国際免許、簡単にとれ過ぎじゃない? – 交通規則の米国との違い – 〈1647JKI10〉

よく仕事でアメリカ合衆国(以下、米国)に行く友人から聞いた話では、国際免許に関して単純に日本の警察の説明を信じたら危ない、事故に繋がる、とのことです。「だいたい日本と同じですから‥、でもハンドルは左ですヨ。ハイ、では気を付けて!!」とか何とか‥‥。全部が全部、こんなテキトーな訳ではないでしょうけれども。

そこで米国と我国の交通規則の違いについて、色々と調べてみました。但し、上記の友人や他の帰国子女、アメリカ生まれの知人などからヒアリングした内容を中心とした、体験談的な記事であることを、くれぐれもご了解ください! 公的・法的な裏付けのある内容ではありませんし、一部には異説もある様ですから‥‥。

✱米国の交通規則は米国全土でほぼ共通の様ですが、時期によっては改訂されたり、州・地域によって異なる場合もありますから充分に注意してください。また、本記事の内容に関してはあくまで参考として頂き、米国での自動車運転に関しては自己責任でお願いします!!

 

米国ならではの交通規則の代表例

■交差点、(原則)右折はいつでもOK

米国では、進行方向が赤信号でも、原則的に一時停止をすれば右折することが可能で、これを“Right turn on red”と言います。但し、右折前には一旦完全に停止しなければなりません。交差する道路上を確認して、歩行者や他の車などの優先通行権のある者や車輌に道を譲る様にしましょう。特にバイクや自転車といった発見が難しい乗り物には注意して右折することです。

この「一時停止をして、安全を確認してから‥」という基本的なルールはある様ですが、大概は交差点が赤信号でも右折は出来るのです。また右折レーンで、左方から車が来ないのに前方の信号が赤だからといって青に変わる迄待っていると、後続車に右折を促すクラクションを鳴らされることもあるそうです。

しかしューヨーク市内では標識の有無にかかわらず、赤信号での右折は禁止となっているそうです(伝聞の為、要注意。例えば「ロス=アンジェルスは可ですが、ニューヨークは不可」と聞きました)。

また、(同様の赤信号で)右折してはいけない箇所には、“No Turn on Red”という標識があって、これは「赤信号の時は、右折も禁止」という意味になります。この“No Turn on Red” という標識を確認したら、赤信号の時、右折は出来ませんから注意してください。

更に、左へ曲がった道が一方通行の場合は、一時停止をした後に左折することも可能(但し、一方通行の道から、一方通行道へ左折する場合に限るとも)です。

 

■左折専用車線の存在

道路の中央部分に設けられた、黄色い実線と破線(外側実線、内側破線)に囲まれた部分は左折を待つ車両の為の専用車線です。対向車線の車がいなければ随時左折が可能であり、この左折専用車線という便利なレーンにより、左折待ちの車で渋滞することは少なくなります。但しこの車線には、対向車線から左折(自車から見て右折)をしたい車も進入するので、利用する時には充分な注意が必要となります。

また原則として、200フィート(約60メートル)以内であれば、このレーン内を走行することが可能とも。但し、追い越し目的の使用は禁じられているそうです。

 

■普通車は踏み切りでの一時停止は不要

バスやトラックなど大型車以外は、踏み切りで一時停止する必要はありません。踏み切りの信号に従って、必ず左右の安全を確かめてから横断しましょう。日本と同じ感覚で一時停止をすると、逆に後ろから追突されるかもしれません。

 

■解かり難い“ALL WAY STOP

私たち日本人に解かり難いと言われるのが、信号の無い交差点等で見かける「全車一時停止」を意味する“ALL WAY STOPです。これは、先に交差点に差し掛かって一時停止した車から、順番に優先して進むことが許されているという意味です。

また、赤信号が点滅している交差点での走行は、上記の“ALL WAY STOP”と同じです。停電などで信号が点いていない場合も同様とのことですが、交差点に進入する全ての方向からの車が、進入前に一時停止を求められます。但し、もしも同時に2台以上の車が止まった時は、右側からの進入が優先となります。

通常は、単に“ALL WAY STOP”と表示されている場合が多い様ですが、十字等の交差点では“4-WAY STOP”とか、T字路では“3-WAY STOPとされていることもあります。また十字路などで“2-WAY STOPと表示されている場合は、一時停止が必要なのは標識に正対している道(2方向)のみ。つまり自車と対向車線の車が対象で、残る(左右等の)合流車線は一時停車せずに通過が可能となるので、充分に注意しましょう。

