【健康生活】 今更ながらのポリフェノールの効用に、びっくり!! その(1) 〈304JKI10〉

クルクミンは、ショウガ科の熱帯性植物であるターメリックに含まれている黄色の色素のポリフェノールです。当然ながら、ウコンや生姜(ショウガ)に多く含まれています。

クルクミンは、強い抗酸化作用を持ち、胆汁の分泌促進作用により肝機能の強化やコレステロールの抑制等による生活習慣病の予防にも効果があるといわれています。そのため肝臓関係の病気やアルツハイマー病、アルコールの大量摂取に関わる病気などへの効能が期待されているのです。

その他の効能としては、殺菌や食欲の増進、癌(ガン)予防、利尿作用などが挙げられます。

ちなみに、クルクミンは沖縄地方では、「ウコン」と呼ばれており、胃腸障害に効く薬として有名です。

 

リグナンとは、ポリフェノールの一種でゴマに多く含まれています。ゴマといえばセサミンですが、このセサミンもリグナンの仲間です。

このリグナンは抗酸化作用、血中コレステロールの低減や抗アレルギー作用、アルコール分解の促進と免疫力の強化。また高血圧の予防、脂肪酸代謝の改善と血圧の低下、並びに癌(ガン)細胞の増殖の抑制や肝機能の改善、そして炎症反応を抑える効果など、実に様々な効能があります。

また腸内細菌により、女性ホルモンのエストロゲンと同様の働きをする成分に変わるのも大きな特徴です。その為、エストロゲンの副次的作用として知られている、心筋梗塞や動脈硬化の抑制、骨粗しょう症の改善などに、リグナンも効果があると考えられています。

 

クロロゲン酸は、コーヒーやプルーンなどに含有されているポリフェノールの一種で、ジャガイモの皮、牛蒡(ごぼう)やサツマイモ、茄子(ナス)などにも、このクロロゲン酸が含まれています。特にコーヒーに多く(5%~10%)含まれ、含有量はカフェインより多いとされフェノール酸系に分類されます。

クロロゲン酸は、消化器の不調や代謝性疾患を改善する作用があるとされます。また高い抗酸化作用と共に発癌(がん)性物質を除去する効果を持つとされています。

この他、クロロゲン酸にはミトコンドリアに働きかけ、脂質を効率よく燃焼しエネルギーに変換します。そして脂肪の分解を促進して、脂肪の蓄積を抑える効果があると報告されてもいます。

近年、Ⅱ型糖尿病の予防に効果的としてコーヒークロロゲン酸が注目を集め、相次いでⅡ型糖尿病を予防する効果があるという報告がされています。

個人差がありますが、大量に摂取すると胃腸に便秘などの障害を起こすとされています。

 

クマリンは、サクラの葉、パセリ、モモ、柑橘類などのセリ科やミカン科、マメ科などの植物に多く含まれるフェノール酸系に分類される香り成分で甘い香りのもとです。

抗菌作用やむくみ防止作用、抗血液凝固作用があり血栓防止薬として利用されています。

クマリンには肝毒性があるため、過剰摂取には注意した方が良いといわれていますが、柑橘類の皮にあるオーラプテンというクマリン化合物には癌(ガン)の発生を抑える効果があると考えられています。

現代においては、軽油引取税の脱税防止のため、軽油識別剤としても活用されています。

 

エラグ酸は、ザクロ、イチゴなどに含まれるポリフェノールの一種です。

強い抗酸化作用を持ち、癌(ガン)を抑制する効果や糖尿病を予防する効果、炎症を抑える効果、老化防止・アンチエイジングなどの様々な効能を持っています。またエラグ酸には、メラニンを黒色化させるチロシナーゼの働きを抑える作用があることで美白効果があるとされ、化粧品にも多用されています。

また、足のむくみ、便秘などにも効果的だそうです。

 

ポリフェノールはその構造の違いによって、いくつかのグループに分類され、大きくはフラボノイド系とフェノール酸系に分かれます。

【フラボノイド系】
ポリフェノールの約90%はフラボノイド系に属しており、このフラボノイド系はポリフェノールの中で最も重要な色素成分類となっています。

●フラボン   セロリ・パセリ、ピーマンなど
(アピゲニン(オリーブやパセリ)、クリシン、ルテオリン)

●フラボノール   蕎麦・茶・リンゴ果皮・玉ねぎなど
(ガランギン、ケルセチン、ルチン、ケンフェロール、ミリセチン)

●イソフラボン   大豆など
(ゲイゼイン、ダイジン、ゲニステイン)

●フラバノール   緑茶、カカオなど

(カテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、テアフラビン)

●フラバノン   柑橘類など
(ナリンゲニン、ナリンギン、ヘスペレチン、ヘスペリジン)

●フラバノノール   ハナミョウガの種子など

●カルコン   明日葉など

●アントシアニジン   赤ワイン・ブドウ・ブルーベリー・イチゴ・紫芋など
(シアニジン、シアニン、デルフィニジン、デルフィニン、ペラルゴニジン、ペラルゴニン)

【フェノール酸系】
フラボノイド系は色素からできているのに対し、色素以外でできた成分がフェノール酸系になります。

●リグナン   ごまなど

(セサミン、セサモリン、セサミノール、セサモール)

●クルクミノイド   ウコンなど
(クルクミン、ジメトキシクルクミン、ビスジメトキシクルクミン)

●クマリン(ラクトン類)   トンカ豆の種子など

●クロロゲン酸  コーヒーなど

●ロズマリン酸   シソなど

●フェニルカルボン酸   タンニンの成分

-終-

 

《広告》