「ライトノベル」という言葉が定着してきたのは何時頃からでしょうか?
言葉自体が生まれたのは1990年代の前半だといいますが、世間一般で使われだしたのは、たぶん2000年前後のことだろうと思います。
そんなライトノベルの、売上Top10を紹介しましょう!!
今回の【ちょこっとニュ~ス♪】は、組合員5号ゴロニャンの親友、ファンタジー小説とスイーツが大好き、温泉ファンでもある、ちょこっとニュ~ス配信組合員9号のキューちゃんがお送りします。
「ラノベ」とは
昔懐かしい、朝日ソノラマ文庫や集英社コバルト文庫といった、青少年向け(SF・ホラー・ファンタジー・恋愛もの等)の“軽い”小説のことを何時しか、ライトノベルというようになったのだと思います。「ライトノベル」は、英語のLight とNovel を組み合わせた造語で、略語としては「ラノベ」とか「ライノベ」と言われています。少々、調べてみましたが、その由来や定義は様々であるので、敢えてここでは省略させてください。
私の記憶というか印象では、どちらの文庫も70年代後半に『宇宙戦艦ヤマト』ものに代表されるノヴェライズでブレイクした様なイメージが強いですネ。その後は、逆にラノベを原作とした漫画やアニメ、ゲームなども沢山、世の中に送り出されてきましたが・・・。そして特徴としては若年層を意識して、表紙がアニメ調のイラストで、挿絵がふんだんに挿入されているものが多かったと思います。また、価格も比較的安価でした。
しかし最近、書店でラノベ売場を覗いてみると、表紙絵などのトーンは変わりませんが、ハードカバーで刊行されているものもあるし、必ずしも文庫本とは限らないみたいで、新書版や四六判ソフトカバーなどのものも多く見られます。
またその読者層は広がりを見せ、30代後半から40代前半の大人世代も多くの人たちが購入している模様です。80年代、90年代の少年少女期にライトノベルに慣れ親しんだ人たちが、そのまま大人になっても引き続きラノベを愛読しているみたいですネ。所謂、継続読者による購買層の引上げ効果・高齢化現象でしょう。
近年ではラノベ出身の作家から、一般の作品に転進する小説家も多く、直木賞作家も出てきました。逆の本格小説の世界からラノベ業界への参戦も見受けられます。
「ラノベ」売り上げランキング
それでは、都内の大型書店「書泉ブックタワー」(東京都千代田区)の先月(9月)のライトノベル売り上げランキングをご紹介しましょう。
第1位は、佐島勤さんの『魔法科高校の劣等生』(電撃文庫)14巻でした。第2位は、西尾維新さんの『続・終物語』(講談社BOX)がランクイン。第3位には、三雲岳斗さんの『ストライク・ザ・ブラッド』11巻(電撃文庫)が入りました。
第4位以下は下記にて、ご確認ください。
書泉ブックタワー 9月のラノベランキング(9月1~30日)
第1位 『魔法科高校の劣等生』14巻(電撃文庫)
『魔法科高校の劣等生(The Irregular at Magic High School)』は、佐島勤さんによる、架空の未来での魔法を学ぶ学校を舞台とした学園ものバトルアクション小説です。イラストはキャラクター担当の石田可奈さんの他、メカニックデザインをジミー・ストーンさん、カラーコーディネートを末永康子さんが担当しています。
この物語の「魔法」とは、先天的な超能力保持者が、科学的に教育・訓練を受けることで体系的に会得していくものですが、こうした魔法を操れる魔法師養成のための学校が全国に複数あり、「国立魔法大学付属第一高校」もその一つなのです。
その学校に入学した主人公の落ちこぼれな兄:達也と、エリートの妹:深雪とその仲間たちの活躍を、当初は、種々のイベントや他校との交流行事(魔法競技会や魔法論文コンテストなど)を通して描いていきますが、やがて主人公たちは、魔法師どうしのより大きな権力闘争などに巻き込まれていきます・・・。
尚、本年(2014年)4月から9月まで、小野学監督のテレビアニメが放映されました。
第2位 『続・終物語』(講談社BOX)
『続・終物語』は、西尾維新さんによる青少年向け怪異小説? です。〈物語〉シリーズの18巻目として講談社BOXレーベルから2014年9月17日に刊行されました。またイラストはVOFANさんが担当しています。
本書は、現代の怪異を描いた『化物語』のその後を舞台とした〈物語〉シリーズの外伝的な最終巻で、前作の主人公で高校生の阿良々木暦(あららぎこよみ)が、鏡の中のすべてが反転した世界から、元の世界に戻るべく奔走するストーリーです。
尚、本書の巻末にて〈物語〉シリーズのネクストシーズン」として、『接物語』(ツギモノガタリ)が予告されています。
第3位 『ストライク・ザ・ブラッド』11巻(電撃文庫)
『ストライク・ザ・ブラッド(STRIKE THE BLOOD)』は、三雲岳斗さんによる学園アクションファンタジーです。イラストはマニャ子さんが担当。
本書は、世界最強の吸血鬼が、仲間とともに常夏の人工島・絃神島で繰り広げる学園アクションファンタジーです。
日本に出現した伝説の(新米)吸血鬼である高校生・暁古城、そして彼を監視・抹殺するために政府の獅子王機関に選ばれたのが見習い「剣巫」の姫柊雪菜でしたが・・・。
尚、2013年10月より翌年3月までテレビアニメ化され放送されました。
第4位 『はたらく魔王さま!』0巻(電撃文庫)
『はたらく魔王さま!』は、和ヶ原聡司さんによるコメディ・ファンタジーで、イラストは029さんが担当しています。キャッチコピーは「フリーター魔王さまが繰り広げる庶民派ファンタジー」とのこと。
