Kijidasu!で2016年6月にお届けした、急行「はまなす」に使用されていた14系座席車両の復活のニュース。運用につくのを心待ちにしていましたが、残念ながら最近はあまり鉄道ニュースでも取り上げられません。東武鉄道では、C11207号機が同じ14系客車を引いて、8月10日から「大樹」として話題を集めながら走っています。大井川の14系は一体、いまどのような状態なのか?8月13日に大井川鐡道の新金谷を訪れてみました。
2017年8月13日の午後、新金谷駅の周辺は大変な人でした。付近の駐車場は満車で、駅から徒歩10分ほどの駐車場からシャトルバスを運用したり、駅周辺では交通整理があったりと、見たこともない混雑でした。夏休みの日曜日とあって、小さな子供を連れた家族連れが多く、駐車場を埋め尽くす車のナンバーも関東、関西にとどまらず、東北や九州ナンバーもちらほら見られました。さらに、観光バスには中国はじめ、アジアの国の言葉が書かれた案内も掲示されていたりと、大変な賑わいです。この人たちの多くのお目当ては「機関車トーマス」の2両の機関車たち。C56 44号機を改造した赤い「ジェームス」と、C11 227号機を改造した主人公の機関車「トーマス」だったのです。筆者は初めて目の前で実物を見ましたが、予想外の出来に感激!近くにいた親子連れと一緒になって、しばらく見入ってしまいました。
さて、肝心の14系ですが、車庫から延びる側線におもむろに置かれていました。車庫側からは近づけないので、駅近くの踏切を渡り、住宅地を抜けて公園のわきに出ると、その先に見えてきます。編成は、新金谷方向からスハフ14 557、オハ14 511、オハ14 535、スハフ14 502の合計4両です。
線路柵もなく、車体のすぐそばまで近づけます。現役時代では見ることのできなかった、北海道向けの500番台に改造された際に、寒冷地仕様となった床下機器もじっくり見られました。字幕類は撤去されていますが、窓から見える車内はJR時代の座席もそのままでした。オハ14の妻面には「五稜郭車両センター」の表記も残り、急行はまなすの香りを残しています。車体はスハフ14 502が退色や汚れが目立ちましたが、ほかの3両は比較的綺麗でした。もっとも、よく見れば水アカや車体にひびが入っていたり、塗装面が浮いていたりという個所もありましたが、日本最後の定期夜行急行客車となった14系の車両たちが、よくぞここまでやってきたという思いで、感激でした。新金谷駅でのトーマス人気が嘘のように、こちらは私のほかにはだれもおらず、ゆっくりと静かに見学できました。
大井川鐡道の公式ホームページによれば、2017(平成29)年中の使用開始を目指しているとのことですが、再び復活を遂げた14系には、ぜひ乗車したいと思います。
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