今日の思い出の1枚「オホーツク」〈17/38TFU03〉

網走駅に到着した特急オホーツク。1978年の撮影。非電化区間の多い北海道の主力であるディーゼル特急キハ82系が全盛の頃です。

写真はキハ82 901という車両。よくみると、側面の窓が小さいのが、グリーン車からの改造の証。この車両は元々はキロ80 1という車両からの改造車です。 キロ80 1は1960年に上野から青森を結ぶディーゼル特急はつかりとしてデビューしました。

デビュー当時は「豪華列車」と言われ、車内のシートにもラジオのイヤホンジャックがつくなど、画期的な車両だったようです。初めは東京の尾久に所属し、東北特急として活躍していましたが、1968年に東北本線が電化され、それに伴って大阪に転属し、九州方面への特急として走ります。その時に普通車に改造、運転台もつけられた姿に大改造されたのです。

1972年には秋田に転属となり、上野と秋田を結ぶ特急「いなほ」として走り続けます。 しかしその年の秋には、やはり電化のために余剰となり、海を渡って北海道に活躍の場を移しました。そして、この写真の撮影後の1981年には、ついに廃車となってしまいます。

実に波乱にとんだ車両なのです。

観光客を下ろし、昼下がりの網走でアイドリング音を響かせる彼には、本州でグリーン車として華々しく活躍した日々が、遠い記憶のどこかに残っていたのでしょうか。

オホーツク

 

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