その概要と売場案内
ハロッズ(Harrods)は、総売り場面積が東京ドーム(建築面積:46,755㎡)の約2倍に当たる90,000㎡という英国では最大規模の百貨店で、330もの専門店が出店し、ありとあらゆる品々を扱う老舗中の老舗デパートです。
特にファッション分野においては独自のサイズ・システムや生地検査室の導入に加えて、多くの有名デザイナーズ・ブランドがいち早く出店したことから、その扱い商品の豊富さは“ファッションのハロッズ”の地位の確立に繋がり、今尚、欧州を代表するファッション・デパートの雄であると云えるでしょう。
また圧倒的な物量の巨大なフードホール(食料品売り場)を始め、高級な宝飾品や化粧品・ファッション・ブランド、家庭用の日用雑貨品から家具類・家電まで、その品揃えは英国一とされ数多くの商品が所狭しと並んでいます。
更に、クリスマス・シーズン限定のギフト商品の豊富さ等でも世界的に有名ですが、レギュラーシーズンにおいても外国からの観光客にとっては、ベア等のお土産グッズはもとより、元々が紅茶の輸入業から始まったハロッズ故にでしょうか、オリジナルの紅茶類やお菓子などのお土産に最適なものが一杯で、ハッロズのオリジナル・ロゴの入った紅茶やクッキーもギフトに超オススメな品々であり、ここは定番の英国土産を探すにも最適の百貨店とされているのです。
ハッロズは、ロンドンの百貨店の中でも国外からの観光客の集客力はピカイチであり、店内には有名なエジプシャン・エスカレーターを筆頭に、エジプトをテーマとしたまるで博物館の様な彫像の数々や故ダイアナ妃とドディ・アル-ファイドの銅像やモハメド・アル-ファイドの蝋人形が展示されており、不定期ではありますがエスカレターを取り囲むバルコニー周辺でオペラ等が演じられるなど、そのエンターテイメント性は極めて高いとされています。
そしてまた、この店舗のトレードマークの一つともされる夜のイルミネーションも英国随一と謳われ、素晴らしくゴージャスで華やかです。
さて、それでは各階毎に代表的な扱い商品をみていきましょう。ところでここで英語表現の注意点を一つ説明しておきますと、米国では一般的(日本と同様)に1階は first floorで、2階が second floorとなりますが、英国式の表現では1階のフロアのことを ground floorと呼び、2階は first floor、3階は second floorと言います。また、エレベーターはリフト(Lift)と呼ばれており、日本とは表示が異なりますので注意が必要かも知れません。
■グラウンド・フロア/地上階(ground floor、日本式では1階)
グラウンド・フロア/地上階(1階)に位置するフードホールはハロッズの花形と云える売場でしょう。さしずめ我国の高級デパ地下の様な雰囲気であり、グルメの方々にとっては歩いて廻るだけで至福の時を過ごせる“食の天国”の様な場所なのです。そこには英国の家庭料理からイタリアン・インド料理・日本食までと、多国籍で豊富な種類の料理が数多く並んでいます。
特に魚や肉の売場での、魚介類(シーフード)や肉製品のディスプレイの綺麗さ・美しさは素晴らしく、まさに一見の価値があります。
またこのフードホール内には、キャビアやオイスター、グリルステーキなどをその場で食せるカウンターもありますが、それよりもおススメしたいのは所謂(いわゆる)惣菜売場です。ここで販売されている食品は、味はハロッズ・クオリティーであるにも関わらず価格が大変リーズナブルであり、中でもパイやスイーツ類は素晴らしく美味で、サラダの種類も豊富です。
そしてこれらの惣菜以外にも、美味しそうな数々のパン類やバラエティが豊富なチーズ類も目を引き、この店に世界で最も高級で質の良い食材が多く揃っていることが解ります。
更にこの巨大なフードホールの中(否、隣接していると言うべきか)でも、ある意味、最も豪華絢爛な売場が、ギフト用の菓子類や紅茶などを扱っているスペースであり、ハロッズ・オリジナルのチョコレートやクッキーにビスケット、そして紅茶などが所狭しとならんでおり、紅茶と洋菓子好きにはたまらない空間となっています。また紅茶の種類は大変豊富であり、アールグレイやダージリンという一般的に知られたものの他にも、多数の品種・種類(ナンバー商品)が販売されていますが、どの商品もお洒落なラッピングでプレゼントやお土産探しには好適ですね。
※ハロッズとトワイニングの紅茶売場には、各々カウンターがあって缶入り商品以外にも秤り売りもしてくれますが、この方が缶入りよりも少し安価な設定になっている様です。
更にこの階には、スキンケア・アイテムから高級化粧品ブランドまでが幅広く揃っている化粧品(コスメ)売場(香水コーナーが併設)や宝飾品(ジュエリー)の売場があります。
■1階(first floor、日本式では2階)
