14系座席車が大井川鐡道で復活する! 〈17/38TFU03〉

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急行「ニセコ」で運用についていた14系座席車(1983年 札幌にて)

2016年3月の北海道新幹線開業に伴い、青森から札幌までを結ぶ夜行急行列車「はまなす」が惜しまれながら運転を終了しました。この列車に使用されていた14系座席車の去就は、ファンの間では話題になっていましたが、なんと4両が大井川鐡道に購入されたとの報道がありました。
運用開始は2017年の6月とのこと。鉄道ファンには実に嬉しいニュースです。

14系座席車は1972年にお盆や年末年始の多客期の派動用として誕生した客車です。デビュー当時はブルートレインに準じたブルーに白のラインの車体、密閉式の窓に、簡易リクライニングシート、カーテンなどや特急電車にヒケをとらない設備が話題を呼びました。私は幼少時の夏休みに、山陽本線の臨時特急「しおじ」でデビューしたてのピカピカの14系に乗りました。機関車が牽引する客車なのに、新型の特急電車に乗っているようで、実に不思議で快適な乗り心地だったことを覚えています。ただ難点は座席のテーブルが小さかったこと、リクライニングが体重を乗せていないと、元に戻ってしまうところ、などでした。

他にも臨時列車として、上野から秋田までの「つばさ」や東京から伊豆急下田までの「踊り子」などの運用によくあたっていました。1980年代に入ると、当時の流行だったサロンカーに改造されたり(サロンエクスプレス東京など)、北斗星等の豪華寝台車の種車になったりと姿かたちを変える仲間も多く出始めました。

また、耐寒工事を施され、北海道にわたって急行に充当された仲間も多くいました。当時、周遊券で北海道を鉄道で巡る夏休みの学生旅行は一挙に豪華になりました。(ただ、一夜を明かすのは旧型客車のボックスシートの方がよく眠れた気もします。)その後も14系座席車は最後まで、北海道で活躍していたのです。特急仕様の客車が、日本で最後の夜行急行列車として役割を終えた事は、感慨深いものがあります。
彼らは北国の風雪に耐え、青函トンネルを来る日も来る日も走り抜けてきた過酷な環境から、お茶畑の広がる穏やかな気候に移ってきます。ちなみにC11と14系の組み合わせは、北海道でも「SLニセコ」や「SLすずらん」で実績はありますが、客車の色がブラウン系でした。オリジナルカラーの14系座席車をSLが牽引する姿、これもまた大いに楽しみです。まるでブルートレインの定期列車が復活したようで、これもまたマニアには待ち遠しい姿です。

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SL達との競演が待ち遠しい

 

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