同年12月2日、『電』は第十九駆逐隊の『磯波』と共にブナ地区バザプアへの輸送任務に従事したが、米軍の空襲を受けて至近弾により損傷する。
翌昭和18年(1943年)2月には『雷』と『電』は第五艦隊(北方部隊)に転籍、大湊へ移動する。『響』は駆逐艦『潮』と共にトラック島方面での護衛任務に就く。
※この頃から『響』のみ、他艦と別行動をとる様になる。
昭和18年(1943年)3月27日、『雷』と『電』、「アッツ島沖海戦」に参加。しかし第五艦隊が消極的な戦闘に終止した結果、遠距離からの砲雷撃戦を行っただけで戦果はなかった。但し『電』は、輸送船護衛の為に戦場を離れており、直接戦闘には加わらなかった。また同月30日には幌筵島に帰投した『雷』が、波浪の為に抜錨作業中に幌筵海峡で『若葉』と接触事故を起こす。
同年4月1日、第六駆逐隊は新編の練成部隊である第一艦隊 第十一水雷戦隊(旗艦『龍田』)に転籍・編入されたが、両艦は損傷修理の為に入渠。
※ゲーム「艦これ」では六駆と良きチームワークを発揮する『天龍』と『龍田』(『天龍』型軽巡)だが、既に『天龍』は史実ではこの時点において『暁』と同様に戦没している。
5月になると『雷』・『電』はトラック島方面へ出撃、航路の警護に従事。また『響』は北方部隊へ配属され、アリューシャン方面へと転戦する。
以降、7月29日にはキスカ島撤退作戦に『響』が参加。12月21日、『響』は連合艦隊司令部付属となる。同じく翌昭和19年(1944年)1月20日に『雷』も連合艦隊司令部付属となった。
昭和19年(1944年)2月25日、第一艦隊の解隊に伴い、第十一水雷戦隊は連合艦隊の直属となる。
同年4月13日、『雷』が戦没する。この時、グアム島沖(カロリン諸島のウォレアイ諸島水域)にて輸送艦『山陽丸』を護衛していた『雷』は、敵潜水艦発見の報に接し対潜攻撃に向かったが、逆に米潜水艦『ハーダー』の雷撃を受けて撃沈された。『雷』は6月10日に除籍となる。
尚、救助に当たった日本軍側は沈没した『雷』の痕跡を見つけることが出来ず、わずかに油紋を発見しただけとされている。また、『雷』を沈めた『ハーダー』の記録には(非情にも)「4本の魚雷とジャップの駆逐艦を消費した!」との文章が残されている。
昭和19年(1944年)5月10日、第六駆逐隊は第一機動艦隊 補給部隊に編入された。
同年5月14日には『雷』に引き続き『電』を喪失、『電』も6月10日に除籍となる。この時『電』は、フィリピン南方のセレベス海西部にて輸送船団を護衛中、米潜水艦『ボーンフィッシュ』の攻撃を受けて撃沈された。『響』を狙った『ボーンフィッシュ』の雷撃が、護衛位置を交替した『電』に直撃して彼女は爆沈したとされるが、かろうじて『電』の生存者は『響』に救助された。
昭和19年(1944年)6月19日、『響』は「マリアナ沖海戦」に参加し第二艦隊のタンカー護衛任務に従事。
同月(6月)25日、『響』を残して全滅した第六駆逐隊は遂に解隊となる。『響』は再び連合艦隊附属となり、ここに六駆の歴史に幕が閉じられた。
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