皆さん、ご存知かも知れませんが、漫画『8マン』の原作は実は平井和正さんだったんですね。
個人的には、漫画家石森章太郎先生との共作『幻魔大戦(げんまたいせん)』も懐かしいですが、『ウルフガイ』シリーズが特に好きでした。
平井さんは、劇画調の超能力者が活躍する作品が多いSF作家でした…。
SF作家で小説家の平井和正(ひらい かずまさ)さんが今月(1月)17日に、神奈川県鎌倉市内の病院で死去されました。死因は急性心不全で、享年76歳とのことです。
葬儀は家族葬として営まれ、後日に「お別れの会」が開催される予定です。
平井さんは、1938年(昭和13年)の5月13日に神奈川県横須賀市に生まれ、神奈川県立横須賀工業高校を経て中央大学法学部を卒業されました。
日本のSF界の草分け的作家の一人であり、大学在学中の1961年に、『殺人地帯』がSFマガジン第1回コンテスト奨励賞を受賞して、作家デビューを果たします。その後、1963年には原作を担当した漫画『8マン』が、TVアニメ化され大ヒットとなります。
以降、多くのSF小説を発表していきますが、1967年には漫画家の石森章太郎さんとタッグを組んだ「週刊少年マガジン」連載の漫画『幻魔大戦』の原作を担当して一躍人気を獲得します。またこの作品は1983年には大友克洋さんがキャラクターデザインを担当してアニメ映画化され上映されました。
小説作品としては、『新幻魔大戦』(1971年~)や小説版『幻魔大戦』シリーズ(1979年~)、『狼の紋章』(1971年)から始まる『ウルフガイ』(小説版)及び『犬神明』シリーズなどが代表的な著作です。特に小説版の『幻魔大戦』シリーズは、総計2,000万部を超える大ベストセラーになりました。
現在のライトノベル(ラノベ)スタイルの作品を発表した小説家の先駆者であると共に、PCやネット活用にも知見の深かった平井さんの『ボヘミアンガラス・ストリート』は、日本でもごく初期のオンライン小説として話題を呼びました。
平井さんは大変多くの作品を残されていますが、筆者にとっては1969年に発表された長編第2作『アンドロイドお雪』や、1971年の『サイボーグ・ブルース』などが記憶に残っており、アンドロイドやサイボーグが主人公のSF小説を確立した作家の先駆けでした。
独特な世界観の中で、魅力的なキャラ設定の超能力者や奇想天外なモンスターが数多く登場する平井さんの劇画的な作品は、後輩世代の多くの日本のSF作家に影響を与えたとされています…。《Rip.》
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