ちなみに単なる“STOP”という標識は、「一時停止」を表します。一旦、一時停止をして、先着車が動いた後に安全を確認した上で速やかに進みましょう。この場合も、先着車が移動した後に他の車に進入を譲ったりしていると、後続車にクラクションを鳴らされたり、譲られた側のドライバーを困惑させたりすることになる模様。我国の様な「謙譲の美徳」は通じません‥‥。

 

米国における特に知っておきたい交通規則や道路事情

■制限速度について

道路の構造や、地域・州などによって制限速度の設定は様々とされていますので、個々に確認しましょう。但し、 殆どの州では車種別の速度制限は設けていませんが、 昼間と夜間で別の設定にしている路線もあるそうです。

州や地域により異なる可能性もあるので以下、参考となりますが、通常の制限速度は時速55マイル(約89km/h)です。郊外を走る州間高速道路の最高速度は、時速70マイル(約113km/h)、人がほとんど居住していない区域の最高速度は、時速80マイル(約129km/h)です。また、都市近郊の有料道路の最高速度は、時速75マイル(約121km/h)くらいの様です。

 
 

■道路・車線区分などの表示や標識について

米国では、走行の方向を示す標識はその道路への進入口付近にあるだけが多く、道の途中では走行方向を表す看板や矢印などはあまり見かけないそうです。
その理由は看板や標識ではなく、車線を区切るラインの表示によって進む方向などの情報が解る様になっているからと聞きました。それには白色と黄色、そして実線と破線などを使用していることが通常であり、 例えば隣の車線との境のラインが白色ならば隣の車線も同一方向であるが、これが黄色ならば隣の車線は対向車線となります。 その為、(右側通行なので)常に黄色いラインが自車の左側にあれば問題は無く、逆にもし右側にあれば本来の(正しい)方向に対して逆送していることとなり、極めて危ない状態であることになります。
また高速道路の進入路などで複数の車線が無い場所では、道路左の路肩側が黄色、右のラインは白となっており、単一の車線において表示が無くても進行方向が解る仕組みとなっています。ちなみに、高速道路では、合流側に優先権があることにも注意してください。
更に我国の道路では、白い破線が境目に塗装されている場合は追い越し/車線変更が可能な区間を意味し、これが白い実線でも車線変更は可能ですが、『指導線』という「出来れば車線変更はしない方が良い」というものとなっています(要注意、各説あり。日本では中央線と車線境界線では白い実線の意味が異なるらしい)。
しかし米国では、白の実線は車線変更禁止の印なのです。これは日本人にとって大変間違え易く、危険な点と云えるでしょう。そして米国の道路(車線)仕切り線では、黄色の破線側は反対車線を意味しますが、ハミだして前走車追い越してもOKということになります。
また車線に関する標識には、赤色のX標識でこの車線は走行不可という意味のRed X”や安全な範囲で可及的速やかにその車線から出るべきであることを意味する黄色のX標識“Yellow X”、走行可能な緑色矢印の標識“Green Arrow”などがあります
更に使用車線標識と呼ばれるものがあり、この“Lane use signals”は、一日の中の異なる時間において、走行可能と不可能である車線を示しています。この標識は大概の場合、車線の走行方向を逆にする用途で使用されます。例えばある車線に関して、時間帯などによっては「南行き」と「北行き」、「西行き」と「東行き」で交替して使用することになっているので、運転時には厳重に注意しましょう。これにより、特定の時間に交通量が多くなる方向に車線が追加されるのです。
また尚、片側複数車線の広い道では、一番右側にバス専用レーン(Bus Lane)が設けられていることがありますが、必要が無い場合は無意味にここを走行しないほうが良いとのアドバイスが多い様です。

 
 

■高速道路、及び有料道路について

・フリーウェイ

米国の“Freeway(フリーウェイ)”とは、「無料の高速道路」ではありません。原則的に、信号やストップサインなどがなく、走行中に停止する必要がない道路という意味から「フリー」と名が付いているのです。ちなみに、州と州を結ぶ高規格の長距離高速道路は、“Interstate Highway(インターステート・ハイウェイ)”、日本語だと「州間高速道路」と呼ばれます。この米国の基幹道路は、大部分が無料で走行が可能ですが、有料区間も存在します。

