憧れの田宮模型の本社に行ってきた 〈1549/3TFU29〉

プラモデルは少年の頃の憧れだった。車、飛行機、戦車、戦艦など、その中でもタミヤのプラモデルは特別だった。精密さ、種類の多さ、作りやすさ等。今回は、そんな想いを胸に静岡市にある田宮の本社を訪問した。歴史館とショールーム。そこは少年時代からの思い出がぎっしる詰まったタイムカプセルのような空間だった。

田宮模型の本社にある「歴史館・ショールーム」。20160219_120306

ここは観光コースではないが、事前に申し込みをして誰でも見学をすることが可能だ。開館日は月曜から金曜の9:00~16:30。入場料は無料だ。筆者は、電話で予約をし、2月の某日の昼に訪問することが出来た。本社の場所は静岡駅の南口から、東名高速の静岡インターに向かったところ。大きな通りに面している。筆者は車で訪れたが、敷地内に駐車スペースもあるので問題なかった。

駐車場には模型マニアなら微笑んでしまいそうな、赤と青に白い星の並んだ田宮マークをつけた社有車が並んでいた。これだけでも、テンションがあがりそうだ。20160219_120150

車を止めて社屋玄関へ。池には鯉が泳ぎ、TAMIYAの文字がシックな社屋の屋根を飾る。落ち着いたしずかな雰囲気の階段を上ると、受付があって、受付の女性に見学である旨を告げる。リストで確認してもらい、「見学のご案内」という紙をもらい、説明をうけた。説明員はつかず、自由に見学して良い事。ビデオやカメラでの撮影も自由な事(これは嬉しい!)。商談の場も兼ねているから、静かにするように等の内容だった。

順路があるので、それに沿って見学開始。打ち合わせ用の会議室の前の廊下には、あこがれだったプラモデルの「箱絵」が飾ってある。ゼロ戦、戦車、戦艦。そうだ、この絵をたよりにして中身も作ったのだ。

そう思いながら、奥の歴史館の部屋へ。20160219_120714

その部屋はまさに少年たちの宝の部屋だった。35分の1のドイツ軍が、350分の1の連合艦隊の艦船が、CB750やカウンタックが、フェラーリのF1マシンが、ガラスのショーケースにずらりと並んでいた。部屋をはいって左手には、ドイツ軍のジオラマが飾られ、その小さな世界に息をのんだ。モデルアートという雑誌や、田宮の「パチ」というジオラマの写真でその作品の精巧な様子を見ていたが、目の前にそれが出現すると言葉が出ない。20160219_121047

兵士の表情、泥や排煙に汚れた戦車の車体。地表に散乱する破壊された建物の破片や瓦礫、薬莢。

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逞しさや力強さが、小さなジオラマから伝わってくる。視線を移して、角度を変えてみても飽きない。その世界が、予想していたよりも多く並んでいた。冬の東部前線、大戦末期の市街戦など、特定の場所と時代を想定した作品がおもむろに並んでいる。

そして、その隣には連合艦隊の戦艦の姿がこちらも重々しい迫力を見せていた。戦艦が、巡洋艦が、空母が。喫水線より上に姿を出す黒鉄色も船体には、潮風に吹かれて錆びた汚れと、鉄の持つ重さが伝わってくるような見事な塗装。フリーサイズの海賊船や、戦艦「三笠」の大きな模型も迫力の展示だ。20160219_121656

そして、その先には、オートバイやスポーツカーのメタリックで光沢のある美しいボディが並んでいた。マフラーやスポークのメタリックな輝きが、先程の戦車や戦艦とは違った美しさを見せていた。とにかく、その部屋は飽きなかった。

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しかし、次の見学者の気配もあったので次の部屋へ。

ロビーを再び抜けて、実車展示コーナーへ。レーシングカーが、ジープが、そこには飾られていた。中でも6輪のタイヤをもつマシンには、懐かしさを覚えた。F1マシンのティレル・P34。タミヤから商品化された時は、そのスタイルに新鮮な衝撃を受けた。早速、模型で近所の店頭のガラスケースに入ったものを、何度か見にいったりした。実物とまさか、お目にかかれるとは。

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そして、その奥のショールームへ。ここでは、現在発売しているタミヤ製品の展示がしてあった。ずらり並ぶ完成品の数々。ミニ4駆の姿もあった。筆者はここでも、戦車や戦艦の類を食い入るように見た。ドイツ、アメリカ、ソビエト、イタリアなどの戦車。大和、武蔵などの戦艦や、空母、巡洋艦などWATER LINEシリーズ。日本海軍だけではない。エンタープライズやミズーリなどのアメリカ海軍も製品化されている。歩兵や砲兵などの人形もあった。ともかく、どこをみていいかわからない。どこを見ていても飽きない。塗装技術も大いに参考になった。

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最後は、タミヤ製品を販売する「タミヤショップ」へ。ここは思ったより、品ぞろえが無く少し残念だった。といいながらも、おおいに制作意欲を刺激されてしまい、WATER LINEの駆逐艦「響」と塗料をついつい買ってしまった。大満足の見学、所要時間は1時間15分ほどだった。

さすがはタミヤ、という展示品の数々だった。一人で行ってもいいし、同好の士と連れだっていってもいいだろう。なにより、自由に見学させてくれるのが嬉しい。忘れていた好奇心を思い出させてくれる、とても貴重なスポットだ。

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