以下に『鬼平犯科帳』(中村吉右衛門版) テレビ番組シリーズ 第8シリーズ キャスティング・リストを掲載するが、現状は《暫定版》であり、都度、加筆・修正の予定である。また各話のあらすじやその他の諸データは番組公式HPで確認願いたい。
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★ 各欄コメントには、物語の結末や、所謂(いわゆる)ネタバレ的な内容が含まれているので、視聴前や未読の場合は要注意。
第8シリーズ(1998年4月15日 – 1998年6月10日、フジテレビ系 水曜20時台時代劇枠)
●第1話「鬼火」(スペシャル)(1998年4月15日)(視聴率13.1%)
・お浜 – 山口果林 ・高橋勇次郎 – 小西博之 ・吉野道伯 – 三谷昇
・渡辺丹波守直義 – 西田健 ・滝口金五郎 – 浜田晃 ・大野弁蔵 – 遠藤憲一
・中村春庵 – 花上晃 ・永井伊織 – 平田一樹 ・永井弥一郎 – 荻島真一
※原作は特別長編であり、登場人物や犯人達の関係も複雑で多岐にわたる。また、平蔵の従兄・三沢仙右衛門や旧友・井関録之助、伊三次贔屓の娼妓・およねなど、“鬼平”シリーズ御馴染みのメンバーも登場して其々に活躍する。尚、お浜が息子・永井伊織の姿を眺めるシーンはドラマのみのオリジナル場面で、また原作でのお浜は居酒屋襲撃の際に重傷を負い、火盗改方の役宅内の牢屋で手当を受けたが何も語らないまま自死してしまう。
※大野弁蔵を演じた遠藤憲一も、この吉右衛門版“鬼平”シリーズでは多くの悪党をこなしているが、以前ではその爬虫類的な顔貌から悪役オンリーな感が強かったが、最近ではコミカルで善良な主役級を演じることも多い。
●第2話「瓶割り小僧」(1998年4月22日)(視聴率18.7%)
・石川の五兵衛 – 上杉祥三 ・口合人・千蔵 – 梅津栄 ・富 – 大澤佑介
・牛松 – 佐藤蛾次郎 ・お浜 – 沢村亜津佐 ・赤松弥太郎 – 辻萬長
・赤松小弥太 – 辻輝猛
※この番組では、めしやの主人・赤松弥太郎とその息子の力を借りて五兵衛は平蔵のことを思い出すが、原作ではその顔を眺める内にかつて瓶割りをした時に叱られた侍だと気づき、恐れ入るという寸法。また五兵衛逮捕の端緒となる牛松の件や、猫どのこと村松忠之進と「五鉄」の三次郎による軍鶏鍋対決はテレビ番組のみの演出だ。やはりテレビの村松は“ウザイ”。
※もう少し、佐藤蛾次郎の牛松に活躍の余地を与えても良かったかも知れない。
※悪餓鬼を演じた富役の大澤佑介の台詞回しと演技が新鮮味があって光る。
●第3話「穴」(1998年4月29日)(視聴率15.5%)
・平野屋源助 – 坂上二郎 ・茂兵衛 – 木村元 ・壷屋菊右衛門 – 垂水悟郎
・近江の助治郎 – うえだ峻 ・お半 – 松木路子 ・おみわ – 沢木蘭野
※テレビドラマでは、何故か壷屋菊右衛門の嫁に対する虐めが強調されているが、それとは対照的に源助と茂兵衛一家(茂兵衛の妻と娘)との交流が温かく描かれている。尚、平蔵に赦された源助と茂兵衛は、原作『殺しの波紋』・『雲竜剣』では密偵として活躍する。
※坂上二郎(2011年3月10日没)演じる平野屋源助がカワイイ。既に引退しているのに時々「盗みの血」が騒ぐ。つい出来心で犯行に及んでも洒落っ気たっぷりで、被害者に迷惑をかけない結末を用意。但し原作での容姿は、鶴のように痩せ、白髪とあるので、ふくよかな二郎さんとはいささか異なる感じだが・・・。
※平野屋源助(帯川の源助)・・・随分と前に盗賊を引退して、扇屋の主人となっていた。しかし盗人の血が再び騒ぎ出して配下の茂兵衛と共に隣家へとトンネルを掘っては見事な盗みを働く。しかしその仕掛けを平蔵に突き止められて、2回目の犯行後に現場を押さえられた。後に茂兵衛と共に密偵となる。梅干が大好物で、盗めの最中も口に含んでいる。
※近江の助治郎・・・錠前破り用の鍵作りの名人。蝋型から完璧な鍵を作る為、わざわざ彼の住居がある近江まで訪れる盗賊もいるとされる。
●第4話「眼鏡師市兵衛」(原作:『二度ある事は』)(1998年5月6日)(視聴率13.9%)
・市兵衛 – 加藤武 ・三雲の利八 – 加納竜 ・蕎麦屋の親爺 – 工藤栄一
・おふじ – 菅原あき
