SNS世界最大手の米国Facebook(以下、FB)が、投稿リストを操作した「気分伝染」の実験を秘密裏に実施していたことが、明らかになりました!!
いくら合法的と説明されても、私はこんな実験には巻き込まれたくはないです・・・。
『米科学アカデミー紀要(電子版)』に29日までに掲載されたFB研究者らの論文により、FBが密かに、フォロー対象の投稿が自身のページにリスト表示される「ニュースフィード」に操作を加えて、投稿内容の傾向がSNSを通じて他の利用者の気分にどのように影響を与えるのかの実験を行っていたことが明らかになりました。
この論文によると、2012年1月の内1週間を利用して、英語を使用して投稿する利用者から約70万人を抽出して上で、コンピューターが機械的に、肯定的な感情や意思を表現するワードを含む投稿をニュースフィードから一定の割合で削除しました。その結果として、全体の投稿も肯定的な内容が減ったそうです。
FBの研究チームは合計300万件以上の投稿を分析し、「友人がSNSを通じて表現した感情は私たちの気分にも影響を与えることを示唆している」と結論付けたといいます。また同研究チームは、「ニュースフィード」のリスト表示から削除されても、投稿自体にはまったく加筆修正などがされておらず、いつでも閲覧可能な状態だったと説明しました。
実験対象となった約70万人には事前の告知がされていなかった訳ですが、FB側は、利用者は登録時に「分析や研究のためのデータ利用」に同意しており、倫理的問題はないとしています。片や、論文を発表した研究者は、米国の多くのメディアに対し、科学の研究調査や実験では被験者の「自由意思」による参加が大前提であり、この実験も事前同意が必要だったのではないだろうか、と指摘しています。
この様な実験が行われていることは充分予想されることですが、現実に明らかになるとやはり気になります。「気分伝染」という、ひとつの仮説を証明するためのFBの実験自体はともかくとしても、私などは、事前同意なき実験への参加には大きな抵抗感があります。
Facebookだけではなくインターネットを支配する世界的な大企業が、自社の利益や目的を優先させたり恣意的な行動を取ることで、そのネット環境を利用する私たちに偏向的な影響や操作が及ぶことは十分考えられます・・・。
一国の世論形成や世界的な各種のトレンドの構築にも影響を与えかねないこの様な動きについては、よくよく注視していく必要があると考えられます。
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