魔王サタンとその家来が、魔力を使えない現代の日本にワープ。東京・笹塚にある六畳一間風呂無しのアパートで、アルバイトをしながら、地道に日本征服を企む物語。そして、魔王を追って勇者やその他の色々な人物が異界から東京にやって来るのですが・・・。
但し本書は本編ではなく、エピソード・ゼロとして後の魔王サタンである少年悪魔サタンがこれも後の家臣ルシフェルと出会う物語や、勇者エミリアが仲間と旅をしていた時代の書き下ろし短編、及び魔王達が笹塚に来たばかりの年末年始を描いた短編等を収録したものです。
2013年4月から同年6月まで、テレビアニメが放送されました。
第5位 『カンピオーネ!』17巻(集英社スーパーダッシュ文庫)
『カンピオーネ!』は丈月城さんによる作品で、イラストはシコルスキーさんが担当しました。電子書籍アワード2013のライトノベル部門において第1位を獲得。
「カンピオーネ」と呼ばれる魔術師の王として、地上に災厄をもたらす悪逆な神々などと戦う高校生、草薙護堂を主人公とした物語です。仲間の少女達、エリカ・祐理・リリアナ・恵那とともに、やがて護堂は『最後の王』と呼ばれる謎の存在に迫っていきます・・・。
尚、本作は2012年7月から9月にかけて、テレビアニメ化され放送されました。
第6位 『異世界チート魔術師』3巻(ヒーロー文庫)
『異世界チート魔術師』は内田健さんの作品で、イラストはNardackさんが担当。「小説家になろう」で人気を博した異世界ファンタジー小説を書籍用に大幅改稿したものです。
異世界に転移した平凡な高校生・太一と凛は最強の力を身に着けていました。その剣と魔法の世界では、彼らはとてつもないチートな魔力と圧倒的な身体能力を有していたのです。
元は普通の高校生が、異世界で暗殺者集団や魔物たちと戦う冒険譚を描くストーリーです。
また、多くの読者から表紙や挿絵等のイラストが高く評価されている作品です。
第7位 『デート・ア・ライブ』11巻(富士見ファンタジア文庫)
『デート・ア・ライブ(DATE A LIVE)』は橘公司さんによる作品で、イラストはつなこさんが担当しています。略称は「デアラ」もしくは「デート」。
強大な力を持つ精霊の少女たちと、ごく普通の高校生・五河士道の出会いを描いた物語。人間界に災厄をもたらす精霊と交流して精霊を鎮めることのできる能力を持つ士道だが、その方法は精霊とデートをして、デレさせる!?というものでした・・・。やがて士道は自らの出自、更には精霊というものの存在理由、そしてそれを取り巻く陰謀などを解明していきます。
尚、本作は改変“折紙(作中の人物)”編とでもいうべき内容です。
第8位 『ログ・ホライズン』8巻(エンターブレイン)
『ログ・ホライズン(LOG HORIZON)』は橙乃ままれさんによるゲームの世界を舞台としたファンタジー小説で、イラストはハラカズヒロさん、モンスターデザインは橋本モチチさんが担当しています。
架空のオンラインゲーム『エルダー・テイル』の世界に閉じ込められてしまった主人公・シロエらが、異邦人の冒険者として「アキバ」の街を中心にサバイバルを繰り広げるというストーリーです。
テレビアニメの第1シリーズは2013年10月~2014年3月に放送され、第2シリーズは10月4日から放送が開始されたところです。
第9位 『異世界居酒屋「のぶ」』(宝島社)
『異世界居酒屋「のぶ」』は蝉川夏哉さんの作品で、イラストは転さんが担当しています。
「小説家になろう」で連載中の作品に、加筆修正して書き下ろしも補足して書籍化されました。
何故か、異世界にある中世風の古都(アイテーリア)の路地裏に繋がってしまった現代の居酒屋「のぶ」を舞台に、店主(のぶゆき)と従業員(しのぶ)、旨い酒と美味しい料理、そして個性的な客たちが織り成す、ほのぼのとしたグルメ・ファンタジー。
ただでさえ強烈な“飯テロ”物語ですが、更に素晴らしいイラストに食欲をそそられます。
第10位 『未踏召喚://ブラッドサイン』(電撃文庫)
『未踏召喚://ブラッドサイン』は鎌池和馬さんの作品で、イラストは依河和希さんが担当しています。
本書は、最強の少年召喚師『不殺王』・城山恭介が、双子の姉を救いたいと願う巫女・冥乃河彼岸を救うべく颯爽と力を貸して絶対強者と戦うというヒロイック・ファンタジーの王道ストーリーですが、多くのヒロインが登場するラブコメ的要素もたっぷりの物語。
また、この作品も科学と召喚術がなんの違和感もなく両立している世界が舞台となっています。この辺がラノベのひとつのベクトルの様ですネ。
以上、最新Top10をご紹介しました。ラノベが好きな読者の皆さん、是非、参考にして下さい!!
-終-
【おまけ:ラノベ初心者の方へ】
ラノベはどうしてもシリーズものが多く、途中から読んでも解かり難いという問題があります。こればかりはどうしようもなく、気に入った作品は丹念に1巻から読み続けるしかないでしょうネ。まぁ、そこは漫画と同じです。
また、表紙のイラストは物凄く重要で、新作シリーズなどの場合、この表紙絵の印象で買う買わないを決める人は大変多いと聞きますが、私も右(あれ、この場合左かな)に同じです。
ネット上で公開されているものを先に読んでから、後に書籍化されたものを書店で買う人も多い様です。未体験の方、一度、試してみてください。
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