地下1階から1階フロア(2階)までには、メンズ&レディースに関する多種多様な品々の世界中のブランドショップが出店してますが、特に1階(2階)では圧巻の品揃えが待ち受けています。また流石にハロッズだけのことはあってか、各々の店員たちの接客対応も素晴らしく、いつでも誰でもが満足すること請け合いです。
■2階(second floorf、日本式では3階)
誰もがロンドン土産で思い浮かべるものの筆頭にハロッズのベア・グッズを挙げる人は多い様です。その他の土産物候補の品々も沢山あるので、既に述べた通りハロッズは観光客が訪れる定番デパートとして連日賑わっています。
そして2階(second floor、日本式では3階)のギフトコーナーは、代表的な英国土産を購入したい方ならば必ず訪れるべき場所なのです。まず目を引くのが様々なスタイルやサイズの“テディベア”ですが、イギリス人作家のA.A.ミルンは1921年、息子クリストファー・ロビンにプレゼントとして与えた“テディベア”のぬいぐるみを、まさにこのハロッズで購入して、それが名作童話『くまのプーさん』誕生の切っ掛けになりました。“テディベア”好きな人や“プーさん”ファンの人にとって、ここの“ハロッズベア”は最高のお土産なのです。更に例年8月頃には、その年の“イヤーベア”が発売されて毎年話題を集めます。
※“イヤーベア”は1986年以降、毎年ハロッズにまつわるエピソードにちなんで名前が付けられており、デザインも様々に変更されて販売されています。
また“ハロッズ・グリーン”でお馴染みの濃緑色で塗色されたパッケージが伝統の商品群も、これまたお土産の定番でしょう。そういったハロッズのロゴ入りオリジナル・グッズ、中でも有名なショッピング・トートバッグ等もこの2階にある“ハロッズ・ギフト・ショップ(Harrods Gift Shop)”で取り扱われており、特に人気の商品には財布や筆記用具などがあります。更にここでは、英国王室をモチーフとしたギフト品なども見掛けます。
※その時の為替レートにより変動しますが、ハロッズのオリジナル・グッズの大部分は日本国内で入手する半額程度で購入可能な様です。
また同階には、最新のキッチンツールや台所用品が展示販売されているコーナーがあります。コーヒーマシーンやブレンダーなどの機器類から綺麗でお洒落な食器類まで、魅惑な商品が大量に取り揃えられています。そしてここのキッチン関連品はヨーロッパ全域(特に北欧)のモノが多く、大変機能的なタイプが大半を占めていますが、見ているだけでもキュートで可愛いらしい物も豊富です。
更にこのフロアでは、手帳・ノートやペン・鉛筆など各種の筆記用具に色鉛筆や絵具など、高級で上質のステーショナリーが豊富に揃っています。ここには便利なアイデアグッズやカワイイ商品が一杯ですが、隣には有名な雑貨ブランド“キャスキッドソン(Cathkidston)”のコーナーもあり、こちらも若い女性を中心に人気となっています。
■3階(third floorf、日本式では4階)
次いで4階にエスカレーターで登ると、そこには夢のような玩具売場が広がっています。実際に乗れる子供用のクルマ等から、今どきの電子玩具やコンピューター・ゲームに家族で楽しめるボード・ゲーム、世界中のパズル類、そして伝統的な縫いぐるみ等も沢山が展示販売されています。
この玩具売場と同じフロアにあるのが、観るだけでも心が浮き立つ素晴らしい家具コーナーです。シンプル・モダンなものから豪華絢爛・ゴージャスな品まで、世界中のハイセンスな家具が集まっています。住まいのテーマ毎にダイニングルームやベッドルーム等を再現されており、当然、一般の観光客では購入して持って帰ることはムズカシイでしょうが、結局は値札を見てすごすごと他の売り場に移動することに‥‥。しかし、間違いなく目の保養にはなります。
■喫茶/飲食
高級百貨店らしくハロッズの内部には多くのレストランやカフェがあります。その何れもが特色を持っており、4階(日本式5階)の“ザ・ジョージアン(The Georgian)”などの高級レストランもありますが、2階(日本式3階)の“ティールーム(The Tea Room)”等は気軽に入店が可能でおススメの店ですね。上記のギフト売場や免税コーナーに近接しており、紅茶やアルコール類といったドリンクだけでなく軽食もあり、1人でも気兼ねなく入店可能です。また使用されている食器類が全てウェッジウッドという点も、まさしく英国の老舗百貨店らしいこだわりの様です。また同じく2階(3階)には、ゴディバチョコレートのカフェもあります。
この百貨店、とにかく広大なその売場はまるでテーマパークさながらであり、溢れかえる商品を見て廻るだけでも充分に楽しめる場となっています。しかし自社の店員でも迷う事があるとされる程の広さと複雑な造りから、訪店時には必ずフロアガイドを所持して効率的に行動することをお勧めします。
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