旧日本海軍潜水艦“伊58潜”と米海軍巡洋艦“インディアナポリス” 〈3JKI35〉

以下に“伊58潜”と重巡“インディアナポリス”にまつわる小説や映像作品を掲載するので、興味のある方は参考として欲しい。

 

小説

●『雷撃深度一九・五』池上司(著)、文春文庫 1996年
“伊58潜”による“インディアナポリス”撃沈をモデルにした、池上司原作の戦記小説。映画化(後述)の他に2002年に漫画化(『イ-58浮上せり』集英社)もされている。

●『巡洋艦インディアナポリス撃沈』リチャード・ニューカム(著)、ソニーマガジンズ 2002年
AP通信のベテラン記者が丹念に事実を追求、当時の米国海軍が封印した機密を暴いていく。1959年に『総員退艦せよ 米重巡インディアナポリスの最後』という題名で出版協同社より刊行されていたものの別の訳者による新訳。

●『巡洋艦インディアナポリス号の惨劇』ダグ・スタントン(著)、朝日文庫 2003年
“インディアナポリス”の悲劇を描いたノンフィクション小説の決定版だが、原書に豊富に掲載されている図版や資料がこの邦訳版では大幅にカットされていて残念との書評もある。

●『少年が救った提督の名誉 : 原爆運搬艦インディアナポリスの悲劇』ピート・ネルソン(著)、文芸春秋 2003年
ハンター・スコット少年の“インディアナポリス”研究に端を発した、マクベイ元艦長の名誉回復活動の顛末を描くノンフィクション。このスコット少年の行動とその後の物語が、映画『パシフィック・ウォー』(後述)の原点。

●『伊58潜帰投せり』橋本以行(著)、学研M文庫 2001年
太平洋戦争下の旧日本海軍潜水艦の戦闘実態を、生き残った潜水艦艦長が赤裸々に綴った迫真のドキュメント小説。真珠湾攻撃からソロモン諸島付近での死闘、北海の荒海での過酷な戦い等々、各地を転戦した橋本艦長だが、最期には重巡“インディアナポリス>”の撃沈を果たすのだった…。1952年に鱒書房より刊行されたものの再々刊。

 

映画

●『真夏のオリオン』
小説『雷撃深度一九・五』をベースにした戦争映画作品で2009年に公開された日本映画。監督は篠原哲雄で主演は玉木宏・北川景子。但し、史実及び原作小説で描かれた“伊58潜”に相当する潜水艦は、“伊77潜”と“伊81潜”の2隻の架空の潜水艦に分けて描写されている上に、敵側も“インディアナポリス”ではなく米海軍の駆逐艦“パーシバル”が相手である。但し、現実の駆逐艦“パーシバル” (USS Percival, DD-298)は、1930年4月26日に退役して1931年にはスクラップとして廃棄されている旧式4本煙突のクレムソン級駆逐艦の1隻であり、本作に登場する第2次世界大戦下の“パーシバル”は架空の艦艇である。

●『パシフィック・ウォー』(原題:USS Indianapolis: Men of Courage)
2016年製作された“インディアナポリス”の最後を描いた映画。監督はマリオ・ヴァン・ピーブルズ、主演のチャールズ・B・マクベイ3世大佐にはニコラス・ケイジが就き、“伊58潜”艦長の橋本以行少佐は竹内豊が演じている。

-終-

 

《スポンサードリンク》