TVを観ていたら、『りんごポリフェノール』の効果について紹介していました。
ポリフェノールといえば、果物では「ぶどう」が有名、由来の食品は言わずと知れた「(赤)ワイン」です。野菜だと「トマト」あたりかな。また、最近では「コーヒー」に含まれる『クロロゲン酸』が注目を浴びています。
そこで改めて、ポリフェノールについて調べてみました!!
ポリフェノールとは
ポリフェノール (polyphenol) とは、ポリ(たくさん)のフェノールという意味で、植物が作り出す抗酸化物質であり、分子内に複数のフェノール性ヒドロキシ基(ベンゼン環、ナフタレン環などの芳香環に結合したヒドロキシ基)を持つ植物成分の総称です。またポリフェノールは、本来、動物には生成出来ない、植物特有の生体成分だそうです。尚、ポリフェノールはイソフラボンやカテキン(フラバノール)などのフラボノイド系とリグナンやクロロゲン酸などのフェノール酸系に分類されます。
ぶどう(赤ワイン)のアントシアニン、お茶のカテキン、大豆のイソフラボンなどは皆(みな)ポリフェノールの一種です。もちろん、その他の野菜や果物にも多く含まれ、特に植物の樹皮や表皮、種子などに多く含まれる色素成分や苦味・渋味成分であり、自然界には5,000種類以上も存在するとされています。
ポリフェノールは、光合成によって造られる植物の色素や苦味・渋みの成分であり、植物細胞の生成や活性化などを助ける働きを持ち、外部から進入した有害成分を無毒化するなどの働きもあるので、植物自体を守る為に重要な成分なのです。ポリフェノールは、活性酸素やフリーラジカルといった有害物質を捕らえて、安定した無害な物質に変える作用があります。このため、ポリフェノールは強力な抗酸化作用があるのです。
本来、ポリフェノールの本質は、昆虫や小動物などからの攻撃や紫外線により生じる活性酸素から、植物自身が自らの生命組織を守るための生体防御物質なのです。
植物には害虫や紫外線、カビ、病原菌など、多くの外敵が存在しています。私たち人間などの動物でしたら、動いて外敵から逃れられますが、植物にはそれが出来ませんので、外敵から身を守る為にポリフェノールが作られました。
こうした意味を持つポリフェノールですので、その成分は人間にとっても優れた効用・効果を発揮するものなのです。
既に、人間が体内に摂取した場合でも抗酸化作用が認められており、すべてのポリフェノールの強力な抗酸化作用が、生活習慣病の予防に効果的であると考えられています。
ポリフェノールの種類
ポリフェノールにはいろいろな種類があり、一般的に「ポリフェノール」と言われているのは総称となります。ビタミンにしても、ビタミンAとかビタミンCとか、いろいろな種類があるのと同じです。それでは代表的なポリフェノールの種類を、ご紹介していきましょう。
カテキンは、お茶やワインに含まれているポリフェノールです。緑茶や紅茶などの茶葉やワインなどの渋味成分で、強力な抗酸化作用がある為、アンチエイジングや癌(ガン)予防など様々な健康効果があるとされています。又、優れた殺菌・抗ウイルス作用もあり、食中毒やウイルス感染を防ぐ効果も注目を集めています。血中のコレステロールを低下させたり、高血圧を予防したりといった効用もあるとされます。またカテキンは、お茶やワイン、リンゴ、ブルーベリー等に多く含まれています。
最近では、細胞や遺伝子の損傷を防ぐ効果も発見され、食品添加物、環境汚染、紫外線やストレスなどから人体を守ってくれると期待されています。
尚、カテキンは別名タンニンとも呼ばれています。厳密には同一のものではない(カテキンが酸化/重合反応することによってタンニンといわれる)ようですが、諸説あるようです。
アントシアニンは、ブドウやブルーベリー、黒豆、ナスなどに含まれているポリフェノールで、水溶性の色素成分です。ブルーベリーの濃い青色や黒豆の黒が、このアントシアニンから生まれた色となります。
このポリフェノールは、目の健康に良い効用を持っている事で有名です。目の網膜で働くロドプシン(対象空間の光に関する認識情報を脳に伝える)という物質を再合成する為に必要な栄養素で、アントシアニンはこのロドプシンの再生を活性化させる事で、視力の回復や疲れ目の改善に効果を発揮するのです。視力回復以外にも肝機能の向上を助け、活性酸素の発生を抑える抗酸化物質であるため、体内で過剰になった活性酸素を除去し老化や病気を予防することはもちろん、ビタミンCを同時に摂取することによって、より強い抗酸化作用が期待されています。
またアントシアニンは、ブドウの皮やムラサキイモ、ブルーベリーなどの赤紫色をした植物体に多く含まれています。
イソフラボンは、大豆の胚芽部分に多く含まれており、大豆や、大豆から生まれた大豆加工食品(豆腐、納豆など)、葛、葛粉などに多く含まれるポリフェノールです。
女性ホルモンと似た働きがあり、女性特有の更年期障害等を抑制する事が出来るといわれています。イソフラボンはエストロゲンと構造が似ているため、女性ホルモンに似た作用をもつのです。
また、イソフラボンが特に注目を集めているのは骨粗しょう症の予防効果で、骨からカルシウムが溶け出すのを防ぐ力があるようです。更に抗酸化作用のほか、癌(ガン)に対する予防効果や細菌やウィルスへの抵抗力を高めたり、コレステロールを下げる効果、逆に血糖値上昇を抑える効果もあります。そして、イソフラボンは特に近年はアンチエイジングや美容などの視点からも着目されています。
更に男性にも、女性ホルモンに似たイソフラボンを摂取することで、前立腺癌の予防に効果があるといわれています。これは男性ホルモンの過剰な分泌をイソフラボンが抑えると考えられるからで、日本人が欧米人に比べて前立腺癌の発症が少ないのは、大豆由来の食品を多く食べることでイソフラボンを多く摂取し前立腺癌の予防になっていると考えられているのです。
尚、摂取量については厚生労働省より安全な上限摂取量の目安が設定されていますが、これによると、閉経前の女性で64mg/日、閉経後女性は74mg/日、男性では76mg/日となっています。
ルチンは、水溶性のフラボノールの一種でヘスペリジンなどと共に ビタミンPの仲間とされ、蕎麦や無花果(いちじく)等の特徴的な成分とされます。
ルチンには高い抗酸化作用があり、血管の弾力性を保ち内出血を防ぐ働きがあり、高血圧を予防するとされます。そのため脳梗塞、脳卒中、高血圧症や動脈硬化などの循環器系の病気の予防に効果があるとされています。更に血管を柔らかくするだけではなく、血液をサラサラにするという効能も発揮するのです。
もう一つの大きな効果としては、ビタミンCの吸収を助ける働きがあります。ビタミンCの吸収効率を向上することで、肌のしみやしわ、たるみの発生を防ぐことが可能となります。これによりアンチエイジング効果を発揮、より肌年齢の若い状態を保つことが出来るのです。
またヒスタミンの分泌を遅らせることにより、アレルギーを抑えたりする効果も期待できます。