【OIC-7】 『カーネル・サンダース』の「カーネル」とは? そして、あの人形の由来は・・・。 〈1647JKI24〉

《 人形の由来は・・・ 》

国内の『ケンタッキーフライドチキン(KFC)』の店頭には必ず『カーネル・サンダース』の人形が置いてある為、通りすがるだけで入店したことがない人でも彼の姿形はよく知っていますよね。ところが、この人形を店頭に置くという発想は、実はKFC日本法人から始まったのです。

KFC日本法人が設立されてFCの展開を始めた当初(1970年頃)、日本国内ではまだ「ファーストフード」という業態や「フライドチキン」という食品・料理が一般に浸透していなかった為、「何の店なのか分かり難い」という指摘を多く受けていたそうです。(当時は、店舗の「紅白」カラーリングや外装の雰囲気から、電器店や理髪店と間違えて来店する人もいたそうです・・・)

丁度その頃、日本法人の幹部がアメリカの総本部を訪問した際に、倉庫の片隅に保管されていたサンダースの人形(カナダのFC店でのキャンペーンに使用されたらしい)を発見し、これは日本でKFCの認知度を高める為に良いと、看板代わりに店頭に置くことを発案して日本に持ち帰りました。以降、この人形は日本国内の店舗ではKFCのシンボルとなり、やがて日本法人の店舗拡大に合わせて全国に広まっていきます。

1979年にアジア・オセアニア地域の出店を統括する『KFCインターナショナル 北太平洋地域オフィス』が日本に設置され、日本法人のスタッフがアジア・オセアニア地域の出店にも協力したことから、北太平洋地域(ハワイ・タイ・フィリピン・韓国・台湾・中国その他)の店舗にも日本法人から寄贈されたこの人形がディスプレイされるようになっていきます。

またこの他にも、欧米の一部店舗で日本法人から提供された当該の人形が見られる店があるそうです。サンダース本人も来日の際に接したこの人形が気に入り、アメリカ総本部の『カーネル・ミュージアム』にも日本法人提供の人形が展示されています。そしてサンダースがこの人形を見たとき「君は年を取らなくていいな」と言ったとか・・・。尚、正式にはKFC日本法人ではこの人形を『カーネル立像』と呼んでおり、立体商標登録されています。

尚、この人形は、繊維強化プラスチック(FRP)製が多く、高さは173cmで重量26kgです。サンダースが60歳のころの体形(身長180cm、体重90kg)を模したもので、彼自身とほぼ等身大だとされます。件(くだん)の白いスーツを着用して、その襟元には黒いリボンタイ/ストリング・タイ(string tie))を結んだ姿となっていますが、この様子も実際のサンダースの衣装をモデルとしています。また、彼が入会していたロータリークラブの会員章(バッジ)も、ちゃんと襟のボタンホールに飾られているのです。

また、かけている眼鏡(めがね)は本物の老眼鏡であり、3.25の度が入っているそうです。これも現実にサンダースが使用していた福井県鯖江市製の老眼鏡をモデルにしたもので、立像の老眼鏡も以前は鯖江製が用いられていましたが、2000年代中頃以降は中国製となっているようです。

-終-

【参考、そして都市伝説】
※英米語ではColonel をカーネルと発音(「əː」が難しい)しますが、仏・西語ではコロネルとなります。また米語と英語では少し発音が異なるという説も聞きます。また更に、海軍では一般的に大佐は「キャプテン(Captain)」と呼ばれますが、陸軍では「キャプテン(Captain)」は大尉を意味する言葉です。

※アメリカ南部では、Colonel を古風な表現において年配の男性に対する敬称として用いた、とする資料がありますが、現在でも使用されているのかは未確認です。

※ルイジアナ州にも、同様の称号を与える制度があるそうです。(但し、詳細不明)

ハーランド・サンダース(Harland Sanders)についての諸説。
・軍隊へ入隊したのは何歳? そして陸軍か海軍か。・・・・・15歳説と16歳説があり、また陸軍説と海軍説がありますが、どちらも1年で除隊したとされています。
・『名誉大佐』を授与された理由は? ・・・・・「州の料理への貢献が認められた」との説と、「KFCのフランチャイズ化によるケンタッキー州経済への功績に対して」という説、そして「KFCの行った慈善事業を賞して」というものがあります。但し、日本KFCホールディングス社のHPによると「人々への貢献により1935年にケンタッキー州知事から名誉称号「カーネル」を授与され」とあります。
・生まれた場所は? ・・・・・ケンタッキー州とインディアナ州の二説がありますが、これも日本KFCホールディングス社のHPによるとインディアナ州であるとされています。

※「カーネル・サンダースの呪い“Curse of the Colonel”」とは、昭和60年(1985年)10月16日に、日本プロ野球の球団である『阪神タイガース』が21年ぶりのセントラル・リーグ優勝を果たした際に、狂喜した阪神ファンがKFC道頓堀店の『カーネル・サンダース』の立像を道頓堀に投げ込んだことの因果により、翌年以降の同球団の成績が低迷したとされる都市伝説のことです。

当該の像は2009年に道頓堀川で発見され、日本法人に返還されました。2010年3月19日より阪神球団の本拠地である阪神甲子園球場最寄りの店舗であるKFC阪神甲子園店の店内で保存展示されていましたが、その後、2013年3月からは日本KFCホールディングス社本社内にて展示されているそうです。

※エジプトのスフィンクスの前には、ケンタッキースフィンクス前店というフランチャイズ(FC)店があるそうです。実はサンダースはフリーメイソンに所属していたそうで、フリーメイソンが古代エジプトでピラミッド建立に従事していたとする説を受けて、その関係でスフィンクスとピラミッドの前でFC店を開いたというのですが、この説はあくまで都市伝説の域を出ません(笑)。

※「バレンタイン・デーにチョコレートを贈る習慣」を菓子会社が流行らせたのと同様に、「クリスマスにフライド・チキンを食べる風習」は、KFC日本法人のマーケティングから始まったと云われます。 

※ケンタッキー州の議事堂には、『カーネル・サンダース』の胸像が飾られています。これに対して動物愛護活動家でカナダ人のモデル/女優のパメラ・アンダーソンが、「鶏への残酷行為の象徴」だとして撤去を求めているそうですが、州知事は、「サンダースはケンタッキーの象徴」であるとして撤去を拒否しているとのことです。

 

 

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