【連載講座】第1回:就職/転職志望動機を固めよう 〈906TFU30〉

memo記事だす!をご覧の皆さん、はじめまして。このコーナーでは就職・転職を考えている方に、採用から労務管理まで人事ひとすじ25年の「キャリア研究家」こと私が、わかりやすく対策講座を連載していきます。それでは早速、第1回を始めます。

 

いま就職・転職活動をしている方々は、どのような心境で臨んでいますか?

労働局壁 明るく、希望をもって活動していますか?悲壮感が漂う応募者は、面接でうまくいきません。元気をだせるように、一緒に考えていきましょう。このコーナーでは人事25年のキャリアを持つ私が、志望動機を固めるところから会社に入ったあとの心構えまで、一連の流れを毎回、お届けします。その節目節目で、どのような心構えで向かったらいいのか。どんなことに気をつけたほうがいいのか。整備しながら綴っていきたいと思います。
何度も選考でふるい落とされる人は、諦めとも開き直りともいえるような独特な雰囲気が醸し出されていきます。ふだんの表情や話し方だけでなく、メールや応募書類にも影響が出ています。
そんな状態で活動を続けていても、いい結果は出ません。
もう一度、活動の原点にもどりましょう。

なかなか仕事に就けない方。
ハローワークに行って番号札をもらって、パソコンで閲覧しても、もろくな求人がない。ネットから就職・転職サイトにエントリーしても返事も来ない。紹介会社や派遣会社に登録したけど、音も沙汰もない。
お気持ち、察します。私自身も転職を何回か経験しているので、仕事を探している方々の気持ちがよーくわかります。私が活動していた時も、応募先から郵送されてきた封筒の中身も不合格の返事ばかりが続いた事もあります。薄い封筒をあけたら、「今回はご期待に沿えませんでした。どうぞ、ご自愛ください。」と、殆ど同じようなNGの文面・・・。私はもしかして世の中から、必要とされてないんじゃないか。自分の知識も経験も、さっぱり役にたたないのではないか。そんな日々を送る毎日もありました。家族にも誰にも言えず、悶々としてしまいました。

通勤風景働くって何でしょう。様々な理由はあるにしても、生活を支えることはもちろん、自分の存在が社会の中で何かの役に立っていることを感じ、自分の心の安定を得るためにも、働くことはとても大事なことです。心も生活も安定した日々を送れるように、働く喜びに向かって一緒に学んでいきましょう。

今回のお話は就職の第一歩、「志望動機の固め方」です。

まずはあなたがその会社を選んだ動機を振り返りましょう。あなたは、なぜその会社に行きたいと思ったのか。この時点では、あまり格好よくまとめようと思わずに、「きっかけ」となったものや、出来事でいいのです。

大切なのは、あなたを動かしたものは”何か”なのです。親兄弟でも、あなたの心の中までみえるはずはありません。あなただけが、知る事実なのです。

感じたのは「あなた」です。そこに「動機」があったのです。例えば

・子供の頃から、その会社の商品のファンだったから。

・会社説明会を聞いて、受けてみようと思ったから。

・募集要項の中に、自分のやりたいことが書いてあったから。

そんな動機で十分です。極端に言ってしまえば、この段階では「なんとなく面白そうだから」でもいいかもしれません。大切なのは、なんとなくでも「面白そう」と感じた事実です。そのことを記憶だけでなく、記録しましょう。

メモでもいいので、文字におこしてみましょう。思い当たる事は、書き留めておきましょう。その会社の商品の、ここがよかった。会社説明会のどこが良かった。募集要項のどこに何が書いてあった。ここまで、まずはまとめておきましょう。ただ、この時にメモしたものを、そのまま「志望動機」の欄に書いてはいけません。この先に大事な作業があります。それは、

(動機と理由を結びつける)

ことです。志望動機となったきっかけを整理できました。ところが、その次です。いざ、応募してみようと思った時になんて書いていいか、わからない。志望動機が書けない。文字にしたら、2、3行で終わってしまう。
この部分で詰まる人が非常に多いのです。就職活動の学生から60歳近いベテランの方々まで。私のところに一番多く寄せられる相談も、「志望動機がうまく書けない。」というものです。

履歴書中には面倒くさいので、転職サイトの「記入例」やネットで検索した「志望動機の見本」あたりから文章を引っ張ってきて、そのまま貼り付けてしまう方もいます。しかし、なんとかその場はしのいでも、面接でボロが出ます。
採用担当者は、そこを見ます。「自分の意思で考えたのではないのだな。」と見透かされます。話に説得力がなく、「なぜこの会社を選んだのか」を知りたい企業と、「この会社に入ったら何をしたいのか」を伝えるべき応募者の話が噛み合いません。これでは、応募してもうまく行く訳はないですよね。

私も採用選考側で首を傾げるような志望動機をいくつか見てきました。いくつか例をあげてみます。
「**業界が好きで、自分がこの会社にあっていると思い、応募しました。」
本人は合っていると思ったかもしれませんが、こちらは推測のしようもありません。勝手に決めないでください。
「大学で経済学を専攻していました。御社の中でその知識を生かして頑張ります。」
経済学を生かす企業は、他にもたくさんあります。なぜ、当社を選んだのでしょう。理由を聞かせてください。

ハロワ志望動機は、あくまでもあなただけのものです。他の人達と内容が違っていて、当たり前なのです。「これが100点をとれる志望動機の書き方だ」などというものは、あるはずがないのです。

しかしながら、闇雲に書けばいいというものではありません。自分がこころ動かされた事柄を、動機にまとめあげていく一定の「ルール」を覚えてしまえば、どんな業界でも、転職でも初めての就職でも怖いものなしです。応用すれば、面接にも威力を発揮します。次回以降、順次お伝えしていきましょう。

 

文字数の関係もあり、今回の案内はここまでです。マニュアル本や就職/転職サイトでは得られない、採用担当者の裏話もお伝えしていければと思います。次回以降も、お楽しみに。