人口の減少が問題視される様になってから、随分と久しいですが、昨年の人口推計も当然ながら減少傾向に歯止めはかかっていません。そこで最新の状況をご案内します・・・。
総務省が4月17日に発表した昨年(2014年)10月1日時点での人口推計によると、外国人を含む我国の総人口は、前年(2013年)に比べて21万5千人ほど減って1億2,708万3千人となったといいます。
- 総人口(定住外国人を含む)は1億2,708万3千人で、前年に比べ21万5千人(0.17%)の減少と減少幅はやや縮小したものの、4年連続で減少を続けています。
- 日本人の人口は1億2,543万1千人で、前年に比べ27万3千人(0.22%)の減少であり、残念ながら減少幅は拡大しています。
- 戦後(昭和20年8月15日以降)生まれの人口は、1億203万4千人、総人口に占める割合は80.3%で初めて総人口の80%を超えました。
- 8年連続で自然増減が25万1千人の減少となり、減少幅は増大しています。ちなみに自然減少は出生児より死亡者が多い状況です。
- 1年間の出生児数は、102万3,000人と過去最低となりました。
- 男女別では、男性は10年連続で、女性は6年連続の自然減少が継続しています。
- 社会増減は2年連続の増加です。日本人と外国人に分けてみると、日本人は2万3千人の減少で4年連続の社会減少となりました。一方、外国人は2年連続の6万人の社会増加となり、増加幅は前年に比べて拡大しました。また入国者が出国者を3万6千人ほど上回りました。
- 0~14歳の年少人口は1,623万3千人であり、前年に比べ15万7千人の減少となりました。
- 生産年齢(15~64歳)人口は7,785万人となり、前年に比べ116万人の減少です。
- 65歳以上の人口は3,300万人であり、前年に比べて110万2千人の増加、初めて年少人口の2倍以上となりました。
- 年少人口の比率は12.8%で、過去最低の状態です。
- 生産年齢人口の比率は61.3%となり,平成4年の69.8%以来、低下を継続しています。
- 65歳以上人口の比率は26.0%で、1950年に現行基準で統計を取り始めて以降、過去最高です。
- 75歳以上人口の比率は12.5%となり、初めて8人に1人が75歳以上となりました。
ピークであった2008年と比較して人口は約100万人ほど減少しました。40道府県で減少した一方で、増加は埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、福岡、沖縄の7都県だけの状況です。増加率のトップは東京で、増加率は0.68%。埼玉、千葉、神奈川の3県を含めた首都圏の総人口は、全体の28.3%を占めて、一極集中が一段と進んだことが明らかになりました。 また1947~49年生まれの「団塊の世代」が高齢者層に入り、一層、少子高齢化が加速しています。
『総務省発表 人口推計(平成26年10月1日現在)』より→ http://www.stat.go.jp/data/jinsui/2014np/index.htm
尚、人口推計は国勢調査をもとに毎月の人口移動などを加味して算出しています。
ちなみに、歴史人口学者の推定では、日本の人口は8世紀には450~650万人程度でした。1,000万人を越えたのは15世紀以降、中世の後期と考えられています。戦乱が絶えた江戸時代前半の17世紀頃に急拡大して、18世紀から19世紀には3,000万人前後となったとされています。明治時代以降、死亡率の大幅な低下により極めて短期間に人口は拡大し、多くの戦争、特に第2次世界大戦の影響にもかかわらず2008年のピークにまで達しましたが、その後、減少に転じています。
一説には2060年には総人口が9,000万人を割り込み、高齢化率は40%近い水準になると推計されています。その頃、高齢化の真っ只中にいるだろう私としては、本当に怖い話です・・・。
今後、人口減少と少子高齢化の進展が急速に進み、その中で新たな形の経済成長と国力の維持に向けた取組が不可欠であるとされています・・・。そこで皆さん、決して他人事では済まされない人口減少問題に関して、真剣に対策を考えましょうね。
-終-
【参考】
2015年4月26日、人口問題研究所(PRB)の発表では、急速な勢いで人口が減少し、絶滅の危機に瀕している5つの民族が挙げられ、その筆頭に日本が入った。日本の人口は2050年には9,515万2千人へと25%も減少し、65歳以上の老齢人口は国民の23%に達するとされた。人口減少の原因は、人口老齢化、出生率低下、高額な住居と若い世代の可能性が制限されているために外国へ流出する人口の増加が挙げられた。
【続報】
総務省の推計によると、4月1日現在の15歳未満の子どもの数は、過去最少だった去年よりも16万人少ない、約1,617万人で、34年連続の減少とった。
内訳は男子が約828万人、女子が約788万人で、これは昭和25年以降で最も少なく、昭和57年から34年連続の減少である。また、総人口に占める子どもの比率は、去年を0.1ポイント下回る12.7%で、これも昭和25年以降最低で、昭和50年から41年間連続の低下となった。
去年(2014年)10月1日現在の、都道府県別の子どもの人数を前年と比較すると、 増えたのは東京都だけで、約14,000人ほどの増加となったが、大阪府の約16,000人減少をはじめとして、東京を除く46道府県では横ばいか減少傾向だった。都道府県別で子どもの割合が最も高かったのは沖縄県で17.5%、最も低かったのは秋田県の10.8%である。
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