【艦これファンに贈る】真実の第六戦隊!! 〈3JKI07〉

1941年(昭和16年)12月8日、太平洋戦争の開戦時には第六戦隊の司令官は五藤存知少将であり、第1小隊が『青葉』と『加古』、第2小隊が『衣笠』と『古鷹』という編成で準同型艦の4隻が揃っていた。

そして同戦隊は、南洋部隊指揮官 井上成美中将が率いる第四艦隊(旗艦「鹿島」)の指揮下で、グアム島攻略作戦に従事した。その後、第六戦隊は第二航空戦隊(司令官 山口多聞少将、空母『蒼龍』と『飛龍』)、第八戦隊(重巡『利根』と『筑摩』)、第17駆逐隊(駆逐艦『谷風』、『浦風』)と共に増援部隊を編制してウェーク島の占領を支援した。

以後、第六戦隊は第十八戦隊(司令官は丸茂邦則少将、軽巡『天龍』・『龍田』で編成)や第六水雷戦隊(軽巡『夕張』、第29駆逐隊、第30駆逐隊)等と共に、主にラバウルからソロモン諸島にかけての海域で行動した。

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艦首から艦橋方向を望んだ『加古』、第一砲塔と第二砲塔の威容。 (1937年頃の撮影)

1942年(昭和17年)5月上旬頃、第六戦隊はMO攻略部隊に所属し、「珊瑚海海戦」に参加した。この時のMO攻略部隊主隊(指揮官は第六戦隊司令官の五藤少将)は第六戦隊第1小隊『青葉』、『加古』、第2小隊『衣笠』、『古鷹』、空母『祥鳳』と駆逐艦『漣』で編制されていた。

5月7日、米軍第17任務部隊(司令官はフランク・J・フレッチャー少将)の2隻の空母『ヨークタウン』と『レキシントン』から発進した艦載機航空隊の空襲を受けたMO攻略部隊は『祥鳳』を喪失した。

その直後、第六戦隊第2小隊(『衣笠』・『古鷹)』はMO機動部隊に編入され、第1小隊(『青葉』・『加古』)と分離して、第五航空戦隊の空母2隻(『瑞鶴』と『翔鶴』)並びに第五戦隊(重巡『妙高』・『羽黒』)、護衛駆逐隊(駆逐艦『曙』、『潮』、『有明』、『夕暮』、『白露』、『時雨』)との合流地点へ向かった。

5月8日朝方、第六戦隊第2小隊(『衣笠』・『古鷹』)はMO機動部隊に合流するが、第2小隊は『翔鶴』の後方約8km地点を航行中に空襲を受けたが難を逃れた。その後、MO機動部隊攻撃隊は敵空母『レキシントン』を撃沈し、同『ヨークタウン』に損害を与えたが、逆に『翔鶴』が大破してしまう。

そこで『衣笠』、『古鷹』、『夕暮』、『潮』の4隻は、『翔鶴』を一時的に護衛して戦場を離脱した。その後、第六戦隊は残敵掃蕩の為に珊瑚海附近で行動したが、6月上旬頃には日本本土に戻り、整備・補修・休養に従事する。そして整備・休養を終えた第六戦隊は、第十八戦隊(軽巡『天龍』と『龍田』)等と共に南方々面へ再度進出、『古鷹』らは7月4日にトラック泊地へと到着した。

 

1942年(昭和17年)8月7日、米軍はウォッチタワー作戦を発動し、ガダルカナル島の戦いが始まった。第六戦隊は外南洋部隊(指揮官は三川軍一中将で第八艦隊司令長官を兼任)に所属し、三川長官率いる8隻(重巡『鳥海』、『青葉』、『加古』、『衣笠』、『古鷹』、軽巡『天龍』、『夕張』、駆逐艦『夕凪』)で挺身艦隊(三川艦隊)を編制してガ島沖に突入、「第一次ソロモン海戦」に臨んだ。

このあと8月8日深夜から9日にかけて、挺身艦隊(三川艦隊)は連合国軍重巡4隻を共同で撃沈している。期せずして米艦隊を挟撃する陣形となり、連合軍艦隊を大いに打ち負かした。

その後、この戦闘からの帰途において第六戦隊の4隻はニューアイルランド島カビエンへ向かった。8月10日朝、第六戦隊所属の『加古』が米潜水艦『S-44』の雷撃で沈没、勝利に湧いていた第六戦隊の空気は一転して沈痛なものになったとされ、更に一説には、この時、ちょうど対潜警戒を緩めたところを攻撃されたと云う。尚、加古生存者は近隣の島に上陸し、駆逐艦『卯月』や大発動艇に救助されてカビエンへと移動し、同地で第六戦隊の各艦に収容されて、その後に給油艦『石廊』に乗船してラバウルへ向かった。

8月24~25日の「第二次ソロモン海戦」前後における重巡『鳥海』と第六戦隊は、ガダルカナル島揚陸を目指す輸送船団(指揮官は第二水雷戦隊司令官の田中頼三少将)掩護のためにガ島北方海域に出動する。

第六戦隊は輸送船団や被弾炎上する空母『龍驤』を視認したのみで、戦局には関与しなかった。この時、輸送船によるガ島揚陸の企図は頓挫し、「第二次ソロモン海戦」は日本軍の敗北で終わった。 8月27日夕刻、『青葉』、『古鷹』はショートランド泊地に帰着する。

28日には外南洋部隊指揮官(第八艦隊司令長官)の命で第六戦隊より重巡『衣笠』が外南洋部隊増援部隊(第二水雷戦隊)に編入され、第三水雷戦隊司令官の橋本信太郎少将(旗艦『川内』)が増援部隊指揮官を引き継ぐまでの数日間だけ『衣笠』が第二水雷戦隊旗艦となった。

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