1浪して大学に入った筆者にとって、浪人期間のオーディオに関する趣味については特筆すべき事柄はない。音楽趣味に関しても、さすがに控えめなもの? に徹していたし、どうしても気になるレコードを購入するくらいに止めていた様である。その為、“Season-1.4”は一種の「ちらほら音楽・オーディオは一休み編」とも云えよう。
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さて浪人中のJazz系レコードの蒐集について言えば、改めて王道の路線での未入手のレコードを手に入れることに重点を置いていた。そして、まだこの頃は輸入盤に拘ることもなく、国内復刻版での入手も躊躇わなかったが、特にこの時期に購入してよく聴いていたものには、テナー・サックス奏者のリーダーアルバムが多い。即ち、楽器別ではテナー・サックスを攻めていたつもりだったのだろう。
既に高校生の頃から『サキソフォン・コロッサス(Saxophon Colossus)』やローチ=ブラウンと一緒に演った『プラス・フォー(Rollins Plus4)』、コルトレーンとの競演を含む『テナー・マッドネス(Tenor Madness』等は所持しており、それこそレコード盤が擦り切れる位に聞き込んでいたソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)で言うと、歴史的なライブ盤『ヴィレッジ・バンガードの夜(A Night at The Village Vanguuard)』やウイントン・ケリー(Wynton Kelly)と共演している『ニュークス・タイム(NEWK’S TIME)』、シェリー・マン(Shelly Manne)と組んだ西海岸色の『ウェイ・アウト・ウェスト(Way Out West)』、そして『ウィズ・モダン・ジャズ・カルテット(With Modern Jazz Quartet)』は意外にMJQとの共演でロリンズ節が冴える名盤。しかしこの頃、これら以上によく聴いていたのは映画音楽の『アルフィー(Alfie)』だったり、筆者の大好きなフュージョン系ギタリストのリー・リトナー(Lee Ritenour)と組んだ『ザ・ウェイ・アイ・フィール(The Way I Feel)』だったと思う。
続いて、デクスター・ゴードン(Dexter Gordon)は現在でも好きなテナーマンのひとり。ベツレヘム(BETHLEHEM)レーベルの『ダディ・プレイズ・ザ・ホーン(Daddy Plays The Horn)』がお気に入りで、この盤ではピアノのケニー・ドリュー(Kenny Drew)の勢いも佳い。『デクスター・ライズ・アゲイン(Dexter Rides Again)』や有名な(当時の幻の銘盤)『ブロウズ・ホット・アンド・クール(Blows Hot & Cool)』も当然おススメ盤だし、ブルー・ノート(Blue Note)盤『ゴー(GO)』もワン・ホーンの傑作。そして『アワ・マン・イン・パリ(Our Man in Paris)』には晩年のバッド・パウエルが参加。
ボサノヴァ曲以外のスタン・ゲッツ(Stan Getz)だと『Complete Roost Session』のVol.1とVol.2 、『スタン・ゲッツ・アット・ストーリービル(Stan Getz at StoryVille)』はアル・ヘイグ(Al Haig)のピアノもイケテルが、ギターのシミー・レイニー(Jimmy Raney)は筆者のフェイバリットの一人。『スタン・ゲッツ・プレイズ(Stan Getz Plays)』も佳品、ライブ録音の『アット・ザ・シュライン(At The Shrine)』や同じくライブ盤『スタン・ゲッツ・アンド・J.J.ジョンソン・アット・ジ・オペラハウス(Stan Getz and J.J. Johnson at The Opera House)』で共演のトロンボーン奏者J.J.ジョンソン(J.J. Johnson)は筆者が大好きなミュージシャンで何れ別途に取り上げたい。また共演のピアノはオスカー・ピーターソン(Oscar Peterson)でギターはハーブ・エリス(Herb Ellis)だ!! そして『スタン・ゲッツ・アンド・ビル・エバンス(Stan Getz & Bill Evans)』は今でもお気に入りの1枚で、キレキレのドラムスはエルヴィン・ジョーンズ(Elvin Jones)だった。ボサノヴァも決して嫌いではなく、実は最初に手に入れたゲッツのレコードは『ゲッツ~ジルベルト(Getz~Gilberto)』だったし、『黒いオルフェ(Big Band Bossa Nova)』や『ゲッツ・オー・ゴー・ゴー(Getz au Go Go) 』なんかも翌年以降に入手していたと思う。
それからハンク・モブレイ(Hank Mobley)については、深みもなくそれ程は巧いテナーマンではないが、勢いとノリで吹き切るタイプと当時は思っていた。でもそのファンキーなスタイルは嫌いではなかったし、後には筆者フェイバリットのテナーマンとなる。彼のリーダー作『ソウル・ステーション(Soul Station)』は太鼓がアート・ブレイキー(Art Blakey)で、ピアノがウイントン・ケリー、ベースはポール・チェンバース(Paul Chambers)という豪華な編成。『ロール・コール(Roll Call)』はフレディ・ハバードがペッター。一方『ディッピン(Dippin’)』ではトランペットはリー・モーガン、ポップな売れ線アルバムだが、カッコ良ければイイんじゃないかい!!
またズート・シムス(Zoot Sims)に関しては、ベツレヘム(BETHLEHEM)盤『ダウン・ホーム(Down Home)』は既に高校時代から持っていたと思うが、この頃に手に入れたアーゴ(Argo)盤『ズート(Zoot)』はワン・ホーンの好盤。アル&ズートものでは、コーラル(Coral)のそのものズバリの『アル・アンド・ズート(Al and Zoot)』やライブでの快演『ハーフノートの夜(Jazz Alive! a Night at The Half Note)』などが愛聴盤だったと記憶している。
その他のテナー・プレイヤーとしては順不同で各派入り乱れた形であるが、ジュニア・クック(Junior Cook)、ラッキー・トンプソン(Lucky Thompson)、べニー・ゴルソン(Benny Golson)、ジョニー・グリフィン(Johnny Griffin)、ブッカー・アーヴィン(Booker Ervin)、ウォーン・マーシュ(Warne Marsh)、J.R.モンテローズ(J.R.Monterose)、エディ・ハリス(Eddie Harris)、ハロルド・ランド(Harold Land)、アーチー・シェップ(Archie Shepp)、ウェイン・ショーター(Wayne Shorter)などに注目していたことを覚えているが、このクラスだと当時ではリーダー作が手に入らない人も多かった。
以上の様に白人・黒人、東海岸(ハード・バップ派)・西海岸(ウエスト・コースト派)を問わずに、総花的にテナーサックス奏者のレコードを聴いていたと記憶している。
またコールマン・ホーキンス(Coleman Hawkins)やベン・ウエブスター(Ben Webster)、レスター・ヤング(Lester Young)などのレジェンドに関しては、もう少し後の時期になってから注力して研究することになり、ジャズ関連本やレコード紹介記事の影響か、ワーデル・グレイ(Wardell Gray)やアレン・イェーガー(Allen Eager)といった通好みのミュージシャンにも一時期はハマることになった。
しかし、何故か“哲人”コルトレーンについては、この時期は敢えて避けて通る様な態度を貫いていた様だ…。
-終-
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