マイナンバーはD51 296。東京都府中市に保存してあるD51がモデルです。
今回は細かいパーツを順番にお見せします。鉄道模型を知らない方にも、実際の蒸気機関車の機能を解説しながら進めてみます。
模型マニアは実物のように作りたいと思ったときに、買ったままの模型にパーツを付け足していくことになります。HOゲージの場合は、実に細かなパーツが発売されています。画像は私が所有しているパーツの一部ですが、なにしろ大きさたるや小さく、そして値段も高いのです。10円玉と比較していますが、この大きさでこの値段!しかしこだわりだすと、きりがないのが趣味人の弱いところでしょうか。ネットでも買えないような絶版パーツを求めて模型専門店めぐり、も楽しみであるのです。
さておき、早速進めます。まず機関車の本体(ボイラといいます)、その上にあるドームに汽笛(金色のパーツ)と砂まき装置(水道の蛇口のように見えるもの)をつけます。取り付けは、ボディーにピンバイスで直径0.3ミリから0.9ミリくらいまでの大きさの穴をあけ、接着剤でくっつけていきます。
ちなみに砂まき装置はその名の通り、機関車の動輪の空転を防ぐために、線路に砂をまくための装置です。なぜ、ボイラの上にあるかと言うと、ボイラの熱で砂を乾燥させるためという、実によく考えられた仕組みなのです。ドームの前にはステップ。「架線注意」という小さなシールを貼りました。そして5角形の手すりは自作です。これぞ長野でこの機関車が手を加えられた証拠。「長野型手すり」と呼ばれています。0.3の真鍮線をはんだで付けて作りました。
その先は煙突。機関車の煙が出るところですが、ここにも「回転火の粉止め」というパーツをつけました。煙突にふたがされているように見えると思います。この装置がないと、煙は火の粉と共に煙突から吐き出されるため、火事の原因にもなることから、後年になって取り付けられた機関車が多く存在します。府中のD51にも、それがついています。
そして煙突とヘッドライトの間にある、筒を横にしたようなものが「給水温め器」。D51はこれが特徴です。マニアはこの形ですぐD51とわかります。
蒸気機関車は、簡単に言ってしまうと、石炭で火をおこし、お湯を沸かしてその圧力で走ります。給水温め器は、給水ポンプから送られた水を、装置内部で循環させて100℃に温める重要な装置なのです。もちろん、これも別パーツに交換。この装置から伸びる配管も直径0.7~1.5ミリの真鍮の線を曲げて作りました。ヘッドライトはLP403というタイプに交換。
余談ですが、実際の蒸気機関車も戦後になって250ワットのライトに交換された逸話があります。終戦までのヘッドライトは100~150ワット程度でした。ところが、踏切で進駐軍のジープと衝突事故が相次いだために、進駐軍側から光力向上を要求されたということなのです。ヘッドライトから伸びる電灯線のケーブルも0.2ミリの真鍮線から作ってあります。ヘッドライトの横にはシールドビームの「副灯」もつけました。
今回のお話は、ここまでです。あまり長いとおわかりにならない方には退屈でしょうし、細かいとよくわからないと思います。マニアックすぎたら、すみません。
3回程度でまとめようかと思いましたが、こんな調子で、次回以降も続きます。
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