さて、こうした高速道路でも進入の際には、合流地点手前に信号が設置されていることがあります。もし信号が赤に点灯している場合、青に変わるまで一旦停止する必要があります。

日本でも高速道路で追い越し車線があるように、アメリカでは一番左側(後述のHOVレーンを除く)は追い越し車線です。この車線をゆっくり走っていると、後ろからクラクションを鳴らされたり、あおられたりすることもあるので注意しましょう。

・専用レーン

渋滞緩和の目的で、2人以上、または3人以上乗車してる車の優先車線を、“HOV(ホブ、High Occupancy Vehicle Lane)”または“Carpool Lane”(カープール・レーン、相乗りしている車専用車線)と言います。

利用するのに必要な人数等が掲示されていますので、この車線を走る場合は事前に標識(菱形マークで示すことが多いので、「ダイヤモンドレーン」とも)の内容を確認しましょう。一部には、条件違反(一人乗り)だと有料(罰金を科せられる)になるレーンもあるそうです(但し、オートバイ、バス、また許可を得ている特定のクルマ等は条件に関わらず利用可能とも。細部に関して異説在り)

更に、有料でこれらのレーンを利用することが可能な仕組みもあり、これを“Hot Lane(ホットレーン)”と呼び、即ち有料のHOV Laneなのですが、結果的に有料道路となるので後述の“Express Lane(エキスプレスレーン)”の一環となります。

予め購入して車内に取り付けたトランスポンダー/ETC車載機器があれば、一人乗りのハイブリッドカーや電気自動車は有料で通行が可能ですが、複数の人数で乗り合わせた車輌は無料で走行可能となります。

ここでの注意点は、複数同乗者がいても通常の“HOV Lane”が何時の間にか有料の“Hot Lane”に変わっている可能性があることです。 こうした路線では、適応するトランスポンダー/ETC車載機器がなければ、無料では通行できないのです。

原則として破線となっているエリアのみで出入りが可能とされ、内側が破線、外側が実線の二重線となっている箇所では、当該のレーンから出ることだけが認められている様です(要確認、地域などで異なることがあり、自己責任でお願いします)。

・有料道路

有料道路には“Express Lanes(エクスプレス・レーン)”・“Express Way(エクスプレス・ウェイ)”と呼ばれる優先車線があり、このレーンを使えるのは専用の支払いシステム(ETC機器)を搭載した車のみとなります。通常は一般の高速道路(フリーウェイ)と並走する形で、一番左端のレーンであることがほとんど。フリーウェイから車線変更により入線出来ますが、稀に専用の入口があります。適応するトランスポンダー/ETC車載機器が無い場合は、そこから入らない様に注意しましょう。

さて米国では、我国で云うところの(一般的な)有料道路は、“Toll Rosd(トールロード)”と言われますが、“Tollway(トールウェイ)”や“Turnpike(ターンパイク/略してTpk)” 、“Thruway(スルーウェイ)”などとも呼ばれています。そしてこれらの表記がある場合は、ほぼ100%有料の道路と考えて下さい。

尚、有料車線や有料道路の入口には、”E-ZPass Only”や”FasTrak Only”、”Sun-Pass Only”等のETC標識があり、この場合はETC非搭載車は通行出来ません。また、ETC車載機器は、州や地域によりタイプや仕様が異なるので注意が必要の様です。それ以外のトールロードや“Pay Ahead”と書かれた道路に入ると、(LA在住経験のある友人によると)道路脇に設置されているカメラがナンバープレートを撮影し、該当車が登録された住所に後日、請求書が送られてきます。

有料道路を表す黄色地に黒文字の標識を見落としたり、油断していて車線変更が間に合わない状況がありえますので、こうしたETC専用の路線や車線の存在には充分注意を払って走行しましょう。

また料金の支払いに関しては、利用する道路によって異なりますが、料金所がある場合、該当の走行レーンを選択して自分の支払方法(特に現金など)に合ったブースで料金を支払いましょう。但し、ほとんどの場合は現金で支払いできる料金ゲートが存在しない事が多い様です。

即ち現在では、有料道路料金用のETC車載機器を利用した支払いか、専用Webサイト上での決済での精算が中心となっています。

レンタカーについても、ほとんどの車輌に料金支払い用のETC車載機器装置が搭載(使用料金がかかる)されていますが、こうした装置が装備された車輌を希望の場合は、念の為に予約時にレンタカー会社へリクエストしておくと良いでしょう。ちなみに、こうした装置のサービス名は“E-toll Device”と呼ばれたり、“Plate Pass”と呼ばれています。