※原作で市兵衛を小間物屋「かぎや」の前で見かけるのは、同心・細川峯太郎である。他にも細かい部分で異なる設定がある。峯太郎は、もと浮気相手(お長)の店(茶店「越後屋」)を覗く途中で市兵衛を発見するが、平蔵に浮気心がばれ、以前の勘定方に戻されてしまう。このテレビ版では、峯太郎の代わりに木村忠吾、まさしく解かり易い同類が市兵衛を追う。ちなみに、この二人の菩提寺は同じ目黒の感得寺。行動パターンが非常に似ている二人だが、忠吾の方がお調子者でポジティブである。
※市兵衛・・・原作の『草雲雀』と『二度あることは』に登場する、蓑火の喜之助の配下で錠前の合鍵づくりの名人、引退後に眼鏡師として余生を送っている。既に死亡している盗賊、瀬川の友次郎の友人。事件後、半年を経て(友次郎の店跡に張り込んでいた、おまさ・五郎蔵と高橋勇次郎によって)捕縛されるが、赦されて密偵となる。
※原作では、平蔵は三雲の利八のことは馬蕗の利平治から聞き知ったとされている。また市兵衛の弟子の五助は事件後に火盗の役宅で働くことになる。
●第5話「はぐれ鳥」(原作:『白蝮』)(1998年5月13日)(視聴率15.4%)
・津山薫 – 毬谷友子 ・吉見丈一郎 – 羽場裕一 ・お照 – 竹内都子
・お吉 – 原田千枝子
※同心・吉見丈一郎は原作にはない登場人物である。また津山(森初子)の剣友は沢田同心の役で、このふたりの間に特に恋愛感情はなく、初子の境遇も微妙にドラマとは異なる。更に原作の津山は娼婦・お照への愛情など持たない冷血漢として描かれている。尚、冒頭の「いろは茶屋」での木村忠吾の役回りは原作では長谷川辰蔵(但し、この場所を辰蔵に教えたのは忠吾)である。また津山の隠れ家は印判師香玉堂であり、お照も死なずに助けられる。
※お照役の竹内都子は、お笑いコンビ“ピンクの電話”のひとり(ミワちゃん)である。一時期はダイエットの結果、相当に痩身となっていたが、最近では太めの体形に復調!?している。
●第6話「おれの弟」(1998年5月20日)(視聴率14.3%)
・滝口丈助 – 渡辺裕之 ・お市 – 真行寺君枝 ・宗仙 – 織本順吉
・石川源三郎 – 友居達彦 ・高杉庄平 – 大木晤郎
※原作では、丈助とお市は兄妹の設定。また平蔵が丈助の見張りを私的に依頼する火盗の者は、このテレビ番組では沢田小平次だが、原作では与力の佐嶋忠介と同心・小柳安五郎である。
※ラスト近くで、沢田小平次が騎馬で走る石川源三郎の供の者を打ち倒す手練が凄い。
※滝口丈助役の渡辺裕之は、第5シリーズの第5話「消えた男」でも元同心の高松繁太郎を演じている。
●第7話「同門対決」(原作:『高杉道場・三羽烏』)(1998年5月27日)(視聴率14.0%)
・長沼又兵衛 – 森次晃嗣 ・砂蟹のおけい – 根岸季衣 ・笠倉の太平 – 石丸謙二郎
※原作では、平蔵と又兵衛の他に岸井左馬之助を加えた三人を「高杉道場の三羽烏」としている。テレビ番組では、何かにつけて左馬之助のウエイトは低い様だ。
※森次晃嗣演じる長沼又兵衛に捕縛の際に多くの火盗の役人が斬られたが、流石に平蔵は格の違う処を見せる。
●第8話「影法師」(1998年6月3日)(視聴率15.3%)
・塩井戸の捨八 – 新克利 ・長坂万次郎 – 長谷川明男 ・井草の為吉 – 赤塚真人
・中山茂兵衛 – 石濱朗 ・渋谷道仙 – 山内としお
※原作では、塩井戸の捨八が同心・木村忠吾を見間違えたのは、りゃんこの源三郎ではなくさむらい松五郎である。原作の『さむらい松五郎』で本物の松五郎は捕らえられており、捨八は火盗の牢内でこの松五郎と対面しているが、テレビ番組ではラストの方で同心の忠吾が牢屋に現れて捨八を驚かせている。
※原作、テレビ共に同心・木村忠吾のラッキー手柄話であるが、いつもの様に平蔵からその女好きに関してお灸を据えられて終わる。
※井草の為吉役の赤塚真人だが、この役者も吉右衛門版に数多く参加。第1シリーズ第8話「さむらい松五郎」の須坂の峰蔵役、第5シリーズ第1話「土蜘蛛の金五郎」の子之次役、また萬屋錦之介版の第3シリーズ最終回の「春の淡雪」にも登場している。
●第9話「さらば鬼平犯科帳」(スペシャル)(1998年6月10日)(視聴率15.1%)
・白子屋菊右衛門 – 金田龍之介 ・谷村彦九郎 – 西園寺章雄
・磯辺十郎左衛門 – 南条好輝 ・松平定信 – 十七代目市村羽左衛門
・浪人 – 前田忠明
※賛否両論ありの、過去の回想シーンを繋いだ作品。
※白子屋菊右衛門・・・『仕掛人・藤枝梅安』に登場する香具師の元締。中村宗仙の件以降は、平蔵の人柄を知り、出来るだけ強引な対決を避けている。
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