ヘルメスの7つの原理「照応の原理」(5)/atn

精神面の7つの中平面には私たちが「天使」「大天使」「神々」と呼ぶ存在があるとされます。下部の中平面には「マスター」「アデプト」と呼ばれる偉大な魂が存在し、上部には人の考えの及ばない「天使」の大階級が存在します。さらに上に「神々」と呼ぶべき存在があります。彼らの存在はスケールの非常に高い位置にあり、様々な人種から神と崇められる知性と力を持つとされるのです。

※この章はとても概念的な記述となっていて、宗教的と感じる方もいるかもしれません。多くの宗教に「天使」「神」と呼ばれる共通の存在があります。7つの原理は宗教ではありませんが、世界の宗教観の形成に影響を与えたとされます。

これらの存在は人々の最も高い想像力さえ超えており、「神聖な(Divine)」という言葉が唯一あてはまるものです。存在の多くは、宇宙の出来事に最大の関心を持ち、重要な役割を果たしています。目に見えない「神々」や「天使」は、進化と宇宙の進歩の過程で自由かつ強力に影響を及ぼしています。人類に対する彼らの時折の介入と支援は、人種、過去と現在の多くの伝説、信念、宗教と伝統をもたらしました。彼らは「ジ・オール」の法則のもと、知識と力を繰り返し世界に与えてきたのです。

しかし、これらの進化した最高の存在でさえジ・オールの中で創造され、存在するものです。そして宇宙のプロセスと普遍的な原理に基づいていて、不滅ではありません。「神々」と呼んでも構いませんが、人類にとっての長兄であり、人類を助けるために同じ線上で進化し、ジ・オールと一体化する喜びを知った魂です。彼らは宇宙に属し、その状態に従っています。彼らの中平面は「絶対精神(Absolute Spirit)」の下にあり、不滅ではありません。

※人々から神と呼ばれる存在、あるいは領域が絶対ではなく不滅でもないとする原理は、神を絶対とする一部の宗教家には受け入れがたく、密教と呼ばれ弾圧される原因にもなりました。

ディバイン・ブレッシング

最も進んだヘルメス学者だけが、存在の状態と精神面の力に関する、内なる教えを理解できます。この現象は精神面よりもはるかに高いので、説明を試みれば混乱が生じます。長年ヘルメス哲学の方針に沿い注意深く修練した者、遥か昔より魂が伝える知識を現世に活かせる者だけが、意識面の教えが意味するものを理解することができるのです。

そして、これらの内なる教えの多くはヘルメス学の中で非常に重要かつ神聖なものとされ、一般社会への普及は危険とさえ考えられてきました。賢明な読者は、ヘルメス学者が「スピリット」という言葉を用いるとき、「生きる力」「活力」「核心」「生命の本質」などを意味することがわかるでしょう。「宗教的」「教会的」「霊的」「聖なる」など、しばしば宗教的な意味で使用される言葉と混同してはいけません。

密教では「スピリット」という言葉は「力」「生きるエネルギー」「神秘的な力」など何かを「動かす原理」として用いられます。スピリットは「極性の原理」に従い、善にも悪にもなることを彼らは知っています。殆どの宗教で「サタン」「ベルゼブブ(※)」「デビル」「ルシファー」「堕天使」などの概念が認められ、そのために神殿の秘密の部屋に封じられてきました。
(※)キリスト教の悪魔のひとり

高度にスピリチュアルな力を会得し誤用した者は、恐ろしい運命を持ち、リズムの振り子の揺れが彼らを物質平面の端まで揺り動かします。彼らはそこから「スピリット」へと向かう長い道のりを再びたどらなければならず、悪行によって高みから落ちてしまった記憶に常に苛まれます。

先進的な密教が持つ堕天使の伝説は、このような根拠に基づいています。精神面で利己的な力を追い求めれば魂はバランスを失い、もといた場所へと引き戻されます。ですがそのような魂にさえ、帰還の機会が与えられます。大きな代償を払いながら帰還の旅をするのです。

結論として、「下のものは上のもののごとく、上のものは下のもののごとし」とする照応の原理に従い、物質と精神のすべての平面で「7つの原理」が適用され、維持されています。

すべての面に「唯心論(思考の原理)」が適用されます。すべてがジ・オールの精神の中にあるからです。

すべての面に「照応の原理」が現れます。すべての面が各々対応し、調和し、呼応しているからです。

すべての面に「振動の原理」が現れます。私たちが見てきたとおり、各面の違いそのものは振動から生じるからです。

すべての面に「極性の原理」が現れます。極の両端は明確に対向し、相反しています。

すべての面に「リズムの原理」が現れます。すべての現象に満ち引き、上昇や下降、流入や流出といった動きがあります。

すべての面に「原因と結果の原理」が現れます。すべての結果に原因があり、すべての原因に結果があります。

すべての面に「ジェンダーの原理」が現れます。創造のエネルギーは、男性面と女性面に沿って常に生まれます。

「下のものは上のもののごとく、上のものは下のもののごとし」。この何世紀にもわたるヘルメスの格言が、宇宙の偉大な原理のひとつを現しています。他の原理についての考察を進めるほど、「照応の原理」の普遍性がより明らかになるのです。

※「照応の原理」は今回で終わりです。ここまで、「振動の原理」「極性の原理」「照応の原理」の順に解説しました。Atworth Inc.の天使の心理学ワークス2、3、4は、これら3つの原理にもとづき考案されています。3つの原理を組み合わせたワークショップ「天使の心理学A」も不定期に開催しています。ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。次回より、もうひとつのワークショップ「天使の心理学F」の原理の中で特にご要望が多い「ジェンダーの原理」から解説して行きます。

 

 

 

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