【懐かしの時代劇】 三匹が斬る! 〈22JKI28〉

吉良右近(きら うこん)

近藤真彦さんが演じた若侍の吉良右近は元風烈廻り同心で、シリーズ登場当初は江戸の高級料亭・八尾膳の借金取立て役をしており、この為に通称は“千両”と名乗るが、第7シリーズ『痛快~』からは“若殿”と名乗りを変えた。剣術に関しては、様々な流派を会得しており、毎回、闘う相手に流派を訊ねてからその相手の流派で斬り倒すのが定番であるが、相手があまりにマイナーな流派である場合は意外に苦戦してしまう。

江戸に残した母親のことを気遣う優しい青年。普段は冷静だが、タイプの女性の前ではあがってしまって沈着さを失うところもある。また祖先(吉良上野介の子孫という設定)を馬鹿にされると激しく立腹・逆上する。不正が許せない真面目な性格なので、“タコ”のインチキ商売を批判したこともある。

第5シリーズ『新~』のスペシャルで初登場し、第6シリーズ『ニュー~』より“千石”の代わりに“三匹”に加わった。第7シリーズ『痛快~』では袴姿から着流しに着替え、剣の構えも「逆手」から「正眼」に変更している。また相手が銃を持っている場合は、合口(あいくち)の様なものを投げていた。

 

お恵

杉田かおるさんが演じた江戸・深川の風呂屋の娘で、第1シリーズに登場。祖父が悪人に殺された事件を切っ掛けに、“三匹”たちに同行する。“三匹”たちを軽くあしらう剛毅な性格だが、特に“タコ”とは掛け合い漫才の様な楽しいシーンを見せた。第1シリーズの最終回で“三匹”たちとは別れて、京都での料理修行を続けることになる。その後、第2シリーズ『続~』では最終回にゲスト出演し、その時点では江戸に戻って居酒屋を主人となっていた。

 

お千

お恵に替わる紅一点の新顔が、藤代美奈子さんが演じた京都の田舎町の庄屋の娘で、第2シリーズ『続~』で活躍するお千だ。登場当初は織物師になる夢を持っていたが、とある事件において“三匹”たちと出会い仲間となった。様々な武術に通じており、“三匹”の手足として情報収集を担うが、第2シリーズ『続~』の最終回で笠間藩主の異父妹・千鶴姫であることを名乗り出る。その後は、笠間藩家老の悪事を“三匹”たちと共に挫いて藩へと帰参した。

 

お蝶

長山洋子さん(アイドル歌手から女優業を経て演歌歌手に転身)が演じた“揚羽のお蝶”という名の掏摸の女。第3シリーズ『続続〜』から第5シリーズ『新~』までと第6シリーズ『ニュー~』の第1話に登場した。何処からともなく突如として現れ、“殿様”を「旦那様~」と呼びながら追い駆け回しては言い寄る神出鬼没、且つ正体不明の娘で、“三匹”たちと出会ってからは掏摸からは足を洗って伴に旅を続けるが、“三匹”の依頼でその掏摸の技を使って悪事の証拠文章などを盗み取ったりと、かなり重要な役目を引き受けている。

第4シリーズ『また又~』では、“三匹”と旅をしながら女流作家となり絵草紙本「殿様 千石 タコ道中」を出版して、人気作家となる。第5シリーズ『新~』でも、女版“十返舎一九”を自称しては、“三匹”に同行した。第6シリーズ『ニュー~』の第1話では、江戸に戻って作家の仕事を続けている。

 

お軽

今やバラエティタレントのベテランである島崎和歌子さん演ずる第6シリーズ『ニュー~』で登場した女道中師。“三匹”とはある宿場町で知り合ってから付かず離れずの仲となるが、狡賢さでは“タコ”の上をいき、旅先で彼の前に現れては商売客を奪うことも度々。その身の上は天涯孤独らしいが、何事にも流されない独自の気風を持っている。

 

お涼

現在は情報番組のレポーターや気象予報士として活躍中の桂木麻智さんが演じる甲府出身の農家の娘で、第7シリーズ『痛快~』に登場した。世の中の事をもっと知りたいと“タコ”の弟子になり、“三匹”たちと同行することになる。“タコ”を“師匠”と呼び、彼のインチキ商売の片棒を担ぐだけでなく、“タコ”の息子である陣之介の面倒をみたりもする。

 

陣之介

第5シリーズ『新~』の最終回に登場した、南町奉行鳥居甲斐守の娘で御庭番である小百合姫(樹木希林さん)と“タコ”こと燕陣内(板倉内膳正)の子供だが、母親が亡くなり、燕陣内が一族から絶縁された為に第6シリーズ『ニュー~』以降、“三匹”の旅に連れられていくことになる。

またその名の由来は、小百合姫が“タコ”を強引に婿としたが、本当は“千石”に恋していた為、“千石”の名前「慎之介」にあやかって「陣之介」と名付けたとされる。登場時はまだ幼児でありながらも、父である“タコ”のいかがわしい商売を手伝う事もあった。ちなみに、陣之介を演じた田中祐介は制作を担当した田中憲吾プロデューサーの息子である。

 

ナレーター

ナレーターは、第3シリーズ『続続~』までは芥川隆行さん、第4シリーズ『また又~』から第6シリーズ『ニュー~』が浜村淳さん、第7シリーズ『痛快~』は三木のり平さんが担当した。

 

役所広司さんの人気に火が付いた出世作とも云えるのがこの作品だが、彼のブレイクに反比例するかの様に高橋英樹さん共々“三匹”のキャスティングが困難となっていく。代役マッチではいささか役不足は否めず、さすがの人気シリーズも時代劇離れと視聴率の低下により終焉を迎えたのだった…。

-終-

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