《 何故、白いスーツを着ているのか・・ ・》
カーネル人形が白いスーツ姿をしているのは、生前の彼が白スーツをトレードマークにしていたからです。彼がまだ貧乏な頃、真冬にテレビ出演をした時、冬物のスーツが皺だらけで着ることが出来ず、やむなく夏服の白いスーツで出演したところ、これが思いの外好評で、以後、白スーツがサンダースのトレードマークになったという逸話があるのです。
しかし、サンダースは地元の名士なので、真っ白いスーツにリボンタイのオシャレな装いをしているという、取って付けた様な理由を解説している資料もあります。
《 「カーネル」とは・・・ 》
ハーランド・サンダースが名乗ることを許された「カーネル（Colonel）」とは、人物の名前でも軍隊の階級（陸軍大佐）でもなく、アメリカ合衆国のケンタッキー州に貢献した人物に与えられる「ケンタッキー・カーネル（Kentucky Colonel）」という名誉称号（「ケンタッキー州 名誉大佐」）のことです。 そして彼は、この名誉称号の保持者であることから、『カーネル・サンダース（Colonel Sanders）』＝『サンダース（ケンタッキー州）名誉大佐』と呼ばれたのです。
この「カーネル」は、より詳しくはアメリカ合衆国のケンタッキー州の定める称号の一つで、ケンタッキー州に対して多大なる（2度以上の機会にわたって）貢献した人物に対してケンタッキー州（Commonwealth of Kentucky）の知事（Governor of Kentucky）から贈られる同州独自の名誉称号のことです。単に「カーネル（Colonel）」／「名誉大佐」とも呼ばれます。
授与の対象者はアメリカ合衆国の国籍保有者に限定される訳ではなく、外国人でも可とされています。実際には、日本人にもこの「名誉大佐」はいるのです。尚、選考に当たっては、既に「ケンタッキー・カーネル」である者からの推薦状と経歴書等が必要とされるとのことです。
また、この称号の所有者には、合衆国第40代大統領のロナルド・レーガン（Ronald Reagan）や第41代大統領のジョージ・H・W・ブッシュ（George H.W. Bush）、同第42代大統領ビル・クリントン（Bill Clinton）などのアメリカ大統領や古いところでは英国の首相だったウインストン・チャーチル（Winston Churchill）などの政治家がいます。その他にはスポーツ選手等が多く、先頃亡くなったボクサーのムハマド・アリ（Muhammad Ali）やゴルファーのタイガー・ウッズ（Tiger Woods）も「ケンタッキー カーネル」だし、カーレーサーのマリオ・アンドレッティ（Mario Andretti）も同様の「ケンタッキー州 名誉大佐」です。また上記の通り、日本人にも何人かの「ケンタッキー・カーネル」が存在します。
アメリカ合衆国のケンタッキー州以外でも同じ様な称号を贈る国や軍隊はありますが、例えば南米のエクアドル共和国でも同様の制度があります。我国の細菌学者・医学者の野口英世は、黄熱病の研究に貢献したことにより、大正7年（1918年）にエクアドル共和国陸軍から「名誉軍医監」並びに「名誉大佐」の称号を授与されています。
そして「名誉大佐（Colonel）」という称号は、国家や軍隊などが、軍人またはその国家の建設・繁栄に功労ある人に対して授与する称号（名誉称号）で、軍隊における階級のひとつである「大佐」（英語圏では「Colonel」、佐官の最上級階級）と同じ用語を用いますが、意味合いは随分と異なります。 何故ならば、この「名誉大佐」には軍事上の指揮・命令権は一切与えられておらず、正規の軍人としての待遇も権利も全くありません。
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