文房具メーカーの老舗コクヨが、「デジタル時代に合わせたアナログノート」を発売。
タブレット型のメモパッドはこれまでにも沢山ありましたが、写真で観るようなノート型はあまり製品化されていないのでは・・・。
お値段次第ですが、気になる新製品ではあります。
コクヨグループのコクヨS&Tは8月21日、手書きした内容を自動的にデジタル化しアップロードができるデジタルノート「CamiApp S」を、9月5日に発売すると発表しました。
この製品は、専用ノートをセットできるセンサー内蔵ノートカバーと電磁誘導式の専用ペンで構成されています。ノートカバーの上に専用のノートを置いて筆記することでセンサーが専用ペンの動きを認識するという仕組みですが、文字認識精度は個人差があって約80%くらいとのことです。
取り込んだ文字や絵、図などの手書きデータはページ単位で一旦画像データとして保存され、その後アプリ側の文字認識機能によって自動的にテキスト化、保存したデータの検索ができるようになります。これにはスマートフォンで撮影したり、スキャナーで取り込んだりする作業は一切不要です。デジタル化したデータは独自形式で保存されますが、PC上に保存する場合などはPDF、jpegといった汎用性の高いデータ形式で保存することも可能です。
「打ち合わせ記録」タイプのシートを使うことで、日時や用件、場所をGoogleカレンダーに適した形式で保存もできます。また、「オプションマーカー」と呼ばれる自動タグ付け機能を搭載し、オプションマーカーに数字を記述することで、自動的に分類・アップロードが可能です。更に、スマートフォン/タブレットへのBluetooth転送や、クラウドストレージへの自動アップロードも可能となっています。クラウドサービスとしてGoogleドライブやEvernote、OneDrive、Dropboxその他が利用できるそうです。
専用ノートについては、「横罫タイプ」「方眼紙タイプ」「打合せ記録タイプ」の3種類があり、用途に合わせた選択が可能です。またノートカバーに装着する際にずれないように粘着シートを備えていることや、手書き文字や絵、図を保存する際のチェックの位置が印刷されている点などが通常のノートと異なる点です。
「ノートブックタイプ」と「メモパッドタイプ」の2タイプが用意されていて、各々Android版とiOS版をラインアップしています。Android版はNFC対応でBluetoothのバージョンは2.1です。iOS版はBluetooth4.0に対応しておりWindowsへの対応は検討中のようです。専用アプリはAndroid版が8月21日、iOS版は8月末配信予定となっています。
尚、リチウムイオン充電池を内蔵しており、充電はmicroUSB端子で行います。また、連続使用時間(連続筆記時間)は約4時間と発表されています。
また「CamiApp S」は本体に搭載したメモリで100ページ分のデータの保存ができるので、スマートフォンやタブレットを持ち合わせていない場合でも、スタンドアローンとして利用可能です。
本体サイズは、「ノートブックタイプ」が179×258×38mm(横×縦×厚さ)、「メモパッドタイプ」が86×243×17mm(横×縦×厚さ)。重量は、「ノートブックタイプ」がノート用紙込みで730g、「メモパッドタイプ」がメモ用紙込みで460gとなります。
価格はいずれもオープンですが、ノートと専用ペンを含めた実売予想価格は「ノートブックタイプ」が約2万円、「メモパッドタイプ」が1万6000円前後。8月22日よりAmazonや大型量販店、一般の文具店などで予約を開始し、9月5日から販売されます。また、年間販売目標は発売後1年間で1億円を計画しています。
専用ノート用紙は横罫、方眼罫、打合せ記録すべて40枚入りで各280円(税別)。専用メモ用紙は横罫、方眼罫、打合せ記録すべて50枚入りで各460円(税別)。専用ペンはオープンプライスとなっていて、替芯は1本80円(税別)です。
「CamiApp S」はビジネス・ソリューションの展開の可能性もあり、例えば企業向け販売管理システムでの営業日報としての利用とか、研究者が書いたノートをローカルドライブに保存するといった使用方法や、品質管理システムでのチェックリスト集計表などの独自フォーマットへの対応などが考えられています。
そこで法人向けソリューション展開のためのビジネス・パートナーを募集しており、現在、IIJ、インテック、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)、ソフトバンクテレコムなどと協議中だそうです。
