私鉄で働く電気機関車って、鉄道ファンには堪らない人気のアイテムなんです。国鉄やJRの電機も渋いんだけれど、私鉄の電機は更に玄人好みでカッコいいのです。古い形式のものが多く、大切にメンテナンスされながら長い間使用されているものがほとんど。そして少量の貨物輸送と保線や保守関連に活躍する縁の下の力持ち感が半端なくカワイイ・・・。
そんな私鉄の電機ですが、東芝が今月(2月)16日、名古屋鉄道(以下、名鉄)に新型の電気機関車EL120形を2両納入したと発表しました。
東芝が私鉄に電機機関車を納入するのは約70年ぶりとのことです。このEL120形は、現在、使用中のEL600形の更新・代替機として製造された、新型の直流電気機関車です。また形式名は、名鉄の創業120周年にちなんでいるそうです。
代替対象のEL(デキ)600形は、東芝が1943年に製造した戦時標準設計型の電機で、所謂「東芝戦時型」の凸型機関車であり、鉄道ファンの中でも私鉄電機ファンには大変人気のある機関車です。また1943年の新製直後には、電車を牽引して旅客輸送に従事したこともあり、その後は貨物輸送の主力機関車として使用されていましたが、現在は保線作業で砕石・レール運搬用車両の牽引や入換等に従事していますが、さすがに老朽化は否めません。今回、70年以上を経て、ようやく新鋭機と交代することになりました。
この新型機関車EL120形は、モーターや制御装置などの機器を最近の電車車両と共通にした他、車両の床下に各種装置をつり下げる(電車形の)構造を応用しています。
また運転操作の面でも、電車等との共通化を図っており、車両重量を従来の30~40%に抑えた軽量車両を開発したことで、機関車そのものを小型化してコストを抑えたといいます。
尚、塗色は名鉄電車と同じスカーレット・レッドをベース色とし、ステンレス帯を装着しており、明るく明朗な感じとともに力強さも強調しています。
東芝は、日本貨物鉄道(JR貨物)に約30年間にわたり電気機関車を納入してきましたが、今後、旧型電機の多い国内私鉄各社の更新需要が高まるとみて、新型車両の受注拡大を目指すそうです。
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