【艦これファンに贈る】真実の第六戦隊!! 〈3JKI07〉

10月11日から12日にかけて、第六戦隊司令官の五藤存知少将が率いる外南洋部隊支援部隊(第六戦隊『青葉』・『古鷹』・『衣笠』の重巡3隻と、第11駆逐隊の第2小隊『初雪』、『吹雪』の2隻の駆逐艦)はガダルカナル島のヘンダーソン飛行場砲撃に向かったが、この時、この支援部隊は「サボ島沖海戦」で米艦隊と遭遇する。

10月11日21時43分、第六戦隊を含む支援部隊は左舷前方に出現したノーマン・スコット少将率いる重巡2隻、軽巡2隻、駆逐艦5隻の米艦隊(既にレーダーにて日本軍支援部隊を補足、丁字戦法をとる為に陣形調整中であった)を『日進』他の友軍輸送隊と誤判断し、味方識別信号を繰り返しながら接近した。ところが敵艦隊と気づいた時には照明弾で照らされながら砲撃を受け、初弾が先頭を行く旗艦『青葉』艦橋を貫通して五藤司令官を含む司令部・艦首脳部を戦傷死させてしまう。

※『日進』は、本来は甲標的母艦だが、太平洋戦争中には輸送任務に従事することが多かった。

大きな被害を受けた『青葉』は「我、青葉(ワレ、アオバ)」を連送しながら、面舵に変針しつつ煙幕を張って避退した。旗艦『青葉』の後方を航行していた『古鷹』は、最初は取舵をとって右砲戦に備えたものの『青葉』の転進を見て面舵に転舵して続行した。旗艦の危機を目の前にして、『青葉』と敵艦隊の間に立ち塞がった形となった『古鷹』だったが、しかし米艦隊の集中砲火を受けて、酸素魚雷が誘爆して大火災となり、格好の射撃目標となってしまう。

しかし『古鷹』が米艦隊の攻撃を一手に引き受けたことで以後『青葉』への砲撃が少なくなり、それにより同艦が無事に脱出出来たとされている。また『衣笠』と『初雪』の2隻は取舵を維持したまま戦場を離脱、軽巡『ボイシ』と重巡『ソルトレイクシティ』と砲撃戦を行って損傷を与えた。しかし旗艦『青葉』の右前方を航行していた駆逐艦『吹雪』は、米艦隊に1,500mの距離まで接近して攻撃を試みるが、逆に集中砲火を浴びて轟沈した。

青葉345 aoba
「ソロモンの狼」と呼ばれた、重巡『青葉』

その後、『青葉』、『衣笠』と駆逐艦『初雪』の3隻が戦場を離脱した後も『古鷹』はしばらく海上に浮かんでいたが、水線下への被弾による浸水が進み、22時40分頃に航行不能となる。そして軍艦旗を降ろした後、『古鷹』は艦尾より沈没した。沈没時刻10月12日午前0時28分、沈没地点サボ島の310度22浬とされる。

10月14日深夜に、重巡『鳥海』と共に『衣笠』は再出撃し、駆逐艦『天霧』と『望月』を伴いガ島ルンガ泊地へ突入、ヘンダーソン基地砲撃を敢行しているが、『加古』と『古鷹』を失った第六戦隊は同年11月10日には解隊となる。

※「ソロモンの狼」とは『青葉』だけではなく、第六戦隊全体を指すとの説もある。

健在だった『衣笠』は第八艦隊の直属となり、修理を要する『青葉』は呉鎮守府部隊に編入という配備が決まり、修理のため内地へ回航された。

因みにその後の『衣笠』は、1942年11月14日、「第三次ソロモン海戦」で外南洋部隊主隊の一員として戦場離脱中にニュージョージア諸島南方海面で米軍機の空襲を受けて沈没、「レイテ沖海戦」で米潜水艦『ブリーム(USS Bream, SS-243)』の雷撃で大破した『青葉』は呉軍港第二次空襲(1945年7月24日・28日)で大破着底、以降は呉工廠近くに繋留放置され、そのままの状態で終戦を迎えて1945年8月15日附で予備艦となり、11月20日附で除籍された。

※他艦の悲劇をよそに『青葉』だけが最後まで生き延びたことを訝しむ声もある様だが、それは単なる強運の持ち主の証拠であって、「運」を味方につけることも軍艦にとっては重要な能力の一つである。しかし、例の瀕死の『熊野』に送った「ワレ曳航能力ナシ、オ先ニ失礼」という発光信号(そんな信号、発していないとの説あり)は、自艦も大きく損傷を受けていたにせよ、さすがに「見殺し感満載」でマズかったと云えよう・・・。

 

海軍軍縮条約を考慮して、小型の船体により上のクラスの武装を搭載するという考え方により設計・建造された『古鷹』型(『青葉』クラス含む)巡洋艦であるが、その軽量級の船体に搭載された重武装は竣工当初は列国の海軍関係者を驚かせたものであった。(『古鷹』竣工当時には、8インチ主砲を搭載するには、最低でも9千トン以上の排水量が必要と考えられていた・・・)

しかし『妙高』型以降の巡洋艦に比べると、重巡としては多くの点で見劣りすることになる(本来が軽巡レベルの設計思想なので仕方がない)この4艦だが、「第一次ソロモン海戦」・「サボ島沖海戦」・「第三次ソロモン海戦」等において奮戦を続け、『加古』・『古鷹』・『衣笠』を立て続けに喪失することになる。更に『青葉』のみがしぶとく生き延びたかに見えたが、彼女も廃艦同様の状態で結局は終戦により解体となった。

そしてこれらの各艦により編成されていた第六戦隊は、太平洋戦争中はそのほとんどを南東太平洋方面での作戦に従事し、常に第一線での激烈なる戦闘に参加、大活躍した部隊なのである・・・。

尚、第六戦隊はゲ-ム【艦これ】において、非常に関連任務数が多い重要な部隊となっている。

 

《 ゲ-ム【艦これ】、画像リンク 》

・第六戦隊の編成例

・第六戦隊の「艦むす」集合例

 

《 ゲ-ム【艦これ】、第六戦隊 関連任務 》

・「第六戦隊」を編成せよ!
・「第六戦隊」出撃せよ!
・「第六戦隊」南西海域へ出撃せよ!
・「三川艦隊」を編成せよ!
・「三川艦隊」出撃せよ!
・「三川艦隊」を新編、突入準備せよ!
・ 新「三川艦隊」を編成せよ!
・ 新「三川艦隊」出撃せよ!
・ 新編「三川艦隊」ソロモン方面へ!
・沖ノ島沖戦闘哨戒

※但し、順次新規の任務が追加されるので、上記以外にも新たな任務が実装されている可能性があることを了解頂きたい。

-終-

【太平洋戦争】 優駿 日本海軍 巡洋艦物語!! 第1回 重巡洋艦 『鳥海』 -前編-・・・はこちらから

【太平洋戦争】 優駿 日本海軍 巡洋艦物語!! 第1回 重巡洋艦 『鳥海』 -後編-・・・はこちらから

【太平洋戦争】 優駿 日本海軍 巡洋艦物語!! 第2回 軽巡洋艦 『阿賀野』 -前編-・・・はこちらから

【太平洋戦争】 優駿 日本海軍 巡洋艦物語!! 第2回 軽巡洋艦 『阿賀野』 -後編-・・・はこちらから

【太平洋戦争】 激闘 日本海軍 駆逐艦物語!!・・・はこちらから

【艦これファンに贈る】 真実の第六駆逐隊!!・・・はこちらから

 

 

《スポンサードリンク》