【太平洋戦争】 優駿 日本海軍 巡洋艦物語!! 第2回 軽巡洋艦 『阿賀野』 -後編- 〈3JKI00〉

また最後に、他の『阿賀野』型姉妹艦についてごく簡単に触れると、2番艦の『能代』はソロモン諸島を巡る一大消耗戦には間に合わなかったが、「タロキナ岬への逆上陸作戦」・「戊号輸送作戦」・「渾作戦」や「マリアナ沖海戦」などに参加、「レイテ沖海戦」終結後にサマール沖からブルネイに向けて帰投中に敵機の来襲を受けて沈んだ。そして3番艦『矢矧』はと云えば、長女『阿賀野』の沈没を受けて第十戦隊の旗艦を引き継ぎ、その後『能代』と同様に「マリアナ沖海戦」等に参加、更に「捷一号作戦(レイテ沖海戦)」を生き延びた後、「菊水作戦」で戦艦『大和』に随伴して沖縄に向けて特攻し戦没する。末妹の『酒匂』は、遂に出撃の機会さえ与えられずに終戦を迎えた。彼女は復員船として活躍した後に、戦艦『長門』と共にビキニ環礁において核実験に供された。尚、『酒匂』は日本海軍が太平洋戦争開戦後に起工して完成した5,000t以上の大型艦4隻(他に『雲龍』型航空母艦3隻がある)の内の一隻にあたる。

 

この『阿賀野』型軽巡は、それまでの日本海軍の軽巡とは一線を画するまさしく近代的な艦艇であり、巡洋艦という枠組を離れても完全に世代交代に成功した軍艦であったと云えよう。殊にその搭載兵器とその他の設備との重量配分やその配置のバランスが良く、それ故に艦形・姿も美しくて、日本海軍が誇る有終の美を飾るに相応しい傑作艦であった。

即ち『阿賀野』型巡洋艦は、第二次世界大戦終結以前においての「軽巡」というランクの軍艦の中でも、そのコンパクトな船体に質の高い攻撃力と優れた運動性能を盛り込んだ、無類の理想的な軍艦であり、レーダーやソナー等の電子装備や対空兵装を改良(米軍化?)すれば、(例えば大型フリゲート艦等として)大戦後も更に長期間にわたって現役続行が可能な優れた設計であったと思う。

生まれ(建造時期)が若い為に艦歴・戦歴はそう長くはないが、上記の様な意味合いも含めてこの「日本海軍 巡洋艦物語」で取り上げさせて頂いた『阿賀野』型巡洋艦は、今は亡き旧日本海軍艦艇の中でも極めて近代的な軍艦であったと云えよう・・・。

-終-

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