装置を使用せずに現金で有料道路の料金を支払いたい場合は、当該装置をオフにできるものであり、必ずオフになっていることを確認した上で、現金を支払ってください。またその際には、必ず支払い済みのレシートも保管しておいてください。稀に重複して請求が来る場合があり、後日の手間を考えると、現金で支払うことはお勧めしません

尚、カリフォルニア州南部(ロス周辺)などでは料金ゲートがなく、こうした料金支払い用のETC車載機器の搭載が必須とも。この周辺では、通常の“HOV”または“Carpool Lane”と有料の“HOV Lane”や“Express Lanes(エクスプレス・レーン)”などの車線が混在、その配置が複雑で、知らぬ間に有料車線を走ってしまう場合も多く、料金支払い用のETC車載機器をオンにしておけば、誤って有料車線を走行しても交通違反の罰則金を科されることもなく、(レンタカーだと)機器の使用料のみの発生となります。そして当然ながら、有料車線を走行しなければ、有料道路料金は課金されません。

 

その他の注意点

■スクールバスに注意

(通常は黄色の)スクールバスが停車している場合、後続車も対向車も停車する必要があります。これは、スクールバスを乗り降りする子供の安全を確保する為なので、このルールを守らないドライバーはスクールバスの運転手がナンバープレートの番号を警察に通報する場合があります。

細目については地域によって異なる場合もあるかも知れませんが、一般的に赤いライトを点滅させていたり、側面から“STOP”のサインを出して停止しているスクールバスがいたら、最低25フィート(約7メートル)離れた場所で停車して待機する必要があります。また赤いライトが点滅していない場合や“STOP ”サインを出していない時は、時速10マイル(約16km/h)以下の低速で追い抜く様にしましょう(この場合でも、一旦停止しバスが動き出すまで待機していた方が無難とも)。

この場合、当然ながら同じ車線を走っているならば追い越し禁止ですし、片側複数車線の広い道でも追い越しは絶対に不可と考えてください。また中央分離帯がない場合では、対向車も一時的に停車しなくてはならないのです(中央分離帯や対向車線との間に柵がある片側複数車線の大きな道路の場合は、対向車線の車は停止しなくても良いとも聞きましたが、児童が乗降する地点は小さな細い道路である事も多いので、スクールバスの停車に遭遇したら毎回きちんと停止・待機する様にした方が良いとのこと。別の意見では、幹線道路・私道・学校内の車道の何れの方向から近づいた場合でも、スクールバスの停車を見たら止まるべきだそうです)

“STOP ”サインが完全に収められ、赤いライトが消灯するのを確認してから発進する様にしましょう。

 

■“YIELD”の標識

“YIELD”(「譲れ」という意味)の標識があるところでは、自車が今から合流する車線を走っている車が優先となります。標識の手前で徐行、または停止し、安全を確かめてから合流してください。

但し、我国の一時停止とは異なり、他の車が来ていなければ止まらずに進んで良いとされています。見通しがいい場所などで、合流する道路に他車がいないのが明らかなのにいちいち停止すると、後続車に追突されるかもしれません。

逆に合流される車線を走っているドライバーが、合流してくる他の車を優先してあげ様と勝手に決めて停止したり減速したりすると後続車に追突される恐れが生じるので、そういったことは避けて下さい。

 

■ラウンドアバウト(roundabout)について

ラウンドアバウト“Roundabout”とは、環状交差点のことです。中央に設けられた円形などのスペースを取り巻く環状道路に、3本以上の道路を接続したものをラウンドアバウトと表現し、この交差点に進入した車は、この環状道路を反時計回りに通行します。

最近では、我国でもこのラウンドアバウトが増加傾向にありますが、米国などの諸外国ではごく一般的であり、郊外だけではなく市街地も含めた各地によく配置されています。

特に我国と米国との相違点は、我国では時計回り(右回り)なのに対して、米国では反時計回りであることと、我国ではこの環状交差点から出る時だけに左ウィンカー(turn indicators または turn signal)を出しますが、当然ながら米国では出る時に(日本とは逆方向の)右ウインカーを出します。(進入時には方向指示器は特に操作する必要は無く、これは両国とも共通の様ですが、我国では進入時にウインカーを出している車が多い感じですね)

また日米どちらの場合でも、既に環状道路を走っている車が優先であることを理解して、ラウンドアバウトに進入しましょう。

 

