子供の頃、SF小説や漫画にレーザー兵器が登場すると、カッコイイけれどもこれって嘘でしょ、こんなの実現できないテクノロジーなんだろうな、と思っていた。ところが、どうもそうではなくて、米海軍では既に実用に漕ぎ着けていたんだネ、これは凄いなぁ!!
米海軍は、昨年(2014年)10月に新型のレーザー兵器『Laser Weapon System(LaWS)』の発射実験を実施した。その発射実験に関するムービーが公開されたので、ご紹介する。
↓『Laser Weapon System (LaWS)』より 提供:usnavyresearch
上記ムービーは、レーザー兵器『Laser Weapon System (LaWS)』を搭載した揚陸輸送艦の中東ペルシャ湾での運用中の姿であり、これまでに海上で行ったレーザー兵器の実験の様子である。映像の中では、射手である兵士がテレビゲームで用いられる様なコントローラーを操作して、レーザーを照射することで、海上を航行中の小型船舶を攻撃したり、飛行している無人機を撃墜したりしている。
このムービーに登場するレーザー兵器は、出力30キロワット程度の為、大型の標的を破壊する能力は無いとされるが、米海軍はより攻撃力の大きいレーザー兵器の開発も推進し、大型の航空機や対艦ミサイルの撃墜も目指している様だ。但し、当面の技術では、高速度・高機動で飛翔する物体へのレーザー照射の継続は困難であり難しいともされている。
米海軍は今後、自衛の為にこのレーザー兵器を実戦で使用する可能性もあるとしているが、その際の攻撃対象は、ペルシャ湾内で敵対している国やテロ組織の小型高速戦闘艇などによる襲撃を想定しているものとみられる。
ところで、レーザー兵器の開発・実用化、そして実戦配備の目的は、なんと言ってもコストの低減が一番とされている。
従来のミサイル弾が1発当たり数十万ドルはかかるのに対して、レーザー兵器であれば1回0.59ドル程度であり、(超がつく程の)大幅な経費の削減となるからだ。また当然、他の通常兵器(銃・砲)よりも安価に使用が可能なのだ。
そこで米海軍では、このところの大幅な国防費の削減を受けてレーザー兵器への期待は大きく、2020年代の初頭にはこのLaWSを多くの艦艇へ実戦配備したいと発表している。
これまでの艦艇用の近接防御火器システム(CIWS)といえば、上記のムービーにもちらりと見える20mmガトリング砲と自動追尾レーダーを組合せたファランクス(Phalanx)が有名だが、今後はLaWSの改良配備が進むのだろうか…。
無人攻撃機といい、過度なゲーム感覚の操作・操縦法には一抹の不安が残るが、まさしく兵器運用は次世代、本当に凄い時代になってきたと思う。
-終-
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