先日、知人に連れられて行った健康関連のイベントでモスキート音の試聴テストを受けたところ、その結果はやはりダメで、「大人には聴こえないよ」と係の人に言われても、何だか必要以上に歳を取ったように感じてちょっとばかりショックでした。
私(三日月ネコ)の年齢(40歳代前半)ではもうモスキート音が聴こえないのは当たり前なのですが、妻(30歳代後半)も聴こえないとの結果で何故かひと安心? でも娘(小学生)は当然ながら、バッチリと聴こえたと言います。
一般的に人間が聞こえる音は20~20,000Hz(ヘルツ)の範囲内とされています。その中でモスキート音とは17,000Hz前後の高周波音を指し、その名前の由来は「蚊(モスキート)が飛んでいるような音」から付けられました。
またこの音は基本的には20歳代半ばまでしか聞こえず、20歳代後半からは聞こえ辛くなってそれ以降の年齢では聞こえなくなると云われています。但し、この音はこれが聴こえる耳年齢の若い人にとっても「キーン!」という耳障りで不快な音です。
しかしこれらの高周波の可聴範囲は個人差が大きいとされ、知人の話では30歳くらいでも充分聴き取れる人もいるそうです。また通常の健康診断や耳鼻科などで行われる聴力検査で使用される高音域は、8,000Hzくらいまでの様だと聞きました。
尚、日常会話で最も使われる高域の音は1,000Hz、人間に出せない鈴虫の鳴き声が4,000Hzとされています。ちなみにテレビやYoutube等の仕様では、16,000Hzから上の帯域の音はカットされて放映されていますから、普通はそれらからはモスキート音は流れて来ません。
最期に、目安として下記に人間が聴き取れる周波数の可聴範囲を記すと、
【60~69歳】8,000~9,000Hz
【50~59歳】10,000~11,000Hz
【40~49歳】12,000~14,000Hz
【30~39歳】15,000Hz
【25~29歳】16,000Hz
【18~24歳】17,000~18,000Hz
【13~17歳】19,000~20,000Hz
【犬の場合】最大約50,000Hz(50kHz)
【猫の場合】最大約60,000Hz(60kHz)
となります。
ところで、2015年3月に耳の老化に関する注意事項をWHO(世界保健機関)が発表しています。それは耳の健康を保つ為には『91db(デシベル)程度の音は1日1時間以内にとどめること』という内容で、このレベルの音を1日1時間以上聞き続けていると耳の老化を早める危険性があるのだそうです。そしてこの『91db(デシベル)程度の音』とは、「イヤホンでわずかに音漏れする程の音」・「ドライヤーの音」・「ハイパワー掃除機の音」・「人の怒鳴り声」といったもので、それ程、特殊な音ではないことに留意する必要があり、特にイヤホン等で長時間にわたり音楽などを聴き続けている人には注意が必要だ、とされています。
最近では、20代後半以降の者には気にならない人が多く更に年齢を増すとほぼ聴こえない為、若者の中には大人(年配者)には聴こえ難いこの特徴を利用して携帯電話の着信音にする人などもいるそうで、その為の「超高周波の音声ファイル」を携帯電話にダウンロードできるアプリや、それらの販売サイトも存在しているそうです。そして学校では授業中にモスキート音の着信音が次々に鳴っても、授業中の先生はまったく気付かないそうですよ~。
また逆に若い人たちの溜まり場となることを避ける為に、公共の広場や公園、コンビニの駐車場などでこのモスキート音を鳴らして彼らを遠ざける試みなどが行われているとのニュースを観たことがありますが、この音に関して既に聴こえない身にとってはその真偽の程を検証することも適わず、更にもう年齢的に二度と聴けないと思うと何だか寂しい感じがするのは私だけでしょうか…。
-終-
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