とその所領を守り抜いていきました。

ところが、その後も宿敵の小野道好により、井伊氏は永禄11年(1568年)には居城の井伊谷城を奪取されますが、道好に対して反旗を翻した井伊谷三人衆近藤康用鈴木重時菅沼忠久)が三河国の徳川家康の助勢を受けて道好を排除、井伊氏としての実権を回復しました。そして元亀元年(1570年)には再び家康の力を借りて直親の無実を晴らしては、事実無根の讒言をした道好を討ち果たしました。

しかし更に井伊氏の受難は続き、元亀3年(1572年)秋の武田信玄の進撃により、井伊谷城は武田家の家臣である山県昌景に占拠され、井平城井伊直成仏坂の戦いで敗死し、一族は徳川氏の居城、浜松城に逃れます。その後、徳川家と織田家の連合軍は、三方ヶ原の戦い野田城の戦いまでは敗戦を重ねますが、武田信玄が病没したことで、元亀4年(1573年)の4月にようやく存亡の危機から逃れることが出来ました。

しかしさすがに、これにより暫くの間は井伊氏は衰退期を迎えますが、やがて虎松は流浪の末に井伊直政として井伊家の養子に復し、当主の直虎により立派に育てられた末に、天正3年(1575年)には300石の家禄で徳川氏に出仕します。また直虎は直政が家康に召しだされた時、その衣装を誂えては彼の門出を大いに祝ったとされています。

直政は、天正10年(1582年)8月26日に直虎が亡くなった際に井伊家の家督を継ぎました。また直虎の墓は、井伊家の菩提寺である龍潭寺の本来の許嫁、直親の隣にあります。

こうして直虎に代わって井伊家の当主となった彼は、その才能を徳川家康の見い出されて、後年、徳川家の重臣で徳川四天王のひとりとなりますが、この直政が後世、幕末の大老として活躍した井伊直弼の祖先であり、徳川家譜代大名の雄、彦根藩井伊家の開祖となりました。

尚、『井伊直平一代記』には「直平娘は築山御前と申候」とあり、家康と井伊氏は築山御前を介して姻戚関係であったとされ、家康がその後の井伊直政を格別に取り立てたのも頷けるとする説もあります。

 

制作発表で語られた、女性が主人公であるこの大河ドラマの見所/ポイントとしては、「直虎と4人の男たち」が挙げられます。先ずは許嫁の井伊直親(亀之丞)、二人目は城主となった彼女の右腕的存在の武将、三人目は全く境遇の違う放浪の武士、そして四人目は養母として育てた井伊直政です。彼ら4人の男性との関係/ロマンスも描かれることから、女性視聴者にも共感出来る作品となっているとのことです。

 
 

NHK大河ドラマは、2014年が岡田准一さんの「軍師 官兵衛」で戦国もの、2015年の「花燃ゆ」が井上真央さんの主演で幕末を描き、来年(2016年)の「真田丸」が堺雅人さん主演で戦国末期を取り上げ、2017年も戦国もので、且つ女性が主人公となりました。

それほど著名な歴史上の人物でもない直虎のことですから、今年の井上真央さん主演の「花燃ゆ」のように、オリジナル・ストーリー/エピソードで場を繋ぐのでしょうか・・・。それとも養子の直政が後半の実質の主人公となるのでしょうか、展開に関して楽しみな反面、ちょっと心配な気もします・・・。

-終-

 

【続報-1】出演者が続々決定しています。先ず井伊直親の嫡男で主人公の養子となる虎松/井伊直政(いい なおまさ)は、このところ大ブレーク中の菅田将暉(すだ まさき)さんが演じます。そして直虎の父・井伊直盛役には杉本哲太さん、直虎の母・千賀(ちか)役は財前直見さん、直虎の曽祖父・井伊直平(いい なおひら)役には前田 吟さん、菩提寺の住職・南渓和尚(なんけいおしょう)役が小林薫さんに決まりました。

また直虎のいいなずけの亀之丞(かめのじょう)/井伊直親(いい なおちか)役には三浦春馬さん、南渓和尚の弟子で直虎を支える傑山(けつざん)は市原隼人さん、井伊家筆頭家老の鶴丸(つるまる)/小野政次(おの  まさつぐ)役は高橋一生さん、盗賊団のかしら・龍雲丸(りゅううんまる)には柳楽優弥さん、直親の妻・しの役は貫地谷しほりさん、豪商・瀬戸方久(せと ほうきゅう)役にはムロツヨシさんといったところ。

更に今川 義元役は春風亭昇太さん、今川 氏真には尾上松也さん、寿桂尼(じゅけいに)役は浅丘ルリ子さん、竹千代/徳川 家康は阿部サダヲさんが演じ、瀬名/築山殿(つきやまどの)は菜々緒さんとなりました。

亀之丞の父・井伊直満(いい なおみつ)役には宇梶剛士さん、鶴丸の父・小野政直(おの まさなお)役は吹越 満さん、井伊家の重臣・奥山朝利(おくやま ともとし)役はでんでんさん、同じく井伊家の重臣・中野直由(なかの なおよし)役が筧 利夫さん、となりました。最後に、全編を通しての語りは中村梅雀さんが担当します。

 

【続報-2】直虎が井伊家の娘だとする従来の説に対して、今川家の家臣の子であり別人の男性だとする文書が見つかったと 京都市東山区の井伊美術館が2016年12月14日に発表しました。しかしNHK広報局は、「大河ドラマはあくまでフィクションであり、影響はないと考えている」とコメントしています。

 

《スポンサードリンク》