領収書の保管・管理は大変ですよネ。サラリーマンの方もそうでしょうけど、自営業だと尚更、面倒です。
よくやる方法は、紙の台紙に日付や項目毎に貼り付けて綴って保管するやり方ですが、領収書は大きさや形も千差万別ですから、かさばること半端じゃありません。手間もかかるし場所もとる、これってコストに大きく跳ね返っていますよネ。
長年そんな状態が続いてきましたが、そこに、ようやく朗報が・・・。
本日(11月5日)の日本経済新聞によると、政府は領収書や契約書の原紙・原本について原則として7年間は保管するように義務付けた財務省令を、2015年には改正する方針といいます。
現在、3万円以上のものは紙の原紙のまま保管するように定められていますが、スキャナーで読み取って画像データとして保管すれば原紙・原本を破棄出来ることにするそうです。
従来から3万円未満の場合は電子保管が認められていましたが、実際には、わざわざ3万円以上のものと分けて処理するのは大変面倒であり、結果としては全ての書類を原紙のまま保管している企業が大半のようです。
既に米国や韓国などの海外では税務関連の書類の電子保管を広く認めており、我国でも、ようやくこの規制の撤廃に踏み出すことになった、と日経新聞は報じています。
但し、諸外国と異なり我国が領収書等の書類の保管に関して厳しいのは、制度の違いに原因があるようです。
海外では、脱税などの疑惑に関して企業の側に無実を立証する責任を課す場合が多いそうですが、日本では税務当局側に企業の脱税を立証する責任を課しているのだそうです。この為、法律(省令)は証拠となる書類について偽造や改ざんの難しい原紙・原本の保管を命じてきたのです。
財務省はこの様な制度の違いを理由に、原紙・原本の保管にこだわってきたといえますが、今回、規制の緩和に踏み切る一方で、不正が横行しないように注力したい、との考えです。
つまり、デジタル化された画像データは比較的簡単に加工・修正できるため、捏造や改ざんがし易いとされています。そこで財務省は、内部統制の方法などを細かく定めたり社内のチェック体制の整備など促進することを電子保管の要件とするようです。
領収書や契約書については、受領後に速やかにスキャンし、読み取り作業の日時も記録することなどを求め、また画像データは現在の原紙の領収書などと同様に7年間の保存を義務付けるとしています。
大量の領収書や契約書の保管は大変な作業でコストも膨大であり、特に大企業は倉庫代金や運搬料金などの保管コストの大幅な削減に繋がると、大歓迎でしょう。
日経新聞によると、経団連の試算では国内企業が領収書や契約書などの税務書類を保管するコストは合計で年間約3千億円にものぼり、これらの保管コストをペーパーレス化すれば、企業にとっては法人税の実効税率を約0.6%下げるのと同等のコスト削減効果を見込めるとしています。
領収書や契約書などのデジタル化・電子保管の動きが広がれば、他分野でも、今以上に書類などのデジタル化や電子保存に弾みがつくのではないでしょうか・・・。
この分野では他国より遅れているとされる我国ですが、少しづつ前進出来ればと期待します。
そして何よりも、日々の事務処理の効率化や期末の税務対策の作業が楽になり、大変ありがたい改革だと思います!!
-終-
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