謹賀新年。今年初の記事は、1月2日の一般参賀をお届けする。今年の一般参賀の話題は、成年皇族となった秋篠宮家の二女・佳子さまが初めてお出ましになられることだ。筆者にとって4年ぶりの一般参賀。レポートでお届けする。
今年の一般参賀は5回。私は11時50分の回を目指して皇居に向かった。東京メトロ桜田門の駅を降りて、桜田門をくぐる。堀端には有楽町方面から長い人の列。観光バスで乗り付け、ガイドの旗に先導される団体、外国人の姿も目立つ。そして長いボディチェックの列。ここだけで20分程度並んだ。途中、ボーイスカウトの子どもから旗をもらい、さらに並ぶ。
まずはカバンや持ち物のチェック。誰もが鞄を開け、中身を見せるのだ。特に金属やペットボトルを持った人は注意を受けている。さらに大きな荷物は、いったん預けることになっている。やっと抜けると、次はボディチェック。金属探知機で体の前後を探る。厳重なこの二重のチェックを抜けると、入場の列に並ぶ。ロープで仕切られて、四列横隊で、10列の長い列。そこでも約20分待ち。やっと列が動き出すと、大手門方面からの長い列と合流。ゆるゆると大きな列になり、二重橋を渡る。
橋の上では写真をとる人が多く、警察から再三、立ち止まらないように注意が流れる。伏見櫓を左に見て、上り坂。そして、ついに長和殿前の広場に。お出ましになる40分前で、前のお出ましを終えて帰る人と入る人でごった返している。特に列を誘導されることなく、人の波に押されて、選択の余地もなく、バルコニーを見てやや左の位置で止まった。人、人、人で身長175センチの私でもよく見えないのだから、子供や老人は全く何も見えないだろう。バルコニーがもう少し高い位置にあるといいのにと勝手なことを考えてしまう。
11時50分、いよいよ長和殿のバルコニー後ろの襖が開き、皇族方のお出ましだ。一斉に日の丸の旗が振られる。女性皇族方の鮮やかな衣装が際立つ。ひとしきり旗が振られた後、天皇陛下のお言葉。群衆が静まる。
「厳しい寒さながら、穏やかな天候のもと、新しい年を皆さんとともに祝うことを誠に喜ばしく思います。本年が国民ひとりびとりにとり、少しでもよい年となるよう願っています。年頭にあたり、わが国と世界の人々の安寧と幸せを祈ります。」と呼びかけられた。再び一斉に旗が振られる。群衆の後方に陣取った方々から「天皇陛下、万歳!」の歓呼が何度も湧き上がる。10分ほどで一般参賀は終了し、再び人の波と共に、坂下門に押し流された。混乱も、騒動もなく、至って静かに参賀は終了した。富士見櫓や、坂下門などを背景に満足したように写真を撮る人々。次の回に向けて、並ぶ人々を脇目に、充実したような、満足したような感情で皇居を後にした。
昨日の寒さや、雪が舞うような天候が嘘のように、陽が降り注いだ。今回の一般参賀には8万1000人を超える人々が来たという。平成に入って三番目の多さだそうだ。皇室の方々と、そして同じ目的で集まった人々と共に新年を祝う。何か特別なものがあるのではないか、筆者はあらためてそう思った。
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