法人向けのクラウドサービスとして「Evernote Business」「Google Apps for Business」およびCTCの「SmartBiz+」については発売時から連携済。また、時期は未定ですが、サード・パーティのアプリ開発事業者向けのソフトウエア開発キット(CamiApp S SDK)の公開も予定しており、「CamiApp S」のデジタルデータを活用したアプリの開発とビジネス展開が可能となります。
【メーカー発表資料より】
○発売予定: 2014年9月5日
○メーカー希望小売価格(消費税込): 本体、ノート、専用ペン込み ⇒ オープンプライス
同 (消費税抜): 本体、ノート、専用ペン込み ⇒ オープンプライス
○年間販売目標: 1億円(発売後1年間)
特徴
1.書いてワンチェック手間なくデータ化・クラウド連携
専用ペンでノートに書き、ノートの「SAVEボックス」にチェックを記入するだけで、スマートフォン・タブレットでデータを取得することができます。事前の設定により自動でクラウドにアップロードすることも可能です。シームレスなデータ化・アップロードを実現します。
2.書いた内容は専用アプリの文字認識機能で自動でテキスト化、キーワード検索も可能
ノート画像と一緒に文字認識結果もテキストで保存されます。検索性が格段にアップします。※文字認識精度は約80%。(個人差有り)
3.「打合せ記録」タイプのノートを使えば “書くだけ”でGoogleカレンダーに貼り付け可能
ノートの記入欄の内容(日時・タイトル・場所)を文字認識し、Googleカレンダーへの保存が可能です。スケジュールと一緒に記録を残したり、カレンダーを共有するメンバーと議事録をシェアすることも可能です。
本体仕様
ノートブックタイプ | メモパッドタイプ | |||
対応端末OS | Android™版 Android™ 4.0以上 |
iOS版 iOS 7以上 |
Android™版 Android™ 4.0以上 |
iOS版 iOS 7以上 |
品番 | NST-CAS-NA5 | NST-CAS-N5 | NST-CAS-PA5 | NST-CAS-P5 |
電源 充電方式 |
リチウムイオン充電池 USB充電(microUSB) ※充電中も使用可能 |
|||
NFC対応 | ○ | - | ○ | - |
通信方式 | Bluetooth2.1 | Bluetooth4.0 | Bluetooth2.1 | Bluetooth4.0 |
連続使用 時間 |
連続筆記約4時間 (1日2.5時間の会議使用を想定し約5日間) |
|||
セット内容 | デジタルノート本体、専用ペン、専用ペン替 芯、リチウムイオン充電池、専用ノート(横罫)、取扱説明書、アクションマーカーシート |
デジタルノート本体、専用ペン、専用ペン替 芯、リチウムイオン充電池、専用メモパッド(横罫)、取扱説明書、アクションマーカーシート |
||
メーカー希望小売価格 (税抜) |
オープンプライス | オープンプライス |
ノートブック・メモパッド仕様
タイプ | ノートブック<CamiApp S> | メモパッド<CamiApp S> | ||||
品番 | ノ-CAS-91B | ノ-CAS-91S | ノ-CAS-91MTG | メ-MCAS-91B | メ-MCAS-91S | メ-MCAS-91MTG |
罫内容 | 横罫 (6mm) |
方眼罫 (5mm) |
打合せ記録 | 横罫 (6mm) |
方眼罫 (5mm) |
打合せ記録 |
サイズ | A5(W148×H210×4mm) | A5(W148×H210×6mm) | ||||
製本 | 無線綴じ | 表紙巻きメモパッドタイプ ステッチャー(丸線)止め2ヶ所 |
||||
紙材質 | 上質紙70g/㎡ | 上質紙60g/㎡ | ||||
枚数 | 40枚(80ページ) | 50枚(50ページ) | ||||
メーカー希望小売価格(税抜) | 280円 | 460円 |
専用ペン・替芯仕様
品名 | デジタルノート <CamiApp S>専用ペン |
デジタルノート <CamiApp S>専用ペン替芯 |
品番 | NST-CAS-P1 | NST-CAS-PR7D |
サイズ | Φ13×158mm | ボール径 0.7mm |
備考 | 電池不要 | - |
メーカー希望小売価格(税抜) | オープンプライス | 80円 |
企業向けのビジネス・ソリューションに関しては、「CamiApp S」の普及台数とサード・パーティのアプリ開発事業者の多種多様なアプリの開発数の相関関係が課題でしょう。
すなわち、対象となるプラットフォームである「CamiApp S」がある一定以上普及しないとアプリ事業は成り立たないし、多くの便利なアプリがないと普及台数は伸びません。玉子が先か鶏が先かのジレンマが付きまとうのが、このタイプのビジネスですから・・・。
-終-
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