インド映画と言えば、髭面のヒーローが歌って踊るゴージャスでハッピーな物語と思うでしょ。でも、この映画の主人公バルフィは、生まれつき耳が聞こえず、話も出来ない身体障害者なのです・・・。
でも、悲しくならないでください。軽快な音楽に合わせて、恋あり、笑いあり、涙ありの素敵なエンターテイメント・ストーリーですから、安心して楽しんで欲しいのがこの映画です!!
インド映画『バルフィ!人生に唄えば』の概要
ピュアでストレートな愛と笑いが溢れた2012年のインド映画、『バルフィ!人生に唄えば』(アヌラーグ・バス監督作品)が、8月22日から日本でも公開されます。
主人公のバルフィ役にはランビール・カプール。生まれつき耳が聞こえず話ことも出来ないバルフィの、豊かな表現力と快活な行動を見事に演じ切りました。そんなバルフィは周囲の人々を幸せに導いていきます。
彼をひたむきに愛する自閉症の少女ジルミルには、ミスワールド2000のプリヤンカー・チョープラーが配役されました。彼女の自閉症の演技は素晴らしく、観る人を感動させます。
そしてストーリーテラーとして「あの人はいつも幸せそうでした」とバルフィの人生を語る、もうひとりの恋人であるシュルティ役を演じたイリヤーナー・デクルーズも、びっくりする程の美人女優です。何でインドの女優さんたちは、あんな引き込まれそうになる美しい瞳をしているのでしょうか・・・。
本作は、『雨に唄えば』などの古典的なハリウッドミュージカル映画や、『きみに読む物語』や『アメリ』、秀作コメディ『Mr.ビーン』、そしてジャッキー・チェンのアクションコメディの『プロジェクトA』等の世界中の名作映画へのオマージュが満載で、映画好きには見逃せない作品です。
また主役のランビール・カプールは、主人公の(聴覚障害の)設定により、チャールズ・チャップリンやバスター・キートンなどの無声映画のヒーローを受け継ぎ、話せない代わりに豊かな表情や全身の動き、そして軽快なアクションを精一杯使った独特の演技を披露してくれます。
本作の主人公バルフィは、生まれつきの聴覚障害のために耳が聞こえず話も出来ないのですが、真っ直ぐで豊かな感情を、その眼差しと身ぶり手ぶりや行動で、一生懸命相手に伝えようとする心優しい青年です。
ハンディを乗り越えて、人生や恋に正直に生きるそんな彼の姿勢に惹かれて恋に落ちた二人の女性の、バルフィとの出会いから別れまでのストーリィが描かれていきす。
家族の愛情を知らずに育った自閉症の女の子ジルミルと冨も地位もある男性と結婚し、何不自由なく暮らしてきた美女シュルティ。そんな二人の女性がバルフィと出会い恋に落ちるのですが、言葉の壁や境遇や身分の差など、様々な困難や壁が彼らの前に立ち塞がります。
しかし、バルフィはそんな障壁を笑い飛ばすかのように、人生において本当に大切なのは何かということを、私たち観る者に教えてくれるのです。例えば、“言葉”に頼らず“心”を通わせることとか・・・。やがて映画の最後に感じる、思わず微笑みを浮かべたくなるこの幸福感は何でしょうか?、皆さんも共に感じて欲しいと思います。
↓映画『バルフィ!人生に唄えば』予告編 公式HPより
出演者や監督に関する情報
●ランビール・カプール(RANBIR KAPOOR)
1982年9月28日生まれ。ニューヨークのリー・ストラスバーグ劇場研究所で演技を学び、2007年に『Saawariya』(未/サンジャイ・リーラー・バンサーリー監督)で俳優として銀幕デビュー。
その後、2009年に『Wake Up Sid』(未/アヤーン・ムケルジー監督)の演技で注目を集め、同じ年に『Ajab Prem Ki Ghazab Kahani』(未/ラージクマール・サントーシー監督)と『Rocket Singh: Salesman of the Year』(未/シミト・アミーン監督)に出演し、これら作品の演技でフィルムフェア賞最優秀男優賞を受賞した。
また、2010年にポリティカル・サスペンス『Raajneeti』(未/プラカーシュ・ジャー監督)の、政治家一家の野心的な息子の演技が評判となり、映画も大ヒット。そして2011年、『Rockstar』(未/イムティアーズ・アリー監督)の演技では、フィルムフェア賞の他、各映画賞の最優秀主演男優賞を獲得。
2012年には本作『バルフィ!人生に唄えば』で素晴らしい演技を見せた。更に、2013年には『Yeh Jawaani Hai Deewani』(未/アヤーン・ムケルジー監督)を大ヒットさせるなど、ボリウッドの若手俳優の中でもトップクラスの人気を誇っている。
●プリヤンカー・チョープラー(PRIYANKA CHOPRA)