■シートベルトの着用と子供の扱い

米国では、シートベルトの着用が義務づけられています。運転者だけでなく、助手席や後部座席にシートベルトをしていない同乗者がいたら、運転者に罰金が科せられます。尚、子供には、一定の年齢・身長までカー・シート(チャイルドシート)やブースター・シートの利用が義務付けられています。

また、13歳以下の子供は、原則的に助手席に乗せない様にしましょう。更に、どんなに短時間でも、小さな子供だけを残して大人が車を離れるのは違法行為となるので、厳重に注意が必要です。

 

■駐車/停車禁止など

“NO PARKING”(駐車禁止)はわかりやすいですね。その他には、消火栓の前後15フィート(4.6メートル)、“Load/Unload Only”(搬入作業のためのスペース)の標識があるところ、“Passenger Load Only”(人の乗り降りのためのスペース)なども駐車はできません。“No Parking Except with Permit”(許可証なしでの駐車禁止)などもあります。歩道の縁が赤や黄色で塗られているところも駐車は出来ません。

また、路上にペイントされた“KEEP CLEAR”に関しては、「この部分は停車不可」という意味です。移動途中で信号が赤に変わり、この上で動けなくなったりすると大変で、周囲からブーイングを受けたり、場合によっては罰金を科されることもあるので、充分注意しましょう。

更に道路の縁石の色により、赤色は駐車禁止、白色は乗降車や短時間の停車、緑色は時間制限があり(通常、縁石に時間が書かれています)、黄色は荷物の積み下ろしのみ(運転手はその場を離れてはいけません)、青色は障害者専用となっています。また、色がついていない縁石でも、消火栓がある場所は駐車禁止です。ちなみに、駐車場等には障害者専用スペースがある場合があり、青い車椅子のマークが掲示されています。ここには車椅子マークのプレートをつけた車だけが駐車可能で、間違ってここに停めると高額な罰金を科せられるので注意しましょう。但し、これらの縁石の色の意味も、州によっては異なる場合があるとも聞きますので、事前に確認を‥‥。

駐停車に関して何も標識や看板が無い場所では、どの様にクルマを止めても大丈夫ですが、看板などがある場合はその指示に従う必要があります。時間帯や曜日により駐車可能または禁止などと、細かく表示されているものもあり、この表示内容には慣れるまでは時間と経験を要します。

 

■坂道での駐車も気を付けよう

それから坂道での駐車に関しては、縁石の有無に合わせてハンドルの向きを変える必要があります。これはサイドブレーキが故障して車が勝手に動き出した際に、被害を最小限にするためのルールとされており、坂道に駐車しているにもかかわらずハンドルの向きが変わっていないと罰金が発生することがあるそうです。

下り坂に駐車する場合は、ハンドルを右に切ってタイヤの方向を右に向けてからエンジンを切りましょう。登り坂で駐車する場合は、ハンドルを左に切ります。縁石が無い場所もあるかと思います。この場合は、登り坂でも下り坂でも、ハンドルは右に切ります。

 

■緊急時に関して

・警察官に制止されたら

運転中に警察に止められたら、必ず停車する必要があります。特にパトカーが赤と青の灯火を点けながらピタッと後ろから追跡してきたら、速やかに右側に車を寄せて停止してください。

速やかに停車しない場合や指示なく車外にでた場合は厳罰の対象となります。勝手にバッグから免許証を出そうとしたり、車の窓を開けたりと余計な動作をすると、警官側に勘違いされて、先に発砲されても文句は言えません。

車を停止させると、警官がパトカーから降りて自車に近づいてきますが、その時には絶対に車の外に出てはいけません。もし車外に出たら、拳銃を突き付けられて厳罰になる可能性があります。ハンドルの上など見える場所に両手を置き、警察官の指示を待ちます。

そして警官から免許証の確認を要求された場合は、当該の警官に一言断ってからゆっくりとカバンの中やダッシュボードから免許証を取り出して渡してください。通常は、車の車両登録書“Registration”と免許書“Driver’s License”を見せる様に言われます。旅行中の場合は、旅行中であることを言い添えて、指示された書類を提示しましょう。

※こんな感じで聞きましょう。Can I get my driver’s license from my bag? 

