地方路線で大活躍してきたキハ40系の気動車も、寄る年波には敵いません。
この老朽化が進んだ中核気動車に関して、この度、JR北海道は20年ぶりに新型車両の開発に乗り出すことにしました。JR東日本と共同で開発し、2019年度にも道内に投入する予定だそうです。
旧国鉄時代から30年以上にわたり北海道内のローカル線を走ってきたキハ40系気動車の老朽化が進み、JR北海道は新型車両を開発して後継投入することになりました。
現在でも、JR北海道は凡そ140両ほどを保有していますが、そのいずれもが製造から30数年を経て確実に老朽化が目立ってきています。
そこで開発を予定している新型車両は、冷房設備の増強やバリアフリー化を促進する他、装置落下などのトラブルを回避するために駆動システムを電気式に変更するそうです。
キハ40系気動車は、1977年から1982年にかけて日本国有鉄道(国鉄)が製造した一般形気動車で、国鉄の車両称号規程に則った制式の系列呼称ではありませんが、キハ40形(2代)、キハ47形、キハ48形の3形式及びこれらからの改造により発生した派生形式全般を指します。
昭和52年(1977年)から昭和57年(1982年)にかけて合計888両が製造され、全国の非電化路線に広く導入されました。2014年現在でも、未だに各JR旅客鉄道に多くが在籍しており、主に普通列車用として使用されています。
旧式の気動車とは異なった電車型に近似した車体構造の大型気動車として開発され、客室設備の改良や走行機器の改善も図られましたが、一方、重量が増加した割にはそれ以前の在来型気動車と比較してもエンジン出力がたいして増加しておらず、結果的に動力性能はほとんど向上していませんでした。
乗客用の片引き扉を両車端部の2ヶ所に設置した両運転台式のキハ40形や片運転台式のキハ48形、都市近郊区間用として両引き扉を車体中央に寄せて2ヶ所に設置した片運転台式のキハ47形に大別されますが、各形式とも投入線区の事情や状況に即した仕様の違いや、トイレ・洗面設備の有無などによって番台区分がされています。
更に国鉄の分割民営化後は、よりJR各社毎に改造が細かく実施されてきた為、その形式や区分番台には多数の派生が生じました。
しかし、近年では過疎路線の運転本数の見直し・削減や、より性能が高く運用・維持費の安価な新型気動車への置換により、多くが廃車や保留車となっています。
尚、JR北海道には、キハ40形100番台が150両とキハ48形が7両(300番台4両・1300番台3両)の合計157両が国鉄から引き継がれました。全車が酷寒地形で、キハ47形はありません。
一部を除くこれらの車両は、ワンマン運転への対応、エンジンの換装による強化、冷房装置の搭載などの改造が実施されましたが、今般、いよいよ待望の新型車両の開発が決まったのです。
JR北海道のキハ40系は、主にオフホワイトに緑と青のラインが爽やかな車体塗色で、初夏や初秋などの季節には車窓を開放して沿線の風景を楽しみながら風を感じることが出来、鉄道ファンだけでなく多くの旅客に大変な人気があります。
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