1982年7月18日生まれ。2000年、ミス・インドとしてミス・ワールド2000で最高位の栄冠を射止めた。2002年にタミル語映画『Thamizhan』(未/マジート監督)で女優として映画デビュー。2003年には、『The Hero』(未/アニル・シャルマー監督)でボリウッドデビューし、同年の出演作『Andaaz』(未/ラージ・カンワル監督)での演技は、その年のフィルムフェア賞で最優秀新人女優賞を受賞した。
2008年には、国家映画賞とフィルムフェア賞で最優秀主演女優賞を獲得した『Fashion』(未/マドゥル・バンダールカル監督)と『Dostana』(未/タルン・マンスカーニー監督)の2作を含む6作品の出演し、彼女の人気は不動のものとなる。
更に2009年には、『Kaminey』(未/ヴィシャール・バールドワージ監督)での大胆な演技と、『What’s Your Rashee?』(未/アーシュトーシュ・ゴーワーリーカル監督)で12人の別々の役柄を演じたことで話題となり、インド映画界での女優の地位を確固たるものにした。
最近も、2013年の『Krrish 3』(未/ラーケーシュ・ローシャン監督)や、2014年の『Gunday』(未/アリー・アッバース・ザファル監督)などをヒットさせている。
●イリヤーナー・デクルーズ(ILEANA D’CRUZ)
1987年11月1日生まれ。2006年、テルグ語映画『Devadasu』(未/Y.V.S.チョウドリー監督)でデビュー。この作品が、テルグ語映画としては、当時の最高興行成績を記録し大ヒットとなり、フィルムフェア賞(南インド映画部門)で最優秀女優賞を受賞した。同年の『Kedi』(未/ジョーティ・クリシュナ監督)ではタミル語映画でもデビューを果たした。
その後、2006年のテルグ語映画『Pokiri』(未/プーリ・ジャガンナート監督)、2008年の『Jalsa』(未/トリヴィクラム・シュリニワース監督)、2009年の『Kick』(未/スレンダル・レッディ監督)など出演した作品が興行的にも成功し、テルグ語映画での地位を確立した。また、2012年には『きっと、うまくいく』のタミル語版リメイク『Nanban』(未/シャンカル監督)にも、ヒロイン役で出演した。同年、本作『バルフィ!人生に唄えば』でボリウッドデビューを果たすと批評家たちから絶賛され、フィルムフェア賞にて最優秀新人女優賞、最優秀助演女優賞など、数多くの賞を受賞した。
以後は、2013年に『Phata Poster Nikhla Hero』(未/ラージクマール・サントーシー監督)、2014年に『Main Tera Hero』(未/デヴィッド・ダワン監督)とボリウッド作品への出演が続き、人気女優として活躍している。
●アヌラーグ・バス(ANURAG BAZU)
初めはテレビ番組の演出を担当していたが、2003年、『Kucch To Hai』(未)で映画監督デビューを果たした。
その後、2004年の『Murder』(未) が製作費の7倍を稼ぐという大ヒットとなり注目されると、2006年の『Gangster』(未)でも興行的成功を収め、監督として鋭い感性の持ち主であることを証明した。
そして、2007年にも『Life in a …Metro』(未)で大ヒットを記録し、アメリカの映画芸術科学アカデミーの有名なマーガレット・ヘリックス・ライブラリーから選ばれて名誉ある所蔵となった。この『Life in a …Metro』では、作曲家プリータムを中心とするバンドが主人公たちと同じ画面に現れ、街角などで挿入歌を歌うという珍しい手法が取られていて、これが“インド映画初”として注目された。
2010年、『カイト(Kites)』(2011年・大阪アジアン映画祭クロージング作品)が60ヶ国以上で上映され、北米ボックスオフィスにて公開第1週の北米トップ10にランクインした。これは、インド映画として初めてのことである。
そして、本作『バルフィ!人生に唄えば』で成功を収め、2013年の第85回アカデミー賞外国語映画賞のインド公式代表作品に選出された。複雑な人間関係を描くのに定評があり、卓越したストーリテラーとして、また音楽面にも鋭い感性を持ち合わせたフィルムメーカーとして、過去十年以上に渡ってインド映画界の中核となっている。
映画の情報
最近では『きっと、うまくいく』や『スタンリーのお弁当箱』など、良質なインド映画が日本でも鑑賞出来る様になりました。今年だけでもインド映画が既に10本ほども公開されることが決定しており、新たなインド映画ブームが到来しつつあります。
特にこの作品は、インド映画には馴染みがない…という人たちに、是非とも観て頂きたい作品です!!
-終-
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