懐かしの海外ドラマ、『原子力潜水艦シービュー号』の活躍! 〈JKI15〉

『原子力潜水艦シービュー号(Voyage to the Bottom of the Sea)』は、アーウィン・アレン(Irwin Allen)が製作した米国の1960年代・SFテレビドラマ最大のヒットシリーズ。世界の安全と平和を守る為に、毎回、原潜シービュー号が敵性国家や悪の犯罪組織、謎の生命体(怪獣)、そしてエイリアンらと戦う物語でした。

我国では、第1シーズンが1964年に『原子力潜水艦シービュー』のタイトルで、NET(現・テレビ朝日)系で放映されました。カラー版の第2シーズン以降は、1967年~1969年にかけて東京12チャンネル(現・テレビ東京)/毎日放送系から『原潜シービュー号 ~ 海底科学作戦』のタイトルで放映されました。

さてそのストーリーですが、ネルソン海洋調査研究所(N.I.M.R:Nelson Institute of Marine Research)の所長ハリマン・ネルソン提督(リチャード・ベースハート、声優は黒沢良、家弓家正)が設計・建造した最新鋭のスーパー原子力潜水艦のシービュー号は、表面上は民間の海洋調査艦ですが、その実体は最新最強の兵器であり、諜報活動から巨大生物や宇宙人との戦いまで、ありとあらゆる危険な任務に就いていました。第1話で暗殺された初代艦長のジョン・フィリップスに替ってリー・クレーン中佐(デヴィッド・ヘディソン、声優は田口計、納谷悟朗)が艦長に就任したシービュー号は、有能なチップ・モートン副長(ロバート・ドーデル、声優は愛川欽也、二瓶秀雄)以下の乗員の力も借りて、今日もネルソン研究所のあるサンタバーバラを母港に世界平和を守る為の航海を続けるのでした‥‥。

ところで、この番組で使われているシービュー号の内部セットは、1961年のSF映画『地球の危機』の為に当時の金額で40万ドルをかけて作られたものをそのまま利用していることから、低予算のTV番組でありながら大変豪華なものとなったのです。

また固定されたセットと同じ登場人物を使い、毎週色々な事件に遭遇しては解決に導くというこの番組のスタイルは、『スタートレック』を始めとする後の多くのSF番組に影響を与えたとされています。

今思い返せば相当に陳腐な特撮映像が使われており、同様のシーンの使い回しも多く映画からの流用も多数でしたが、子供心に毎回、その手に汗握るストーリーには心躍りました。潜水艦を大好きになり、更にSFとミステリアスな怪奇譚が好きになる切っ掛けのTVドラマであったことは間違いありません!

【シービュー号 性能諸元】艦内は3階構造で、正式名称は「S.S.R.N. Seaview 」。全長406フィート(124m)で全幅77.5フィート(24m)、全高は64フィート(20m)。潜行時の最高速度は、推定40ノット(74Km/時)超。圧壊深度は4,500フィート(1,372m)程度です。核魚雷も発射可能な発射管4門、ポラリスミサイル発射管は16門、その他の武器には高圧電流の放射機やレーザー光線砲がありました。また艦首は透明な観測窓となっていますが、非常時には外側の防御シャッターと艦首部/操縦ルーム間の隔壁を閉じる構造でした。米海軍から軍事的任務の委託を受けており、民間所属の潜水艦でありながら戦略兵器であるポラリス型核ミサイルを装備していました。第2シーズン以降では、小型潜航艇で空中飛行も可能な「フライングサブ」を搭載します。

〈終〉

 

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