《う★コロン都市伝説》フィラデルフィア計画の謎を解明する!! 〈284JKI45〉

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モーリス・K・ジェサップ博士

実は件(くだん)の手紙は、最初は博士の著書に対する単なるファンレターの様なもので、差出人はカルロス・マイケル・アレンデという者でしたが、博士がいくつかの質問もそえて返信を書くと、翌年の1956年1月13日に再び手紙が送られてきました。

しかし差出人の名前はカール・M・アレンと変更してありました。今度の手紙の内容は、博士の質問に応えるものなどではなく、1943年にフィラデルフィアで行われた海軍の極秘実験を暴露(リーク)したものだったのです。そしてその手紙には、戦慄すべき驚愕の内容が記述されていたのです。

手紙の内容は、第二次世界大戦中の1943年10月28日、フィラデルフィア計画の実験が実施されたというものでした。そして、実験に使用されたのは駆逐艦エルドリッジだったと記されており、以下は、その実験の様子を描いた部分の要約です。

 

実験が開始されると直ちに、強力な磁場をつくりだすためにテスラ博士によって考案されたテスラコイルを基にした「デガウザー」という特殊な高電圧発電機が起動され、超強力な電磁波の力場がエルドリッジを包み始めました。そしてシュルシュルという音が響き渡り、艦内の至る所からパチパチとスパークが発生、閃光が走りました。

間もなくフィラデルフィアの沖合に停泊していたエルドリッジは、艦体の大部分が緑色を帯び始め、やがて薄緑色に輝く靄に少しずつ包まれて行きました。やがてこの駆逐艦は空中に浮きあがりながら見えなくなり、そしてレーダーからも艦影は消え去り、薄緑色の靄が晴れてみれば、その姿はまさしく跡形もなく消失したのでした。

この光景を観ていた多くの軍関係者たちからは驚きの声があがりました。初めは磁場が艦全体を包み込んだために見えなくなってしまったとも思われ、つまり実験は成功したかのようにも考えられました。しかしこの時、艦内では予想もしない惨劇が起きていたのです。

実験開始直後から、艦体の各部分から青白い火花が勢いよく飛び散り、マストやアンテナ類が一瞬にして溶け落ちてしまいました。装備されていた各種の設備類は、稲妻に打たれたように火花を散らしながら吹き飛んでしまいました。しかし艦内のいたるところで、より奇怪な現象が発生していたのです。

この時、実験に参加した乗組員たちが体験していたのは、想像を絶する超常現象でした。ゆらめく薄緑色の陽炎の中で、ふわふわと漂ったかと思ったある乗員の身体は、突然燃え上がり悲鳴をあげる間もなく黒く炭化してしまいました。空気に溶ける様に消失した者もいれば、甲板や船体に身体の一部が溶け込んで同化した者もいました。火に包まれた者とは逆に体が瞬時に凍り付いた者や、半身だけ透明になった者もいたそうです。

それは、まるで物質と人間が融合してしまったような奇怪な光景であり、こうして艦内のそこかしこにおいて、凄惨な光景、阿鼻叫喚の地獄絵図が繰り広げられていました。

結局、乗組員の内で16名が悲惨な死を遂げ、多くの者が身体の不調を訴え、最終的に生存していた乗組員も精神に異常をきたし発狂した者(6名との説もあり)が続出しました。治療を受けた者も、その後に社会復帰出来た者は極めて少なく、全員が死亡するか精神に大きな傷を負ったのです。唯一、無事だったのは、頑丈な鉄の隔壁に守られたマシンルームの内部にいた、実験を制御する為に乗り込んだ一部のエンジニアたちだけでした。彼らは必死で実験の為に積み込んだ機器類の動作を止めようとしましたが、実験機器は完全に暴走して手が付けられませんでした。

 

更に、ジェサップ博士が受け取った手紙には、エルドリッジがフィラデルフィア沖から直線距離で200マイル(約320キロ)以上も離れたノーフォーク港に瞬間移動(テレポート)したことを告げていました。そしてノーフォーク港では、この駆逐艦が蜃気楼の様に霞んだ姿で明滅しながら数時間(6時間とも)にわたり目撃されたのでした。(ノーフォーク港に停泊中の商船アンドリュー・フルセス号の船員がエルドリッジを目撃したと言われています。)

そして数分後には、エルドリッジは再び瞬間移動をしてフィラデルフィア沖に戻ってきました。即ち、フィラデルフィア側では数分間であった出来事が、ノーフォーク側では数時間に及んだのでした。

これらの現象はおそらく極めて強い磁場の為に時空間が歪んでしまい、この磁場によって生体と物質さえも融合し、物体の瞬間移動や人体からの発火現象など、不可解な現象を引き起こしたものと考えられました。

 

また手紙には、実験に参加した乗組員を悩ませる恐ろしい後遺症についても触れており、時々襲う精神の異常は当然ながら、人体の自然発火(SHC)や稀に身体の一部分が消失するという奇怪な現象に、今でも乗組員たちが苦しんでいるいることを告げていました。

そして手紙には、幾つかの新聞の切り抜き記事も同封されていたといいます。その中には『酒場で騒いでいた元エルドリッジ乗組員2人が、他の客の目の前で突如消失した!!』などという事件を報じたものもありました。

手紙の差し出し人であるアレンは、ある商船(アンドリュー・フルセス号と思われる)で航海していたところ、ノーフォーク港の沖合に突如出現したエルドリッジを目撃したのだと述べていました。また、同僚の船員3名の名前が証人として書かれてもいました。

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