フラッシュ・モブ・ダンス(Flash mob dance)とは、フラッシュ・モブ(flash mob)においてダンスを主なパフォーマンスとするものです。ご存知の皆さんは何を今更と思われるでしょうが、筆者は、インターネットとSNSが生み出した(今のところ)人種や国境の壁を越えた、最もHAPPYな集団行動&表現のひとつだと感じています。
フラッシュ・モブ・ダンスとは
フラッシュ・モブとは、ネット上や口コミなどの呼びかけに集まった不特定多数の人々が、事前に申し合わせて一般の通行人や見物客を装って公共の場などに集まり、突如パフォーマンス(ダンスや演奏に限らない)を始めて周囲を驚かせて興味・関心を引き、その目的を達成すると何事も無かったかのように解散する行為です。
2003年5月にニューヨークのとある駅でバレエ・ダンスを集団で踊るという企画が実行され、これがフラッシュ・モブの最初とされており、その後、世界各地に広がりました。
ごく普通の姿の参加者(見かけでは参加者かどうかは分からない)が突然にダンスや演奏などのパフォーマンスを開始することで、参加者とその場に偶然に居合わせた人との区別が付き難く、また様々な場所から参加者が順次合流してくるため、ビックリしながらもパフォーマンスを見物している人々に大きな驚きと感動を与えます。参加へのハードルが低いものとして、誰にでも踊れるダンスなどの簡単なパフォーマンスの場合は、子供からお年寄りまで広く多くの人々が参加できますが、中にはプロ級のパフォーマーやアーティストが魅せるハイレベルなものもあります。
日本においても各地で開催されるようになってきていますが、クオリティ(ハッチャメチャ度合い?とダンスや演奏の質)が商用ベースのものを除くと、海外に比べるといまひとつかも知れません。もともとシャイな日本人ですが、殻を打ち破って鮮烈な自己主張を展開して欲しいと思います。
ちなみに、昨年(2013年)にリリースされたSMAPの50枚目の記念シングル「Joy!!」のミュージックビデオでは、フラッシュ・モブ・ダンスが演出として使用されました。
またインパクトのある映像が創れるためか海外ではコマーシャルにも多用されており、携帯電話会社 T-モバイルの企業広告シリーズ「The T-Mobile Dance」(←スゴイレベルです)などは有名です。
そんなフラッシュ・モブの中でも、筆者のお気に入りでカッコいい作品をご紹介します。
【ベルギーのアンテロープでの映像】
駅の構内で大勢でサウンド・オブ・ミュージック(「ドレミの歌」)を踊るフラッシュ・モブ・ダンスです。子供たちから、大人までたくさんの人が次々に参加してくるところは迫力があります。
↓『Historic flashmob in Antwerp train station, do re mi』より 提供:The Ad Show
【スウェーデンのストックホルムでの映像】
マイケル・ジャクソンの「ビート・イット(Beat It)」を踊るフラッシュ・モブ・ダンスです。突然鳴りだすイントロにビックリしながら、居合わせた人々はマイケルの世界に引き込まれていきます。それにしてもこの曲はフラッシュ・モブ・ダンスに向いていると思いませんか?
★本動画の配信は、配信元の著作権上の問題で停止されました。
【アメリカのデンバーでの映像】
デンバー空港でのパフォーマンスです。スイングJazzなどの昔懐かしい楽曲がカッコいいですネ。飛行機の爆音が鳴るたびに参加者が増える演出もGoodだけれど、それにしても参加者の皆さん、ダンスが巧いこと!!
↓『Denver Airport Holiday Flash Mob』より 提供:DenversAirport
【インドのムンバイでの映像】
インドって国はフラッシュ・モブ・ダンスにぴったりですよネ。だってインド映画(ほとんどがミュージカルみたいですが・・・そうでしょ?)の内容は、全編フラッシュ・モブ・ダンスを繋げたみたいですモン。
↓『Flash Mob Mumbai – CST Official Video』より 提供:Shonan Kothari
【スペインのバルセロナ:サバデイでの映像】
少女の募金をきっかけにコントラバスの男性が演奏を始め、その後次々と楽器演奏者が加わって、最後には大オーケストラになります。そしてまさかの合唱付き(でもこの曲には絶対合唱が必要ですよネ)でフィナーレへ!! ちなみに、このフラッシュ・モブは、「Banco Sabadell」という銀行の創立130周年記念の企業PVだそうですです。
↓『Som Sabadell flashmob – BANCO SABADELL』より 提供:Banco Sabadell
【デンマークのコペンハーゲンでの映像】
クラシックの演奏モノが続きますが、地下鉄内で行われたフラッシュ・モブ。狭い空間での演奏、これって一歩間違えれば大迷惑ですが、穏やかなクラシック演奏が耳に心地よい。それもそのハズ、演奏はコペンハーゲン・フィルハーモニーなんです!!
↓『Flash mob in the Copenhagen Metro. Copenhagen Phil playing Peer Gynt.』より
フラッシュ・モブ・ダンス&演奏は、つい今しがたまで自分の周りにいた普通の人、例えば頭の薄いオヤジとか、杖をついているお婆ちゃんとか、直前まで泣いていた小さな女の子などが突然参加して踊りだしたり演奏する様(さま)が、サプライズで面白いのです。しまいには参加者ではない「ヤジ馬さん」が見よう見真似で飛び入りしたりもします。
日本人は苦手かも知れないと書きましたが、まぁ、即興の盆踊りみたいなものと考えれば誰でも結構参加出来るのではないでしょうか??・・・そんな気がします!!
では、また面白い映像を見かけましたら、ご紹介します。
-終-
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