《日本の通信事情》 頑張るガラケーと使われ続けるファックスは変!? 〈658JKI19〉

電話7ダウンロード海外からみると、不思議でしょうがない我国の通信機器事情が、ガラケー(フィーチャーフォン)の頑張りとファックスの延命だそうだ。

日本人としては、ただ単に便利で使い易いからだと思うけれど、外人さんたちは何か文句でもあるのかな・・・(笑)。

 

2014年の携帯電話端末の出荷概況(MM総研2月3日発表)によれば、国内のスマートフォンの出荷台数は2年連続で減少しており、一方でガラパゴス・ケータイ(ガラケー、フィーチャーフォンとも)といわれる従来型の携帯電話のそれは増加しているという。

スマートフォン出荷台数は2,770万台(前年比5.3%減)となり、3,042万台を出荷した2012年から2年連続で減少し、総出荷台数に占めるスマートフォン出荷台数比率は72.4%(前年比2.1ポイント減)となった。
しかし、ガラケーの出荷台数は1,058万台(5.7%増)であり、出荷台数比率は27.6%(同2.1ポイント増)と増加した。スマートフォンの出荷が年間100万台規模となった2008年以降では、ガラケーの出荷台数が前年を上回るのは初めてである。

端末契約数では、スマートフォンの比率が52.3%でガラケーは47.7%であり、スマートフォンの契約数がやや上回っているものの、現在でも日本ではガラケーに根強い人気があるようだ。

これは、防犯ブザーのついたキッズ向けや高齢者向け携帯電話など、特定のユーザー層に特化して使い易いガラケーに一定のニーズがあることを示している。

また大きなタッチ型スクリーンが無いためにバッテリーも長持ちする上に、音声通話やメール程度で、データ通信、つまりインターネットの利用があまり必要でなければ、特に日本ではコスト的にスマートフォンに比べて料金設定が格段に安いという理由から、ガラケーを選択するユーザーは多いのだ。

そしてこのニュースは、ロイターをはじめ世界各国のメディアが驚きを持って報じている。

我国のような高性能なガラケー文化が定着しなかった海外では急速にスマートフォンの普及が進み、既にモバイル端末の使用はスマートフォン一辺倒となっていることから、日本の市場動向が奇妙に映るらしい。

 

いま一つ、日本において多くの人々が、未だにファックスという時代遅れの通信機器を使っていることにも、海外では困惑しているらしい。

ニューヨーク・タイムズなどの記事でも、ハイテク技術立国の日本が、先進国ではほとんどで使われなくなったファックスを頻繁に使用していることに違和感を覚える、と述べている。

米国では今や過去の技術の遺物として、スミソニアン博物館の展示品になっているファックスだが、内閣府によると、日本では家庭用だけで2013年には170万台ものファックスが販売された。そして同じ2013年には企業事務所ではほぼ100%、個人の家庭では約46.4%がファックスを所有していたとされている。

もちろん、中長期的には日本においても段々と保有率は低下し、使われなくなることは想像できるが、当分の間は健在なのではなかろうか。

日本においてファックスが重要視されるのは、印鑑文化のための印影の確認の必要性と、手書き文書に対する信頼性があげられよう。

たしかに無機質で事務的なメールよりも、手書きの文書や絵柄をファックスで送ることの方が、温かい人間性が感じられコミュニケーションもうまくいくかも知れない。

そして、公的な文書や大切な私信においても、メールでは証拠とならなかったり親近感がないと思う国民性なのだ。

更に海外のメディアは、日本人のファックス利用の固執原因は、高齢化社会の進捗が最大の理由ではないかと論じている。日進月歩の技術の進化についていけない高齢者が、失敗無く使用できる慣れ親しんだ昔ながらの方法を好むことが、その原因だと言うのだ。

しかし海外メディアの読者の反応を見ていると、決してファックスは時代遅れではないという意見も寄せられている。

米国でも保険会社や地方の銀行、不動産ビジネスの分野などでは、まだまだ活躍の余地があるとのことで、やはり直筆サインなどの取得が必要な場合などはファックスが利用されていることがうかがわれる。

一方で、ファックスは大切な資源(ペーパーやインクなど)を無駄にするし、非効率だという否定的な見解も多数あった。

 

正直なところ、海外メディアが日本の現状を驚きながら伝えている、そのことにこそ驚いてしまう。何と言われようが、便利な物はいつまで経っても便利だし、まだまだ使える物は大事に使っていこう!!

但し、さすがにガラケーの再拡大は一時的なものだと考えられるが・・・。(昨年はガラケー契約更新期の人が多めに重複しただけとの説もある)

-終-

 

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