・緊急車両と遭遇したら

米国では、例え交差点内ではなくても道の右側に車を寄せ、完全に止めた状態で道を譲る必要があります。これは、対向車線を緊急車両が通る場合でも同じだとのことです。

 

良かれと思って災いを招く行動

クラクションやハザードランプは緊急時や危険を伝え、注意を引く為のものですが、他の状況でちかちか点滅させると、他車を挑発していると思われる可能性もあります。

相手に「感謝の気持ち=ありがとう」を伝えたい場合は、笑顔で手を軽く挙げたり、更に同時に口の動きで “Thank you” と伝えたりが良いそうです。当然、日本流のお辞儀は米国では見掛けません。車線変更などでスペースを譲ってくれた後方車には、バックミラー越しに手を振ったりするのが一般的の様です。

また、歩行者から道を譲ってもらった時などは、上記の“Thank you”のジェスチャーをして、遠慮なく自車を進めましょう。不必要に遠慮して歩行者に道を譲ると、逆に相手を混乱させてしまうことも。

最後に、交差点などで信号待ちで停車する場合、原則的にとヘッドライトは消さない様にしましょう。対向車や周囲の通行人から怪しまれる可能性がある様です。

 

国際免許は事前(渡航前)に取得

取得にあたって特別な条件はありません。誰でも警察署や運転免許センターで申請すれば取得出来ます。発行まで 2 週間ほどかかる様なので、余裕をもって申請してくださいね。有効期間は 1 年なので、仕事などでそれ以上滞在する場合は米国で免許を取得しましょう。但し原則的に、我国での様に身分証明書としては使用出来ません。

経験談ですが、米国でレンタカーを借りる際に、国際免許証だけではなく、日本での運転免許証の提示を求められるたケースがあったとのことですから、レンタカー利用者は運転免許証も持参した方が良いかも知れません。

 

この様にいろいろと違いがあり、結構、危ないものを感じるのは私だけでしょうか? 特に初めての場合は、充分な注意が必要でしょうね。渡米して運転する予定のある方、くれぐれも慎重に‥‥。 久々の投稿、チエちゃんでした!!

-終-

【参考その1】ハンドルは和製英語で、アメリカでは『wheel(ウイール)』と呼びますヨ。また、日本にあるSA/サービスエリアやPA/パーキングアリアもまた、アメリカ人には通じない言葉で、米国には、日本でいうところの“Service Area”の様な施設は見当たりません。ですが“Rest Area(レストエリア)”と呼ばれる同様の場所があり、都市から離れた長距離区画の道路などには、一定の距離毎にレストランやガソリンスタンド等があるエリアが存在しています。

【参考その2】米国とは限らず、海外では車上荒らしを防ぐ目的で、貴重品などは車内に置かずに携帯するかトランク等にしまうのが常識です。決して窓から覗ける車内に、大切な物を置いて車から離れない様に‥‥。

【参考その3】店舗などで、利用毎に駐車券等にスタンプを押してもらうことを、英語では“Validation(バリデーション)と言います。また“”セルフ・パーキング(Self parking)と“”バレット・パーキング(Valet Parking)という言葉がありますが、セルフ・パーキングは自分の好きな場所に駐車することが可能な方式を指し、バレットパーキングは係員にクルマの鍵を渡して車の保管を任せる方式になりますが、このバレットの場合は係員にチップを渡すのを忘れずに‥‥。

【参考その4】我国よりも、米国では黄色信号の時間が短いことが多いので注意しましょう。また車内からポイ捨てなどをすると、高額の罰金刑を受ける可能性があるので、ポイ捨ては絶対にしないでください。

【参考その5】道路標識などに見られる道路の区分(Road Types)には、“Business Route(市街地・繁華街を通るルート)”や“Alternate Route(代替のルート)”、“Sper Route(ハイウェイから外れて目的地に向かうルート)”、“Sper Road(舗装されていないSper Route)”などがあります。また“Byway”は、「景観に優れ自然が豊か」、「歴史的・文化的に秀でた地域を通る」などの理由で選ばれた道路を指します。

【参考その6】歩行者に関しても、赤信号での横断や横断歩道のない場所での横断などについては、これま高額の罰金(金額は様々ですが、日本円で2万円近くを収めたとの情報もあり)を科せられることがあるそうなので、注意しましょう。

【参考その7】 有料道路でも、車輌のサイズや重量、プロパンガスの有無や容量により、RV車では通行出来ない道路があり、注意が必要です。また東海岸では、有料トンネルの殆どでRV車が通行不可となっています。 国立公園等でも、車輌のサイズ、重量、牽引の有無などで、通行の制限があるので留意してください。

 

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