東京オリンピック開催まであと4年となりました。東京では、着々と開催に向けて準備が始まっています。国立競技場の建て替えを始め、道路や鉄道などのインフラも、整備工事が進められています。
そんな中、メインスタジアムの最寄り駅であるJR中央(緩行)線の千駄ヶ谷駅の現在の様子を訪ねてみました。千駄ヶ谷駅は、新宿から千葉方面に向かって2駅という非常に便利な所にありながら、いまひとつ知名度がありません。東京に住んでいても、一度も降りた事が無いという人が多いのではないでしょうか。
この駅は1904年(明治37年)8月21日、中央線の前身である、甲武鉄道の駅として開業しました。その後は1945年(昭和20年)5月、東京大空襲により駅舎が被災しましたが、12月には木造バラック駅舎建築。1956年(昭和31年)3月、コンクリート構造で新築。
そして1964年(昭和39年)9月、東京オリンピックにあわせ改築。臨時ホームも新設されました。しかし、その後は臨時ホームはほとんど利用されず、昭和天皇の「大喪の礼」が近くの新宿御苑で営まれた1989年2月が最後だそうです。現在の様子は、手入れもされておらず、アスファルトも凸凹で、錆や塗装の剥がれも目立ち、荒れ果ててしまっています。一般利用者の立ち入りも禁止されています。ホーム屋根も、駅名表示板もないので、列車から見てもなんだかよくわからない状態です。
しかし、2016年(平成28年)6月、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、原宿駅、信濃町駅とともに千駄ヶ谷駅も改良工事をされることが発表されました。
使用していないこの臨時ホームを新宿方面の専用ホームに変更し、動線がスムーズになるよう、新宿寄りに改札口を移設する。また、改札口やコンコースを拡張して混雑緩和を図るほか、ホームドアを設置するそうです。
今の姿は、すぐ横を走る首都高速の存在があまりに大きく、駅を出ても橋の下で薄暗く、いまひとつ明るい気分になれない感じがします。駅の反対側は、明治神宮の杜が広がり、こちらもメインの入口ではないので、なにやら裏口にはいりこんだ気分です。駅の通路や階段もせまく、多数の乗客をさばくのは大変です。事実、国立競技場があった頃、大きな大会やライブコンサートで使用された時は階段で渋滞していました。
東京オリンピックに一番近い駅、千駄ヶ谷。世界からの観客を迎えるこの駅が、どのような姿になるのか、今から楽しみです。
《スポンサードリンク》