《う★コロン都市伝説》フィラデルフィア計画の謎を解明する!! 〈284JKI45〉

この手紙の内容に大いに驚いたジェサップ博士は、海軍当局は勿論のこと、報道機関や関係各方面にこの情報を伝えたところ、各所から驚きの声が上がりました。

尚、この後、海軍調査研究所(ONR)に呼び出されたジェサップ博士は係員から一冊の本を手渡されました。その本は博士が出版したUFOに関するもので、そこには様々な手書きのコメントが書き込んでありました。この本は未知の人物からONRに郵送されて来たものでしたが、ジェソップ博士はこの本にコメントを書きこんだ人物の筆跡(3人ほどの異なる筆跡が見られた)の一人と、フィラデルフィア計画についての手紙を彼のところに送ってきた者は、同一人物だろうと断定したそうです。

海軍の係員は、ジェサップ博士の証言に大いに興味を示し、博士のもとに届いたという2通の手紙の提出も求めましたが、博士がこの要求に応じたかは伝わっていません。

以降、アレンデ(アレン)からの手紙が届くことはありませんでしたが、博士はフィラデルフィア計画の真相究明にのめり込んで行きました。

 

こうしてフィラデルフィア計画とその実験に関して詳細な調査を開始したジェサップ博士でしたが、程無くして謎の自殺を遂げてしまうのです。1959年4月20日にフロリダ州デイド郡立公園の駐車場で、排気ガスをホースで自らの自動車内に引き込み、一酸化炭素中毒で死亡したのでした。

しかし自殺の動機には不明な点が多く、これは自殺に見せかけた他殺で、フィラデルフィア計画に関する真実を探ろうとしたジェサップ博士を亡き者とする為に、何者かによって殺害されたのではと考えられています。

またその後、米海軍は総力をあげてアレンデ(アレン)という人物を捜索しましたが、失敗したとされています。

アジェンデ12334-7s
アレンデことカール・M・アレン

やがて1969年になり、遂にカルロス・マイケル・アレンデの消息が発見されました。後に『謎のフィラデルフィア実験』の著者となるチャールズ・バーリッツが執念の末に探し出したのですが、彼の本名はカール・マイケル・アレン(ジェサップ博士にフィラデルフィア計画とその実験の真相を伝えた人物と同一名)で、若年の頃は学力優秀でありながら、成人してからは就職もせずに浮浪生活を送っていました。家族や周囲の住人たちからの評価も、「悪戯以外に才能を使わない、とんでもない怠け者」で「子供の頃から虚言癖があった」と言うものでした。そして、手紙の中で実験中のエルドリッジを見たと主張し、更にはその驚くべき事実を克明に記していたにも関わらず、こともあろうにアレンは最初、フィラデルフィア実験の存在を否定したのです。その態度に関係者が驚いて詰め寄ると、再びフィラデルフィア実験はあったと前言を翻します。こうして、アレンにフィラデルフィア計画とその実験について詳しく話を聴こうとしても、結局は誤魔化されたり逸らされたりして、辻褄の合う合理的な説明は得られなかったそうです。

アレンはその後、あるUFO研究団体にフィラデルフィア実験の情報を売りつけ様としたり、宇宙物理学者でUFO/オカルト研究家として著名なジャック・ヴァレー(映画『未知との遭遇』で、フランソワ・トリフォーが演じるフランス人科学者のモデル)に対して、自らの注釈入りのジェサップ本を売りつけようとして断られたとも云われます。

彼は、こうした売名と金儲けの為の活動を行う前に、自らのフィラデルフィア計画と実験に関する情報は、何の根拠も無い嘘八百のものであると告白したこともあり、ころころと証言を変えるアレンの様子は、彼に対する信頼性を著しく落とすものでした。やがて彼は、単なる都市伝説を語る詐欺師・ペテン師の類である、と認識されていきました。

こうして、フィラデルフィア計画とその実験に関する話は、アレンの単なる妄想であり事実ではない、と世間の多くの人々が結論付けたのです。

次のページへ

《スポンサードリンク》