ヘルメスが口秘により伝授した教えは「キバリオン(The Kybalion)」と呼ばれ、7つの原理(The Seven Hermetic Principles)から構成されています。今回からこのキバリオンと、ヘルメスの7つの原理について解説して行きます。
キバリオンは、米国の法律家であり思想家のウィリアム・アトキンソン(William W Atkinson, 1862-1932)により、スリー・イニシエイツ(Three Initiates)名義で1907年に初めて出版されました。
現在では日本語の書籍もいくつか出版されていますが、翻訳物の著作権に配慮しそれらの引用は行いません。一方、アトキンソンの原典はパブリック・ドメイン(公有物)として提供されていますので、原典を自分で翻訳し解説することは、著作権の侵害に当たりません。これから紹介するキバリオンは、アトキンソンの原典を私なりに解釈、翻訳し、解説を加えたものです。
キバリオンで使われている英語は古く、かつ抽象度が高いために、意味が釈然としない箇所も少なくありません。できるだけ原典を損なわないよう努めますが、あくまでも私的解釈であることをご了承ください。
キバリオンの冒頭には、こう書かれています。
「知恵の唇は、理解される耳にだけ開かれる」。
受け入れる準備がなければ、理解できないことを意味します。内容に興味が持てる方には、多くの気づきが得られることでしょう。
1.Mentalism 唯心論(思考の原理)
2.Correspondence 照応の原理
3.Vibration 振動の原理
4.Polarity 極性の原理
5.Rhythm リズムの原理
6.Cause and Effect 原因と結果の原理
7.Gender 両性の原理
の7つです。
如何でしょうか。初めて目にする方でも、中身の想像が付くものと、付かないものがあるのではないでしょうか。
それぞれの原理についての解説の前に、キバリオン原典のイントロダクションから入って行きましょう。
【イントロダクション】
私たちはヘルメス哲学に基づくこの文書を、秘密の原理を学ぶ皆さんに提供できることをうれしく思います。
これまで、神秘学の教えの中で数えきれないほど触れられてきたのにも関わらず、ヘルメスの原理について書かれたものはごくわずかです。この文書が多くの研究者に歓迎されることに、疑いはありません。
この文書の目的は、特別な哲学や神秘学を言明することではありません。互いに矛盾しあうように見えるため初心者が学習の意欲を失なったり、落胆や嫌悪を感じてしまいがちな神秘学に対して、真理を授け調和をもたらすことにあります。
私たちの意図は、新しい知識の神殿を建てることではありません。すでに正門から神殿に入っている者に、これから開けるべき多くの内扉のマスター・キーを手渡すことです。
神秘学において、ヘルメスの教えほど密接に守られてきたものはありません。それは人類の黎明期、古代エジプトに生きた偉大な創始者、神々の書記であるヘルメス・トリスメギストスの時代から、数千年にわたり私たち伝えられてきたものです。
老賢者エイブラハムと同時代に生き、伝説が真実であればその師とされるヘルメスは、神秘学の中心に輝く太陽のような存在であり、その光で数えきれないほどの教えを照らしてきました。
すべての基本的な原理、深遠な教えは、ヘルメスまで遡ることができます。インド最古の教義でさえ、疑いなくそのルーツはヘルメスの教えに辿れるのです。
ガンジスの地から、たくさんの先駆的な神秘主義者がエジプトの地まで流浪し、ヘルメスに師事しました。そして異なる見解を調和させるマスター・キーを手にし、密教を確立したのです。
他の土地から訪れ学んだ者は皆、ヘルメスをマスターの中のマスターであると見なしました。その影響力は非常に大きく、何世紀もの間に分岐して行った各地の多様な教義の中に、今日でさえ基本的な一致が見られるほどです。
宗教の比較研究を学ぶ人は、それが廃れているか、よく知られているかに関わらず、全ての宗教の中にヘルメス哲学の影響を読み取ることができるでしょう。互いに矛盾しあう特徴の中にも常に共通項があり、ヘルメスの教えがそれらに調和をもたらす役を担っているのです。
(次回に続きます。)
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