【新作アニメ】小人(こびと)『ハクメイとミコチ』の“ゆったりズム”が、心地良い。 〈44JKI15〉

一方のミコチは、黒髪のストレート・ヘアを姫カットにした小人の女の子です。突然、自宅(山間の街マキナタの北西にある森の大楠の根元に作られた家)に押し掛けて来たハクメイと、何故か一緒に住むことになりました。

彼女は、過去に服の仕立て屋で修業したことがあり(この時の経験から布地が大好きで、素材の材質を詳しく判別出来る)、現在は仕立て屋稼業(裁縫だけでなく染色まで行う)の他にちょっとした日用品などを製造、得意な料理を活かして作った保存食と併せてジャガ谷の麓の“夢品商店(むじなしょうてん)”に卸しては生活を営んでいますが、そのミコチが港町アラビに行くと、市場の商店や料理屋の主(あるじ)から売り物の食品や料理に関するアドバイスや助言を求められることもあるほどの、大層な料理上手であることが判ります。

ミコチは生来、穏やかで真面目な性格であり、面倒見もよくしっかり者でもあります裁縫や料理が得意なことから、その感性は本来は女性らしさが強いハズなのですが、なぜか乙女心に疎い様子を露呈することが多々ある様です。また綺麗なソプラノの歌声を持つ彼女は歌が大変上手なのですが、本人はまったく自覚がありません。ちなみに姉と弟がいて、特に自由奔放な姉のことを苦手としているのですが、作中では内心、すごく姉を大切に想っている場面が登場します。

また、彼女はどちらかといえばインドア派で理屈っぽいタイプですが、ハクメイに引き摺られる形で危険な外出に付き合わされることも多いのです。疲れて音を上げることもありますが、その実、ハクメイとの冒険を意外にも楽しんでいる事もある様です。

それから二人とも相当の食いしん坊であり、大食漢であることは間違いありません。そして酒が大好きな“呑兵衛”ですが、ミコチの収入がある程度あるからか、彼女らが食費や生活費に困っている素振りは見えません‥‥。

ところで二人の名前の由来は、(作者によれば)ハクメイは“薄明”からであり、ミコチは“美東風”から、それぞれ「空」と「風」からとられたそうです。

 

尚、『このマンガがすごい!』の加山竜司氏によれば、本作は「こびとたちはデフォルメされたようなデザインでありながらも日常生活が詳細に描かれており、それが彼女たちの息吹となっている」とのことであり、「不思議な世界を舞台にした日常もの」と云います。

 

《初回を観ての感想

作中の、自給自足でのんびりとした生活には憧れてしまいますが、彼女らは危険なことには遭遇しないのでしょうか? 巨大な(否、主人公たちの方が小さいだけだが)昆虫や動物たちの中には危ないヤツも沢山いるハズなんですけれど。更に自然の力も侮れないと思います。ちょっとした小川の“せせらぎ”も小人には激流と化してしまうだろうし、少し強めの“そよ風”だって暴風になり得るでしょう。しかも台風や地震とかにあったら、果たしてどうなるのかなぁと‥‥。

また、主人公の小人や仲間の動物たちは意外と(普通サイズの人間と変わらない)文化的な生活を送っていますね。そして結構な酒飲みだから、二人(ハクメイとミコチ)ともに成人? なんだ(それとも、この世界の小人たちは未成年でも飲酒OKなのだろうか)と認識出来ます。

それから唐突ですが、つくづくこんな二人が傍にいてくれたら、さぞ日常生活が楽だろうな、と思ってしまいます。大工仕事が得意で何でも修繕してくれるハクメイと裁縫が出来て料理がうまいミコチ、最高のコンビネーションですよね。こんな小人がウチにも住んでいたら最高なんですが‥‥。

最後に、アニメ第一話の中で無くした財布が見つかるところでは中のお金も盗まれていないし、外国人が日本で財布を紛失しても、ちゃんと交番に届いている時に驚く気持がよく解るなぁ。それに登場人物!? たちが使用している通貨は、なんと“円”でした。また、原作を知る友人から聞いてハクメイも女の子なんだ!? とびっくり。港町アラビのにある喫茶店兼呑み屋“ポートラウンジ小骨”のマスターも、その喋り方から男の人だと思っていました‥。

因みにアラビ・積み木市場の街並みは、かつての香港・九龍城砦がモデルみたいですね。

 

とにかくこの作品には、優しさが満ちていますよね。虫も優しい。動物も優しい。他の小人たちも皆、優しくて親切。自然までも優しい。しかも出てくる食べ物がこれまた皆、美味しそうだし、観ていると(大人だったら)お酒が飲みたくなるのは何故? 

その優しくのんびりとした物語が、この後、どの様に展開していくのだろうか‥。ちょっと心配になったところ、先の友人曰く、「これからもずっと幸せな世界が繰り広げられるから、安心して大丈夫だよ」とのこと。各話のストーリーも癒される話ばかりだそうで、ネタバレ的な情報ですが、何故かホットして許せました。

-終-

【追伸】作画や声優の話し方・雰囲気に『メイドインアビス』感が漂うことには、ネットでも賛成意見多数あり。

 

↓PV2連発

 

 

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