《ネコ好きの談話室》 猫/ネコに与えてはいけない食べ物 〈1619JKI27〉

少量の摂取でも長期にわたる場合、背骨の変形が引き起こされるなどの症状がみられ、更に寿命も短縮されるといいます。

チアミナーゼはイカ、タコや貝類といった軟体動物の他、エビとかカニなどの甲殻類や、コイ、ワカサギなどの淡水魚にも含まれていますから、注意が必要です。

しかしネコの多くが、イカやタコが好物であり、彼らの必須栄養素であるタウリンを多く含んでいるという長所もあります。

チアミナーゼは加熱すれば効力を減じますので、餌として与えるときは必ず加熱して、人間が量をコントロールしながら供するのが良いでしょう。

また、加工されたスルメイカなども、与え過ぎると消化不良や嘔吐、脱水症状の原因となります。尚、通常は市販のキャットフードなどにはビタミンB1も添加されており、魚が主原料であっても大丈夫です。

 

【アワビやサザエなどの貝類】

「猫がアワビを食べると耳が落ちる」との言い伝えもありますが、これは春先(2~5月頃)のアワビやサザエは、餌の海藻に含まれるクロロフィルをピロフェオホルバイド a という毒成分に変質させてしまいますが、これをネコが体内に摂り入れた状態で日光に当たると、光過敏症を起こしてしまいます。

通常ネコは全身を毛で覆われているので、日光が皮膚を直射することはまれですが、耳の部分だけは被毛が薄く、毛細血管にまで日光が届いてしまいます。その為、光過敏症の場合は炎症を起こして激しい痒みが生じるのです。

この場合、ネコは耳を激しく掻きむしってしまい、症状がひどくなると、有毒成分によって耳の組織が壊死(えし)して欠損してしまうこともあるのです。

また味海苔なども大好物のようですが、耳が被れたり目ヤニが出るので与えてはなりません。

 

【アジやイワシ、サバなどの魚類】

アジ、イワシ、サバなども注意がいります。不飽和脂肪酸という成分の働きで、ネコが青身の魚を過食すると脂肪が酸化してビタミンEも欠乏し黄色脂肪症(イエローファット)に罹ります。

この症状に陥ると、 その腹部や胸部、また腹腔内などの皮下脂肪が酸化して変性を引き起こし炎症が発症します。この場合、腹から胸部にかけて痛みと熱を伴うしこりが出来るので、普通の歩行が困難となり、その部位を触られるのを拒みます。

但し、不飽和脂肪酸(例えばDHAなど)は、少量であればネコにとっても有益な成分です。しかし、魚類には基本的にビタミンB1が含まれていないので、肉類を与えず魚だけで育てた場合は、そのネコは短命となる危険性があります。つまり、魚・肉ともにバランス良く与える様に心がけるべきなのです。

 

【生卵】

生卵の白身には、ビタミンの一種であるビオチンを分解する成分であるアビジンが含まれていて、ネコが大量に摂取すると皮膚炎や結膜炎などを引き起こす可能性があります。

但し、これも加熱すれば問題はありません。卵はネコにとっても良質なタンパク源であり、尿を酸性化するメチオニンも含まれていますので、熱を通して、ゆで卵やスクランブルドエッグにして与えるようにしてください。

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