懐かしの時刻表を「読む」 その2 長らくのご乗車・・〈17/38TFU03〉

鉄道に乗っていて、終点が近づいてくると「長らくのご乗車、ありがとうございました」という車内放送が流れることがありますよね。長らくの乗車?長時間、長距離を乗車した人に与えられるアナウンスかもしれません。それでは一体、どのくらい長距離を走っていた列車があるのでしょう。それも特急や急行でなくて、普通列車で。いつもの1966年の時刻表で調べてみることにしました。全区間、乗り通した方もいたのでしょうか。

 

さて、距離を基準にベスト5を順にいきましょう。第5位は東京発姫路行の15時間47分(644.3キロ)、第4位は京都発下関行の20時間46分(678.9キロ)、第3位は函館発釧路行の18時間58分(681キロ)、第2位は東北本線経由の上野発青森行21時間4分(740.4キロ)、そして栄えある1位は常磐線経由の上野発青森行の22時間11分でした。上野を22時24分に発車して、青森には翌日の20:35分着です。ちなみに乗り通すとこんなイメージでしょうか。

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上野駅7番線ホームに21時42分に入線した列車は、すっかり夜の帳がおりた上野駅を、定刻22時24分に発車します。長旅の旅客に混じって、松戸や我孫子といった駅にも停るので、通勤の乗客もいたことでしょう。利根川をわたり、茨城に入ります。水戸には1時9分着。ここでは30分の長時間停車。乗客の寝息も聞こえてきます。富岡あたりで朝を迎え、原ノ町あたりから朝の通勤・通学客を乗せたり降ろしたり。このあたりで朝食でしょうか。昼は一ノ関の駅弁、一戸あたりで陽も西に傾き始め、夕食は野辺地の駅弁。そしてすっかり夜の風景の中、終点の青森駅に20時35分に到着。長らくのご乗車でた。

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今、日本で一番長距離・長時間を走る列車は札幌発大阪行の臨時寝台特急「トワイライトエキスプレス」です。乗車時間は22時間50分、走行距離は1508.5キロです。食堂やサロンなどの充実した設備や、走行の快適性も当時とは格段に違いますが、24時間近くただひたすら列車に乗り続けて、本当に「長らくのご乗車・・」したのだなと実感してみるのもいいのではないでしょうか。

 
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