東日本大震災以降、不通が続いている岩手県のJR山田線(宮古~釜石間の55.4km)が、地元の第三セクターである三陸鉄道(三鉄、本社・同県宮古市)に移管されることになりました・・・。
岩手県太平洋側の沿岸地区を走るJR山田線の宮古駅~釜石駅間(55.4km)の区間が、県と沿線の12市町村がJR東日本の提示した移管案を受け入れることで、地元の第三セクターである三陸鉄道へ移管されることが決まりました。
移管に当たり、JR東日本は当初、赤字の補填金額として5億円の拠出を提示していましたが、受け入れ側自治体と三陸鉄道側はそれでは安定した経営が困難だとして難色を示し、増額を要求していました。
そこで補填金額について、JR東日本が改めて30億円とする方針を提示したことにより、三陸鉄道側は移管を受け入れることになりました。
JR東日本は、震災時の津波等で破壊された駅舎や線路等を、約210億円をかけて復旧させた上で移管することになっており、このうち約70億円は国の復興交付金が充てられます。
またJR東日本は、全路線の90%以上を高規格レールとコンクリート枕木に交換すると共に、車両の無償譲渡や三陸鉄道の社員教育への人的支援も実施すると表明しています。
この移管により、既に運転が再開している北リアス線と南リアス線が直接繋がり、三陸鉄道は総延長が163kmとなります。
しかしこの区間は震災当時としても被害が大きく、また被災後4年近くも経過していて損傷が進んでおり、現状では復旧工事のメドも立っていません。その為、運転の再開時期は未定であり、現在は代替バスが運行されています。
三陸鉄道は、2013年放映のNHKの連続テレビ小説『あまちゃん』に登場した鉄道のモデルとして、全国的に有名になりました。 東日本大震災で被災しましたが、本年(2014年)4月には全線で運転を再開しています。
一方、山田線はJR東日本の管内でもワースト3の赤字路線。こちらも被災の結果寸断され運行を停止、以降、存続が危ぶまれていましたが、いよいよ三陸鉄道に統合されて再開に向けて動き出すことになりました。
まだまだ課題は多い様ですが、是非、復興の後押しになればと期待しています!!
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