【おもしろ新製品】 環境に優しい段ボールの家 〈2705JKI17〉

段ボール家101 house-catch-640x320今回の【おもしろ新製品】はネットで見かけた、天然素材を使った環境に優しい段ボールの家をご紹介します。それはオランダ、アムステルダム市のFiction Factory社が製造・販売する『Wikkelhouse』です。

Fiction Factory社のHPによると、先ずは天然木から段ボールを製作することから始まります。当然ながら、環境へ配慮した事業をうたうFiction Factory社は、伐採した後は植林して森林の維持に努めるとのこと。次に、ぐるぐると巻重ねて円筒形の段ボールの塊を作り、これまた環境に優しいスーパーグルー(液状糊)で24枚ほど重ねて貼り合わせることで、家屋の原型が出来上がるそうです。

この『Wikkelhouse』という商品名の「Wikkelen」は、オランダ語で「巻く」とか「包む」という意味があり、段ボール素材で包むように重ねて作ることからついた名称だそうです。

Fiction Factory社によれば、この家は断熱性にも優れていて保温状態も良く、また段ボール素材に撥水性と通気性に優れた仕上げ加工を施した後、更にウッドパネルで要所要所を補強・保護するので、どの様な悪天候にも耐えられるとしており、その耐久性は100年にもなるとのことです。

段ボール家103 Wikkelhouse_configuration-710x483奥行き1.2mの基本ユニットを組合せることで、希望のサイズや規模に自由自在の設計が可能な点も大きな特徴です。更に後からそのユニット数を増減させることもOK。もちろん、キッチンやバスルームなどの水回りの設備も設置が可能です。

またFiction Factory社によれば、既存の住宅建築などと比べて「3倍は環境に優しい」(公式サイト)とのことであり、これらの基本ユニットは再度や再々度の使用にも耐えて、いわゆる100%のリサイクルが可能となっている点も特徴と言えるでしょう。

基本ユニットはFiction Factory社の製造工場で作られ、その後、建築現場へ運ばれますが、現場での工事は1日もあれば完了するそうです。この工期の短さも大きな魅力となっており、特徴のひとつとなっています。

各基本ユニットは約500㎏で、通常の家屋の様な基礎工事の上に設置する必要がなく、海岸のような砂地とか他の建築物の屋根の上など、どんな場所にも置くことが可能です。また簡単に移動が出来ますから、周囲の景色に飽きたらお引越ししましょう。

段ボール家202 Wikkelhuis_15そして内装やインテリアの面でも、簡単な工作で様々な雰囲気のデザインが実現可能となります。

価格は、運送費・設置費別で25,000ユーロ(現状のレートで約306万円)ですから、決して高くはないのですが、日本に輸入すると非常に割高となってしまいます。(輸送費だけではなく、法的規制などの問題で実現は困難)

当面は、オランダや隣国ベルギー、ルクセンブルグ、そしてドイツ、フランス、英国、デンマークなどの欧州の国々での営業展開とのことですが、将来的には現地代理店を募集してビジネスを広く世界中に拡大することも検討中の様です。

 

段ボール家102 house-4-710x382ここで正直な感想を述べると、地震大国日本には向いているかも知れませんね。倒壊しても被害が少なさそうだし、また建て直せばいいかと。そして災害時の仮設住宅には大変良いとも思われます。

より現実的には、ガレージや物置だと格安で出来そうだなという感じ。日本で製造し設置・施工してくれる代理店があれば、この家を建てようという現実味は増してくるかも知れませんが・・・。

しかし、しょせん「紙」ですから火災には大変不利でしょう。強風や台風にも吹き飛ばされちゃう恐れが大。雪の重みで潰れる事を考えると豪雪地帯には当然不向きと思われます。更に湿気対策は万全なのでしょうか。そもそも高温多湿の気候には向かないと言われれば反論は出来ません。

やはり、日本の気候風土には適さないのかなぁ・・・。

-終-

(記事掲載の写真等は、いずれもFiction Factory社のHPより)

 

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投稿者: 野口 京子

以前は調査会社で働いていましたが、現在は広告代理店勤務。 読書がなにより好きです。料理も好きですが、テレビも嫌いじゃありません・・・。旅行やファッションにも興味があります。結局、何でも好き!ってことか・・・。 時代遅れの言葉ですが、『ミーちゃんハーちゃん』の代表として、面白そうなことや気になったことを、その都度、紹介していきますので、どうぞ、よろしくお願いします。