ヘルメスの7つの原理「照応の原理」(3)/atn

意識面は日常生活の中で私たちに知られている「生命」の形、そして密教の研究者以外にはあまり知られていない生命体から成り立っています。 意識面が持つ7つの中平面の分類も便宜上のものにすぎません。詳細な説明は本書の目的に反しますが、少し触れておきましょう。7つの中平面は以下のとおりです。

1. 鉱物意識面
2. 基本意識面(A)
3. 植物意識面
4. 基本意識面(B)
5. 動物意識面
6. 基本意識面(C)
7. 人間意識面

鉱物意識面は、ミネラルや化学物質として私たちに知られている形態に、動きを与える単位または実体、グループ、それらの組み合わせの「状態または様相※」から成ります。

※「実体の状態または様相」(states or conditions of entities)という表現が中平面の説明に何度も出てきます。意識面の実体が形あるものだけではなく状態や様相を指すためですが、以降は文脈により単に「実体」と記述します。

これらの実体を分子、原子および粒子そのものと混同してはいけません。人体が「人」の物質的な形であって人そのものではないように、分子や原子は「実体」の物質的な形にすぎません。これらの実体は、ある意味で「魂」と呼ばれるものです。物質平面の最上位を構成する「エネルギー面(C)」より上位に位置しますが、生命や心の進化においては低度なものです。

一般的な人は鉱物界に心や魂、生命があるとは考えません。しかし密教研究者たちはその存在を認識しており、現代科学はこの点でヘルメス学の視点に近づきつつあります。分子、原子、微粒子に間には「愛と憎しみ」や「好きと嫌い」つまり「引力と斥力」や「親和性と非親和性」があります。

「人間と度合いが異なるだけで、原子にも欲求や意思、感情がある」という大胆な意見を言う科学者もいます。ここでこの問題について議論する時間もスペースもありませんが、密教の研究者はそれが事実であると認識していますし、確証を得るために最近の科学的な研究を参照する者もいます。この中平面にも7つの少平面があります。

基本意識面(A)は、一般的には知られていないが密教の研究者には認識されている実体、意識と生命力の進化の度合いにより構成されます。人の通常の感覚では見ることはできませんが、存在し、宇宙への役割を果たしています。知性の度合いは、鉱物意識と植物意識の中間です。この中平面にも、7つの小平面があります。

 


植物意識面
の7つの少平面は、植物界を構成する実体から成ります。 植物の心と生活に関連する新しく興味深い研究書が、この10年ほどで数多く出版されるようになりました。動物や人間やその他の生命と同じように、植物にも命があり、心があり、そして魂があります。

 

基本意識面(B)の7つの少平面は、基本意識の中でもより高次で、目には見えない実体から成ります。それらは宇宙の中で一般的な役割を果たしており、植物意識面と動物意識面の中間に位置し、両方の性質を持っています。

動物意識面の7つの少平面は、私たちにもよく知られている「動物」という形の生命に動きを与える実体、存在、または魂から成り立っています。動物界は私たち自身であるように馴染みあるものですので、詳細に述べる必要はないでしょう。

次回に続きます。

 

 

 

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