【ソラニンやトマチンを含む食物】
ナス科のナスやトマト、ジャガイモやピーマン等には、ネコに有毒なソラニンが含まれています。
当然ながら個体差がありますが、一般的なネコの場合は2mg~10mg が摂取量の上限とされており、それ以上を食すと食欲不振や胃腸障害、中枢神経系の障害、虚脱、散瞳、心拍数の低下等が引き起こされるといいます。更に症状が進んだ場合は、心筋梗塞を起こし死に至る可能性もあります。
またトマトの茎や葉に含まれるトマチンは、ソラニンと似た構造をもつアルカロイド配糖体で、この成分の過剰な摂取にも注意が必要です。他にもアルカロイドを多く含む植物(ナス科・マメ科・ユリ科など)は中毒の原因となり、有害と考えられている野菜もありますが、非常に大量に摂取しない限りは問題はないと思われます。
ソラニンやトマチンは多量に摂取すると人間にも毒性がありますが、トマチンはトマトの実の部分にはほとんど含まれていません。
【煮干し、鰹節など】
煮干しや鰹節にはリンやマグネシウムが含まれており、ネコがあまり多くこれらを食すと、膀胱や尿道の結石原因となります。その為、煮干しや鰹節にカルシウムが多いからとの理由で、与え過ぎとならない様に注意してください。
【牛乳やチーズなどの乳製品】
ネコは、牛乳に含まれる乳糖を分解するラクターゼという酵素が充分ではない為、乳糖を消化できず異常醗酵をおこして下痢を起こしたり軟便になることがあります。
そのような場合には、猫用ミルクを与えるようにしましょう。また乳製品のチーズやバターにも、塩分が多く含まれているので注意が必要です。
人間の場合も同じ様な理由で、牛乳を飲むと下痢を起こすことがあるようです。
【コーヒーやチョコレートなど】
カカオマスに含まれるテオブロミンという物質をネコは代謝できない為、ネコにチョコレート等を大量に食べさせたり長期間与え続けると、心臓や肝臓、中枢神経系に障害を発し、下痢や吐き気、血圧上昇、不整脈、興奮、痙攣などの症状を引き起こして最悪の場合は死亡することもあり得ます。
また、コーヒーやお茶類、栄養ドリンクなどに含まれるカフェインは、テオブロミンと似たような中毒症状を引き起こし、ネコにとっても強い興奮作用があり有害とされています。
【青酸配糖体を含む食物】
梅の実や桃、林檎(りんご)にアンズ、サクランボ、そしてアーモンド等に含まれている青酸配糖体(アミグダリンやプルナシン)といわれる物質は、ネコがそれらを食べると害を及ぼします。尚、青酸配糖体とは、シアンヒドリン配糖体ともよばれ、糖に青酸が結合したものです。
この青酸配糖体は、自身に含まれる酵素やネコの胃腸内の消化酵素によって過水分解されることで毒性の強いシアン化水素(青酸)へと変化するのです。
その結果、呼吸困難、虚脱、痙攣などの症状を起こし、最悪の場合は死に至る場合があります。
人間にとっては、前述の果実などを食しても、通常はそこに含まれる青酸配糖体がごく少量である為にほぼ害が無いのですが、ネコにとっては充分毒物となり得るのです。但し、人間でも青酸配糖体の含有量の多い梅の種の中身を25g~50g も食べると重大な健康被害があるそうです。
【刺激の強い香辛料】
山葵(わさび)や胡椒(こしょう)などの刺激の強い香辛料は、ネコの胃を刺激して感覚を麻痺させる恐れがあります。
本来、ネコには香辛料や調味料、塩分、糖分、油分などを加えた餌は不要です。それどころか胡椒などのスパイスで、鼻の機能が失われることもあります。
人間の残飯を与える場合は、人間向けの味付けがされているので、塩抜きや味出しをしてから与えるようにしましょう。
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