4月17日にNASA(米航空宇宙局)は、水が液体の状態で存在する可能性が高く、地球とほぼ同じサイズでよく似た惑星を発見したと発表しました。地球型の生命が存在するかも知れないこの惑星の発見は、世界中で大変注目されています。
宇宙の中で、生命が誕生するのに(恒星との距離などが)適した環境と考えられている天文学上の領域をハビタブルゾーンといいます。日本語では生命居住可能領域と呼ばれますが、このハビタブルゾーンにある地球サイズの惑星が初めて発見されました。
この惑星はケプラー186fと名付けられ、地球からおよそ459光年の距離にあります。白鳥座の比較的冷たいM1型赤色矮星(ケプラー186)の周りをまわる第5惑星で、およそ130日の周期で公転しています。また、ケプラー186fは地球の1.1倍とほぼ地球と同じサイズで、岩石や鉄、氷でなどで構成されている可能性がある上、恒星からの距離が適度に離れていることから水が液体の状態で存在する可能性もあり、地球に似た生命体の生存が可能な惑星と考えられるそうです。
ケプラー宇宙望遠鏡の観測結果を分析して発見されたもので、NASAが今月17日に発表しました。
地球に似た惑星は今までも見つかってはいますが、恒星からの距離が適当ではなく、今回の惑星が地球の環境に最もよく似ているようです。
また、これまでに見つかった太陽系外惑星約1,800個の中で、ハビタブルゾーン内にある惑星は約20個ですが、2011年の時点でNASAは、ケプラー宇宙望遠鏡の観測でハビタブルゾーン内にある地球サイズの惑星は5個である、と発表していました。
しかしそれらの惑星は何れも地球より規模が大きく(最小でも1.4倍以上)、地殻があるのかガス・タイプの惑星なのかは判明していませんでした。しかし、ケプラー186fは、その恒星であるケプラー186のハビタブルゾーン内に位置し、地球とほぼ同じサイズの初めての惑星です。ハビタブルゾーンでは水は、沸騰も凍結もしない適量の太陽放射を受けますから、ケプラー186fでは生命の誕生や維持に必要な水が液体として存在する可能性が高いのです。
但し、ケプラー186fはハビタブルゾーン内といっても恒星系のかなり外縁部に位置しており、中心星から受けとるエネルギーは地球に比べて3分の1程度しかないようです。昼間でも地球の日没前ぐらいの明るさかも知れません。また、大気の濃さや組成によって地表温度が著しく変わるので、熱を閉じ込める温室効果の大気がない限り、ハビタブルゾーンにあるからといって必ずしも生命に適した環境とは限らないそうです。
しかしNASAはケプラー186fの発見により、太陽以外の恒星のハビタブルゾーン内に地球サイズの惑星の存在が初めて確認されたとし、更に地球サイズの別のハビタブル惑星が存在する可能性があると述べています。
つまり、地球に似た惑星探しの次のステップは、我が太陽と同じタイプの恒星のハビタブルゾーンにある、地球サイズの惑星を見つけて、その組成を確かめることのようです。
こうしたハビタブル惑星が全宇宙にはまだまだあるでしょう。研究者は銀河系には地球のような惑星が最大400億個はあると推定しています。きっといずれ人類は、ほぼ地球と同じ環境の惑星を見つけて、自分たち以外の生命体を発見するに違いありません・・・。
尚、ケプラー186fに関する論文は米国の科学雑誌「サイエンス」で公表されています。
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