【ふぇいばりっと・ぴあにすと、名盤この1枚】 その〈16〉ハービー・ニコルス/Herbie Nichols 〈JKI00〉

 

ハービー・ニコルス/Herbie Nicholsは、1919年1月3日にニューヨークで生まれ、1963年4月12日に44歳で亡くなった米国人ジャズ・ピアニストです。
カリブ海地方出身者を両親に、ニューヨーク・マンハッタンのサンファン・ヒルに生まれ、ハーレムで育ちました。その初期の音楽活動には、1937年のロイヤル・バロンズ楽団/Royal Barons Orchestraとの共演があります。
1941年には徴兵で陸軍に入隊。戦後になると音楽界に復帰し、この頃からは作曲家としての活動が目立ち始めます。1952年にメアリー・ルー・ウィリアムズ/Mary Lou Williamsが彼の作品を録音するようになると、その作曲の才能が業界内では知られるようになりましたが、それでも広く活躍する機会は訪れませんでした。
ようやく1955年から1956年にブルー・ノートと契約して3枚のアルバムを制作しますが、その先鋭的な演奏は一部のジャズ評論家からの高い評価の割には、一般のジャズファンからはさしたる注目を受けず商業的な成功は獲得出来ませんでした。またその後、1957年には生前最後のリーダー作をベスレヘム・レコードで録音していますが、ヒットには結びつきませんでした。
こうしてニコルスは不遇の内に、1963年に白血病の為に亡くなりました。
モンクと似たリズム感覚やパーカシッブなピアノ奏法を用いたピアニストとしては大変不遇な存在でしたが、オリジナリティ溢れる作曲家としてはそれなりの実績があり、スタンダードとなっている『レディ・シングス・ザ・ブルース/The Lady Sings The Blues』は彼の代表作のひとつとなっています。ようやく死後になり、その独創的なピアノ演奏と作曲の才が多くのミュージシャンや評論家から高い評価を受けるようになりました。
彼の代表作は、『ハービー・ニコルス・トリオ/Herbie Nichols Trio』(BN、1955年)としておきます。
数少ない孤高の天才・ニコルスの貴重な記録であり、既述の彼の代表曲『ザ・レディ・シングス・ザ・ブルース/The Lady Sings The Blues』を含むこのアルバムでの共演者は、ベースがアル・マッキボン/Alfred McKibbonとテディ・コティック/Teddy Kotick、ドラムがマックス・ローチ/Max Roachとなっています。
その他としては『ザ・プロフェティック・ハービー・ニコルス VOL.1&2/THE PROPHETIC HERBIE NICHOLS VOL.1&2』と『ラブ、グルーム、キャッシュ、ラブ/Love Gloom Cash Love』を挙げておきます!
結局、(未発掘を除く)リーダー作の全てを推薦盤としてしまいました!

〈終〉

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投稿者: 准将

何にでも好奇心旺盛なオジサン。本来の職業はビジネス・コンサルとマーケッター。興味・関心のある分野は『歴史』、中でも『近・現代史』と『軍事史』が専門だ。またエンタメ系のコンテンツ(音楽・映画・ゲーム・マンガなど)には仕事の関係で随分と係わってきた。今後のライフワークとして儒学、特に陽明学を研究する予定である。kijidasu! 認定投稿者第一号でもある。